戦争をしない国

国連加盟国は2026年現在、193カ国ある。その中で第二次世界大戦以降、戦争をしていない国が8カ国ある。たった8カ国である。日本はその中の一国である。

ちなみに8カ国というのは、アイスランド、フィンランド、スウェーデン、ノルウェー、デンマーク、スイス、ブータン、そして日本である。北欧の国を中心に、いかにも戦争をしなさそうな国が並んでいる。今日、ある資料を眺めていたら、上記の国々がでていた。

この中の一国でいることはたいへん大事なことで、他国を軍事的に攻撃しないばかりか、戦争になりそうになった時には回避する術を会得しているということでもある。第二次世界大戦で痛い目に遭い、さらにアジア諸国を中心に加害者として多くの人たちを苦しめた日本。

今後もずっとこの中の一国でいてほしいものである。

米中首脳会談

トランプ大統領(以下トランプ)と中国の習近平国家主席(以下周近平)は14日、北京で米中首脳会談を行った。15日も続いているが、表面上は両首脳ともに笑顔で握手をし、友好的な姿勢を示していたが、実際にお互いの腹の中をのぞくとメディアでは語られていないドロドロとした思いが渦を巻いていた可能性が高い。

習近平は会談冒頭、トランプの訪中を歓迎し、「安定した米中関係は世界にとって有益だ」と述べて、二国間関係がいかに重要であるかを表したが、心の中では「トランプに牛耳られてなるものか」との本音があったはずである。今回の会談で最重要と位置づけられていた台湾問題では、「適切に処理しなければ両国は衝突し、中米関係全体を非常に危険な状況に追い込む」との本音を吐露してもいる。

トランプは「我々はすばらしい関係を築いてきた」と述べた上で、「米中関係はかつてないほど良好になるだろう」と強調したが、それは外交的な表面上の話であって、「あえて口に出さないことで良好な関係を築く」という外交スタイルにも思える。もちろん、こうした会談で話の内容が全て公表されることはないし、トランプなどは会談後、台湾問題など議題にあがらなかったと言わんばかりに同問題では無言を貫いた。

トランプ政権一期目に国家安全保障会議(NSC)で首席補佐官を務めたアレクサンダー・グレイ氏は米メディアに対し、「派手な発表ではなく、大きな浮き沈みを繰り返しながらも継続性を確立することが重要。長期的により強靭な国家となるために国内の困難な問題に取り組む必要がある」と述べ、今回の会談は両国がより良い関係を構築するためのステッピングストーンになるとの考えを示した。

米・イスラエル VS イラン(7):イランは第二のベトナム?

イラン紛争が長期化しそうな情勢である。

まだ開始から1カ月ほどしか経っていないが、すでに「第二のベトナムになる」との見方もでており、すぐに収束するようには見えない。その中で、イラン政府は自らが勝利を手にするとの自信をのぞかせていると同時に、今後何年にもわたって中東のエネルギー資源を支配できるといった自信さえみせている。

ただ、トランプ大統領(以下敬称略)とイスラエルのネタニヤフ首相は、紛争の終結時期については相反するシグナルを発している。ネタニヤフは19日、「紛争は人々が考えているよりずっと早く終わる」と述べているが、トランプは逆に数千人規模の海兵隊員を中東に追加派遣したばかりで、長期戦の構えである。冷静に状況をみても「紛争の深度」は浅くなるというより、深まっているのが実情だ。

イランは中東全域で毎日数十発の弾道ミサイルと多数のドローンを発射できる能力を維持しているし、発射頻度は10日前と比較しても増加している。先週、イランはサウジアラビア、カタール、クウェート、バーレーン、アラブ首長国連邦にミサイルを撃ち込み、壊滅的な被害を与えた。アッバス・アラグチ外相は米国にとってのイランを「第二のベトナム」と形容しさえした。

イランは米国と湾岸諸国が大きな代償を払う場合にかぎって停戦に同意すると表明している。さらにイランはホルムズ海峡を通過するすべての船舶に通行料を設けて、支払いを義務付ける計画であるという。米国や湾岸諸国がそうした通行料を受け入れるとは考えにくいし、トランプは必要であれば武力行使も辞さないという姿勢で、ホルムズ海峡の再開のためにすでに数千人の海兵隊員派遣を命じている。

ホルムズ海峡の奪還は決して容易ではないが、不可能ではないと軍事専門家は述べている。ミッチェル航空宇宙研究所のデビッド・デプトゥラ所長は米メディアに、「一夜にして実現するものではないが、時間をかければホルムズ海峡は、この紛争勃発以前の航行レベルまで回復するだろう。数週間以内には実現するだろう」と語っている。

いずれにしても、一刻も早く紛争が終結してくれることを祈りたい。

米・イスラエル VS イラン(6)

米・イスラエルとイランの戦闘は当初、短期間で終わるかに思えたが、攻撃・報復の繰り返しが続き、すぐに収束するようにはみえない。トランプとイラン政府は政治的な突っ張り合いを続けており、このままいけば大規模な戦争へと発展する可能性もある。

その一因のひとつが、トランプが戦争終結のシナリオを描けていない点にある。戦争に入った(開始した)時点で、明確な撤退計画が策定できていないと、ズルズルと戦争は長引いてしまう。何の目的で戦いを始め、何を達成したら止めるということが念頭にないと終わりが見えない。

トランプはイランへの最後通牒として(日本時間22日午前8時45分頃)、48時間以内にホルムズ海峡封鎖の解除を求めたが、そうした流れにはなりそうもない。トランプはイランの発電所を「壊滅させる」と述べ、それに対するイランはトランプが脅迫を実行に移した場合、海峡を完全に閉鎖し、破壊された発電所が再建されるまで再開しないと反論している。

今回の対立は1970年代以来最悪のエネルギー危機に発展しつつあり、世界的な原油高、さらには経済危機につながりかねない。ここは首脳たちの叡智に期待したい。

米・イスラエル VS イラン(5)

米・イスラエルとイランによる戦闘が始まってから2週間以上が経ったが、終息の兆しは見えない。 トランプ大統領(以下トランプ)は、ホルムズ海峡の航行については「石油の供給を受けている国が責任を持つべき」と発言し、各々の国が責任をとるべきとの考えだ。

ただ言うは易し行うは難しで、日本のようなペルシャ湾岸に軍事力を派遣できない国はほぼ何もできない状態で、指をくわえて眺めているしかない。原油の8割前後がホルムズ海峡を通って輸入される日本は、心臓にナイフを突きつけられているようなもので、長期間原油が入ってこなくなると国の存亡にかかわる。

トランプはSNSの投稿で、「ホルムズ海峡封鎖で影響を受ける国は、海峡を開放して安全に船舶を航行させるために米国と協力して軍艦を派遣すべき」と記した。さらに「人為的な制約で影響を受ける中国、フランス、日本、韓国、英国とその他の国がこの地域に艦艇を派遣し、ホルムズ海峡にこれ以上の脅威がおよばないことを望む」と述べた。

トランプは日本が海外に武力を派遣できない制約を抱えていることを熟知しているはずだが、今回に限っては「その縛りを解け。米国だけに血を流させるつもりか」と言っているかのようにも聞こえる。これはトランプからの挑戦状とも受けとれる。

19日にトランプに会う高市氏はどう対応するのだろうか・・・。