同じ穴のむじな

イスラエルのネタニヤフ首相は2日前、「ハマスとの停戦には応じない」と明言し、ハマスが実行支配するガザ地区への激しい攻撃をつづけている。国際社会が停戦を願っても、イスラエルはハマスを殲滅するまで攻撃の手を緩めるようには見えない。

一方、ハマス側もイスラエルに対して同じような意識を抱いている。ハマスの高官ガジ・ハマド氏は今週、レバノンの放送局LBCIニュースで「我々はあの国を排除しなければならない」とイスラエルに対する敵愾心をむき出しにした。そしてこうも述べるのだ。

「イスラエルが消滅するまで、我々は犠牲者という立場なのだ。われわれが行うすべてのことは正当化されるはず」

「アルアクサの洪水(10月7日のイスラエルへのロケット攻撃)は第一段階に過ぎない。第二、第三、第四と続き、戦いつづける決意がある」

「 代償を払うことになるか?そう、それを払う用意もある。われわれは殉教者の国と呼ばれ、殉教者を犠牲にすることを誇りに思ってさえいる」

日本から同地域を眺めていると、両者ともに自己正当化の論理を展開しているだけで、歩み寄って和平に向かうべきという意識はみられない。やはり米国が中心になって和平への舵取りすべきなのだが、いまはそうした具体的な動きが見られないのが残念でならない。