干ばつと山火事の米カリフォルニア州に、今度は雪解け大洪水の危機

スノーマゲドン――。

米カリフォルニア州の山間部を中心に降り積もった今冬の雪は、同州史上2番目に多い積雪量となり、「スノーマゲドンの到来」という表現が使われている。

インターネット時代のいま、世界中のニュースを瞬時に見聞きできる環境にあるが、どれほどの方が同州のスノーマゲドンについてご存じだろうか。

シエラネバダ山脈の山頂付近では今冬、積雪量が過去最高の56フィート(約17メートル)に達したといわれ、同地域のスキー場では7月まで営業期間を延長できるとしている。スキーヤーにとっては嬉しいニュースだろう。

しかし、同地域はいま豪雪だけでなく、昨年末から続く豪雨が合わさり、歴史的に前例をみないレベルの洪水が発生している。農作物への被害は莫大で「すべてを失った」農家が続出してさえいる。

カリフォルニア州の農業は米国の農業総生産額の約半分を生み出しているといわれ、大打撃である。その中でも同州のイチゴ産業は壊滅的な被害を受けている(続きは・・・干ばつと山火事の米カリフォルニア州に、今度は雪解け大洪水の危機)。

ウクライナ戦争で大儲け、米軍産複合体の内実

軍産複合体――。

この言葉を耳にして、読者の皆さまはどういったイメージを抱かれるだろうか。

1961年に米国のドワイト・アイゼンハワー大統領が退任演説でこの言葉を使った後、軍需産業と政府が経済的、政治的、軍事的に結託した連合体を形成していることがクローズアップされた。

その後、様々な角度から軍産複合体が研究され、政府が軍需産業と手を組むことで予期せぬ波及効果や受益者が生み出されていることが分かり、それは現在まで連綿と続いている。

近年では、米ロイド・オースティン国防長官が2021年1月にバイデン政権の国防長官に就任以来、特定の軍需企業に多額の政府契約を発注していることが判明している。その軍需企業というのは防衛・航空宇宙機器メーカーのレイセオン・テクノロジーズ社(以下レイセオン)である(ウクライナ戦争で大儲け、米軍産複合体の内実)。

ベーリング海の漁業が危ない、漁獲量急減の原因とは

先日、知人の米国人記者と環境問題について話をしていると、彼が大変興味深いことを口にした。

「アラスカの漁業が崩壊している。ベーリング海の変貌が激しい」

ベーリング海といえば、東のカムチャッカ半島と西のアラスカ半島、そして南のアリューシャン列島に囲まれた太平洋最北部の海である。スケトウダラやズワイガニといった水産資源が豊富な「恵みの海」といわれる場所だ。

だがいま、オヒョウやカニ、サケの総数が激減しており、知人が述べるには「壊滅的である」という。いったい何が起きているのか。少し調べると深刻な状況がみえてきた。

例えばオヒョウの生息数が劇的に減ったことで、漁師の生活がままならない状況になっていた。アラスカ州南部のホーマー市は人口約5000人ほどの都市で、「世界のオヒョウの首都」といわれるほど、かつてはオヒョウの水揚げ量があった(続きは・・・ベーリング海の漁業が危ない、漁獲量急減の原因とは)。

ウクライナ戦争で莫大な漁夫の利、そのインドに求められること

ロシアによるウクライナへの本格的な軍事侵攻から1年が経った。

西側諸国がモスクワを非難する中、インドは非難するどころか逆に露印関係をむしろ深めている構図が浮かび上がってきている。いったいどういうことなのか。

インドの人口は先月、中国を抜いて世界一になったと人口動態統計を扱う独立機関ワールド・ポピュレーション・レビュー(WPR)が発表した。ちなみに2022年末時点での人口は中国が14億1200万人だったのに対し、インドは14億1700万人。

インドは世界最大の「民主主義国家」になったことから、本来であればロシアのウクライナ侵攻を非難してしかるべきだ。しかし、非難していない。欧米諸国がロシアへの制裁措置としてロシア産の原油の輸入を削減しているなか、全く逆の動きに出てさえいる。(続きは・・・ウクライナ戦争で莫大な漁夫の利、そのインドに求められること)

F-16供与がウクライナ勝利のカギ、米陸軍大将発言の真意

ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は2月21日、年次教書演説の中で、改めてウクライナでの軍事侵攻を正当化し、戦争を始めたのは西側だと断言してみせた。

この2時間弱の演説の中で、「彼らが戦場でロシアに勝つことは不可能だ」とも述べ、西側諸国は勝てないとする一方的な主張を繰り返した。そうした中、米国からは別な角度からの「勝利宣言」が発せられており、両者の言い分は明白な食い違いをみせている。

2月17日に当欄で、筆者はウクライナに戦車を供与してもロシアには勝てる見込みが少ないとする記事(「死に物狂いのロシア軍には欧米最新戦車だけでは勝てない」)を書いた。

その後、米陸軍大将が少数の米連邦議員に対して内密に、「ロシアの戦争マシンを崩壊させる手立て」を伝えていたことが分かった。陸軍大将というのは、欧州連合軍最高司令官を兼任するクリストファ―・カボリ氏で、先週ドイツで開かれたミュンヘン安全保障会議で、次のような主旨のことを議員たちに話している(続きは・・・F-16供与がウクライナ勝利のカギ、米陸軍大将発言の真意)。