大きな戦争へと発展しないことを祈りたい。
中国の天津市で1日に開かれた上海協力機構(SCO)首脳会議で、中国の習近平国家主席とインドのナレンドラ・モディ首相、そしてロシアのウラジミール・プーチン大統領は握手をかわして和やかな輪を作った。
共に笑顔を投げかけた様子は動画で世界中に配信されもした。それはまさしく地球の裏側にいるトランプ大統領に対する当てつけのようで、「俺たちこそが世界のリーダー」と言っているかのようでもあった。
それは最近、モスクワが復活を望んでいる「トロイカ体制」の具現化にほかならず、米国だけに世界を主導させるわけにはいかないというメッセージが込められてもいた。事実、習主席は同会議の開会演説で米国をあからさまに批判し、冷戦的思考やブロック的な対立、他国への攻撃に反対する必要があると参加者に訴えた。
国際関係の専門家からは「習主席は明らかに、米国が主導する第二次世界大戦後の国際秩序に挑戦し、中国こそが信頼できる正当な国家であることを示そうとしている」との指摘があり、今後は米国が主導する西側諸国対上海協力機構の対立になっていく可能性が高い。
こうした明確な線引きができてしまった時の憂慮は「いずれは武力による衝突が勃発する可能性」があることだ。いま世界に必要なのはこうした亀裂ではなく融合であって、「オレがオレが」という態度は慎まなくてはいけない。世界大戦などは二度と起きてほしくない。