米中首脳会談の裏側

米ホワイトハウスで24日、トランプ大統領(以下トランプ)と中国の習近平国家主席(以下習近平)が会談し、安全保障をはじめ人工知能(AI)や通商など多くの問題について議論が交わされた。

5月に北京で行われた米中首脳会談の後も、両国は密接に意見交換しており、以前よりも確実に両者の距離間は狭まってきているといえる。こうした首脳会談の前には両国の政府役人が何度も協議を重ねて内容を詰めるが、今回もかなり細部まで話しあったようだ。

ただ確実に言えるのは、米国という世界トップの国家から迎えられた中国指導者というイメージを印象づけようとしている姿が習近平にあり、米中は対等であるという姿を世界に見せつけたかったようだ。その中でも先端技術、特にAIの覇権争いと、拡大する地政学的な影響力において、両国は共に譲歩するつもりはないようで、今後も熾烈な競争が続いていくと思われる。

5月の会談後に発表された米中の「貿易委員会」がすでに始動しており、中国からのリスクの低い、機密性の低い商品と、米国からのエネルギー、農作物、また医療機器の貿易を円滑化させるための取り組みが始まっている。両政府は農業を成長の有望分野として重視しており、今回は半導体輸出規制などの議題は論じられたなかったという。

ウクライナ・ロシア戦争で核兵器は使われるのか

ロシアはウクライナとの和平合意に行き詰まっていることから、ウクライナへの新たな攻撃として核兵器の使用を検討しているという報道が出ている。もし核兵器が使用されれば、1945年の広島・長崎の原爆投下以来初めてということになり、決してあってはならない。これはロシア大統領府に近い関係者3人が明らかにしたもので、ブルームバーグが伝えた。

ただ、当件について調べると、ロシア側は核兵器を本当に使用する準備はできておらず、「最終手段のシナリオ」というレベルであるようだ。それでもプーチン大統領はウクライナとの戦争が始まって以来、繰り返し核兵器使用を示唆する発言を繰り返してはいる。

ブルームバーグは、「プーチン大統領にとって戦争継続よりも悪い結果は敗北だけであり、極端な対応も起こり得る」と報じている。一方で、ベルリンに拠点を置くカーネギー・ロシア・ユーラシアセンター所長のアレクサンダー・ガブエフ氏は、ロシアが戦術核兵器を使用するリスクは極めて低いと考えている。

同氏の見解では、今日の戦況において、核兵器の軍事的価値は限られており、核兵器使用のタブーを破ることによる政治的代償の方が大きいという。さらにガブエフ氏は「モスクワがミサイル攻撃の強化を含む通常兵器によるエスカレーションの余地がある限り、核兵器使用の敷居を越える動機はほとんどない」と述べる。本当にそうあってほしいものである。

ウクライナ、モスクワにドローン攻撃600機

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日本で普通に生活している我々にとって、異国からドローンの攻撃を受けるということ事態、ほとんど考えれないことだ。しかし、15日夜から16日朝にかけて、首都モスクワ郊外にウクライナのドローンが600機ほど飛来し、過去2年で最大規模の攻撃が行われたという。

東京の郊外に大規模なドローンの攻撃を受けたとしたら、日本国民はどういった反応をするのだろう。「俺たちもやり返すしかない」「いやいや、ここは冷静になって相手と協議する必要がある」などさまざまだろうが、戦争という状況を第二次大戦後、経験していないので、本当にそうなった時にどういった行動に出るのかわからない。

ただ、日本がいま他国と戦火を交える可能性は極めて低いので、いきなりドローン攻撃を受けることはないだろうが、世界では日々こうした事例が後を立たないことを十分に理解しておく必要がある。戦争はなくなるようでいてずっと繰り返されてきているのが現実の世界である。

いまだ終わらぬロシア・ウクライナ戦争

ロシアとウクライナ両国による軍事衝突は、すでに4年半という長期におよび、すぐに終わるようには見えない。現地時間8月2日もウクライナがロシア領に夜間攻撃をしかけ、ロシア戦略航空部隊が拠点とする飛行場と製油所が攻撃されたばかりだ。その攻撃でロシア側は8人が死亡している。

一方、ロシア軍も夜間攻撃で、ウクライナの港湾2カ所と黒海を航行する船舶2隻を攻撃している。やられてはやり返すの繰り返しで、戦争終結どころか停戦さえも見えてこない。日本は地理的に離れていることもあり、最近は目立った報道がなされていないが両国の攻防は途切れていない。

ロシアが635機のウクライナのドローンを撃墜したと発表したかと思えば、ロシア最大のオンライン小売業者であるワイルドベリーズの倉庫がウクライナからの攻撃を受けたとの報道もあった。従業員約4万8000人を抱えるワイルドベリーズは米通販大手アマゾンのロシア版と言われ、その損失額は推計で2800億ルーブル(約5500億円)とされ、ただごとではない。

このところ、両国は物流拠点や小売業者の倉庫などを標的にするようになってきており、産業基盤の破壊にシフトしている。ロシア全土の物流施設が無人機攻撃にさらされているため、商品の避難先として隣国カザフスタンで倉庫を探す動きも出ている。

戦争という破壊行為はこれまで築き上げてきた社会・文化を崩壊するだけでなく、人間の心をも潰滅させるだけの邪悪性があり、両国の指導者には早期の戦争終結を決断していただきたい。

米・イスラエル VS イラン(9)

今年2月に始まった米・イスラエルとイランによる戦争(以下:イラン戦争)はすでに5カ月が過ぎ、すぐに終結するようにはみえない。この問題は当欄でも書いてきているように(米・イスラエル VS イラン(3): 長期戦になる可能性)、当初から長期戦になる可能性が高かった。

トランプ大統領(以下敬称略)は最初から“イケイケ”で、イランという国家を潰すのではないかと思われるほどの態度が散見できたが、トランプがイケイケであっても、米国という国が一丸となって同戦争を推し進めているわけではない。

米国内でのイラン戦争への賛否はほぼ半々で、23日に連邦議会(下院)でイランから米軍を撤退させるべきかを問う決議案を採択したところ、賛成が214票、反対が208票、上院でもほぼ互角で、賛成が47票、反対が49票という数字だった。7月23日までにイランで死亡した米兵は18人、負傷者は500人以上で、最近になって死傷者増えてきているので戦争そのものに反対する動きが強まってきてはいる。

人類がいつかは戦争という悪行の邪悪性と陰湿性を認識し、2度と繰り返さなくなるかもしれないとの希望的観測を持っているが、その願いが叶う日はまず訪れないということも承知している。トランプをはじめとした国のリーダーたちは、身内が他者に殺されるという悲劇を真剣に考えたことがあるのだろうか。決してあってはならない惨事をまのあたりにすれば、誰とでも平穏に暮らそうと思うはずだが、そうならないのはいったい何故なのだろうか・・・。