ローマ教皇の力

これはまさしく教皇の力以外のなにものでもない。

フランス、パリのコンコルド広場で26日、ローマ教皇レオ14世が大規模な野外ミサを行い、各地から集まったカソリック信者はなんと約80万人。事前に参加登録した人数は60万だったが、それを遥かに上回る信者が集まった。この規模の人数が路上に集まるイベントは、日本では隅田川の花火大会くらいで、一人の人間を見るためになかなか80万人は集まらない。

教皇はエリゼ宮にも立ちより、現代社会について次のようにコメントした。

「『機械の楽園』の中で、人間性を失うことを避けるためには、倫理的な判断力と道徳力を養う教育が求められている」

さらに、国連教育科学文化機関(ユネスコ)にも立ち寄り、「新しい技術が(人を)支配したり、不正義の道具となるのではなく、社会に役立つものにしなければならない」と真っ当な発言をして周囲の人間を唸らせた。

いつか実際に教皇のミサに参加してみたいものだが・・・。

ついに叶ったトランプの願望:グリーンランド

トランプ大統領(以下トランプ)は18日、かねてから望んでいたグリーンランドを「手に入れること」に成功した。正確には「恒久的な管理権」を得ることでデンマークおよびグリーンランド自治政府と合意したのだが、実質的に米国が同地に米軍の基地を建設し、他国の軍事基地を締め出せるということである(トランプへ:すべての願望が叶うと思うことなかれ)。

当ブログでも何度もこのテーマを記してきたが、トランプの帝国主義的な願望の一つが叶ってしまったということである。これまでデンマークもグリーンランド自治政府も米国によるこの動きに反対してきたが、今回はトランプの強力なプッシュにより受け入れざるを得なかったというのが正直なところである。トランプは、グリーンランドはアメリカの安全保障上、不可欠な土地であると主張し、「簡単な方法」だろうが「厳しい方法」だろうがアメリカはグリーンランドを取得すると述べてきた。

これこそが米国らしい横暴さであり、「ほしいものがあったら何としても手に入れる」というトランプらしさが表れた形となった。さらにグリーンランドは鉱物資源の宝庫であり、レアアース(希土類)や鉄鉱石、銅、亜鉛、金などの埋蔵量が豊富なためトランプとしては喉から手がでるほしかったはずだ。

ただグリーンランドではいまトランプ政権を含む外部からの「大きな圧力に対処する」ことが住民の間の共通認識になっており、すべてがトランプの思い通りにならないことは自然の成り行きといえるかもしれない。

ドイツで極右政党が圧勝した理由

ドイツ東部ザクセン・アンハルト州で6日行われた州議会選挙で、反移民を掲げる極右政党「ドイツのための選択肢(AfD)」が得票率43.8%で圧勝した。

米トランプ大統領は自らのSNS「 Truth Social」に、「ワオ。ドイツのポピュリスト政党が素晴らしい夜を過ごした」と賞賛し、同党の勝利を讃えた。この選挙は州議会選挙であるが、第二次世界大戦以来(ナチスドイツ)極右政党が圧勝することは初めてであり、今後はドイツ全体に右傾化の波が広がるとの見方も出ている。さらにこの流れが欧州全域へ広がるとも伝えられている。

メルツ首相率いる与党・キリスト教民主同盟(CDU)は、今回の選挙では得票率17.2%でAfDの半分以下にとどまった。同首相は選挙後、沈んだ表情で記者団の前に立って心境を語った。

「ここ数年、数十年で最も手痛い敗北である。わが党は根底から揺り動かされた。党も私自身も、連邦政府も、これまでのようなやり方を続けることはできない」

敗因の最大の理由はドイツだけでなく欧州全体に広がる反移民という保守感情で、米国でも同じように「外のものにはノー」という流れが全体を包み込み始めている。個人的には決して賛同できない動きで、一過性の流れであることを願っている。

北方領土:もう戻らない?

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筆者撮影

私が北方領土をのぞめる北海道根室半島の先端、ノサップ岬に足を運んだのは2012年8月のことである。その時はちょうど天候が悪くて島々は見えなかったが、この地点から3.7キロ先に貝殻島(ロシア領)がある。

「返ってくるわけないでしょう。戦後67年間(当時)、動かないんだから」

岬の断崖のすぐ横で食堂を切り盛りする女将はこともなげに言った。話をしているうちに、女将のロシアに対する猜疑心の強さがわかり、ほとんど諦めている姿勢もうかがえた。

プーチン大統領が今月13日、北方領土の択捉島を訪問したが、これはある意味で「北方領土はまったく返す気はない」という意思表示とも受けとれる。一度手にいれたものは返さないという思いが今後たやすく動くとは思えない。ただ、「返す・返さない」という日本・ロシアの姿勢は何十年も硬直したままなので、柔軟さをもって対応すれば明かりは見えてくるのだろうと思う。

第二次世界大戦後、米国は奄美群島、小笠原諸島、沖縄等を奪ったが、交渉の後、段階的に奄美群島(1953年)を、68年には小笠原諸島、72年には沖縄を返還した。こうし事実をふまえつつ、それをロシアとの北方領土問題にも当てはめて二島の先行返還をまず実現させて、最終的に四島返還させるという方策は十分に可能なはずである。

外交は人間同士が交渉して決めてゆく過程が大切であって、さまざまな手法を試す余地が残されている。そのため、「もう返ってこない」と決めつけることは得策ではない。北方領土返還は可能だと、私は思っている。

ヨーロッパで広がる自殺ほう助

重篤な病気をかかえている人が「死にたい」と言ったら、援助すべきだろうか・・・。

フランス下院は15日、回復の見込みがない重篤な患者に致死薬を投与する手続き(自殺ほう助法案)を賛成多数で可決した。医師・看護師が代わりに致死薬を投与する安楽死も条件付きで容認している。同上院は7日に同法案を否決したが、下院の優越により同法は成立した。

自らの意志で死を選択できる社会システムはある意味で、患者の意思を尊重した方策といえるだろう。厳しい条件をつけることで、誰しもが死を選べるわけではないが、もう治らないという病気に陥ったときに、患者にとっての最後の選択肢になり得る。

ヨーロッパではフランスだけでなく、オランダ、ベルギー、スイス、ルクセンブルク、スペインなどが安楽死や自殺ほう助を認めている。アメリカでは州によって法律が異なり、1994年にまずオレゴン州で合法化されたあと、13州とワシントンDCで合法化されている。

日本では、自殺幇助は刑法202条により禁じられている。