ロシア軍に襲いかかる40カ国参加の“新同盟”、その威力とは

ウクライナ国防諮問委員会――。

いま米国が中心になって、ロシアに対して積極的に立ち向かう国家間の集まりができつつある。世界約40カ国が集った、ある意味での「新たな同盟」と呼ぶことさえできる。

米アントニー・ブリンケン国務長官とロイド・オースティン国防長官が4月24日、ウクライナのキーウを訪問してゼレンスキー大統領と会談した帰路、26日に両長官はドイツのラムシュタイン米空軍基地に寄っている。

実はその日、同基地には約40カ国の代表が招集されていた。NATO(北大西洋条約機構)加盟国の複数の国防長官も顔を揃えていた。

会議が招集された理由は、もちろんウクライナへの支援強化にあるが、ロシアの侵略に抵抗するために、重火器を含む大規模な軍事支援の連携を図ることが狙いだった(続きは・・・ロシア軍に襲いかかる40カ国参加の“新同盟”、その威力とは)。

ロシアのウクライナ侵略で加速する米国の宇宙空間軍事化

ロシアによるウクライナの軍事攻撃は当分、止みそうにない。ロシアの戦車が列をなしてウクライナに攻め入る光景は、20世紀の戦闘を彷彿させるものがある。

そうした中、米国は宇宙空間での軍事化を進めるために21世紀型の軍事増強を推し進めている。というのも、ロシアと中国が米国の運用する多くの人工衛星に対してサイバー攻撃を仕かける能力を持つため、米国は両国に対抗していく軍事力を高める必要があるのだ。

実際にロシアは昨(2021)年、宇宙空間にある衛星からミサイルを発射して、軌道上にある他の衛星を破壊している。中国もまた、他の衛星をつかむことができるロボットアームを搭載した衛星を保有している。

過去1カ月半ほど、ウクライナを中心に、地上での戦闘に目がいきがちだが、中長期的な軍事戦略としては宇宙空間での戦いにも注目をしていく必要がある(続きは・・・ロシアのウクライナ侵略で加速する米国の宇宙空間軍事化)。

軍事力で圧倒しているロシアがウクライナに負ける

ロシアによるウクライナ侵攻から1カ月以上が経つが、戦闘がすぐに収まる気配はない。3月29日、ロシアとウクライナによる停戦交渉が行われたが、紛争の終結にはなおも時間がかかりそうだ。

むしろウクライナ国内では地域によって、戦闘が拡大している場所もある。それだけではない。ロシアのウラジーミル・プーチン政権はウクライナに向けて精密誘導兵器や超音速ミサイルを使用していることが分かっている。

さらに、今後は生物・化学兵器や戦術核兵器の使用も懸念されている。プーチン氏がさらなる窮地に追い込まれた時に、最終兵器とも言える戦術核を使用してくる可能性も捨て切れない。この点では欧米の軍事専門家の間でも意見が分かれる(続きは・・・軍事力で圧倒しているロシアがウクライナに負ける)。

プーチンが下した鉄のカーテン

いま欧米メディアで「鉄のカーテン」という言葉が使われ始めている。この言葉はもちろん冷戦時代にヨーロッパを分断する象徴的な事例を表したもので、共産主義陣営と資本主義陣営を隔てる表現だった。

1990年10月に東西ドイツが統一されたことで「鉄のカーテン」は終結をみる。だが、ウラジミール・プーチン大統領がウクライナを軍事侵攻してから、再び使われ始めている。

英フィナンシャル・タイムズは「ロシアは再び鉄のカーテンの向こう側へ」というタイトルの記事を掲載。米公共ラジオ放送NPRも「マクドナルドなどの企業が提携を解消し、ロシアに経済的な鉄のカーテンが降りる」と告げた。

さらに米クリスチャン・サイエンス・モニター紙は「新たな鉄のカーテン? ロシアの侵攻は世界をどう変えるのか」と題した記事で、ウクライナ侵攻によってプーチン氏は孤立を深めていくことになると記した(続きは・・・プーチンが下した鉄のカーテン、ロシア経済と社会激変)。

ウクライナ軍事侵攻で米ロ対立はどこまで行くか

「ロシア側から戦争をしかけることはない」

2月2日、ミハイル・ガルージン駐日ロシア大使は筆者の目の前で、はっきりとこう述べた。その口調に淀みはなく、自信に満ちあふれていた。その明快な語り口から、その頃特定の専門家が指摘していた通り、ロシアはウクライナに軍事侵攻しない可能性があるとの思いを抱いたほどである。

しかし3週間ほど経った2月24日、ロシアはウクライナに軍事侵攻する。大使の「戦争をしかけることはない」との言説はどこにいったのか。ガルージン氏はロシアの外交使節団の最上級にいる特命全権大使であり、ロシアという国家を背負っている人物である。

ロシアがウクライナに侵攻したことで、国家が嘘をついたと解釈されてもおかしくない。そして同大使は2月25日午後2時過ぎ、日本外国特派員協会の会見に現れて、軍事行動についての言い訳をする(続きは・・・ウクライナ軍事侵攻で米ロ対立はどこまで行くか)。