学者が予測する米大統領選の勝者とは

いよいよ米大統領選の投開票日が近づいてきた。当稿では選挙前の最後の勝者予測を記してみたい。

実は9月30日公開の当欄(「米大統領選徹底予測:バイデン勝利の信憑性は」https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/62302)でも、当選者の予測を行ったが、世論調査会社を中心にしたもの(7団体と1研究者)だったので、ここではもう少し別の角度から掘り下げてみたい。

大統領選の予測については、米国では学者の間で活発に議論され、多くの論文が出ている。政治学者だけでなく、経済学者、統計学者などが学究的な観点から勝者の予測を行っている。

彼らの予測モデルでは現在誰を勝者としているのか、また各種世論調査に対する客観的判断、さらにこれまで高確率で当選者を予測してきた予測マーケットについても触れたい(続きは・・・学者が予測する米大統領選の勝者とは)。

資金繰り悪化でトランプ大統領、激戦区放棄か

「すでに勝負あった」と思えることが、ドナルド・トランプ大統領の選挙対策本部で起きていた。

新型コロナウイルスに感染していたトランプ氏は12日、陰性になったことを公表し、フロリダ州を皮切りに激戦州で選挙活動を活発化させている。ところが、トランプ選対本部内ではすでに「捨て始めた州」が出ていたのだ。

「捨て始めた州」というのは「勝てないと見切った州」であり、オハイオ、アイオワ、そしてニューハンプシャーの3州が挙げられる。なぜ見切ったことが分かったかといえば、ロサンゼルス・タイムズ紙ほかの米メディアが、トランプ陣営が3州でテレビ・ラジオ広告の放映を打ち切ったことを報じたからである。

3州の中でも特にオハイオ州は大統領選挙では重要で、過去50年以上、「オハイオ州を奪った者が勝つ」とのジンクスが生きてきた州なのである。前回(2016年)選挙でもトランプ氏が奪っている(続きは・・・資金繰り悪化でトランプ大統領が激戦区を放棄か)。

バイデン勝利の信憑性は:2020年大統領選(44)

米大統領選挙の投開票日(11月3日)までおよそ1カ月となった。選挙関連の報道が増える中で、いくつもの世論調査を実施する団体が独自の数字を発表している。ここでは8団体(9月27日時点)の予測を取り上げて、選挙を考察してみたい。

最初に結論を述べると、2020年の大統領選の勝者としてジョー・バイデン候補(77)を挙げたのは8団体中7つだった。まず現職ドナルド・トランプ大統領(74)の再選を示唆している団体から話を始めたい。

米ニューズウィーク誌は9月26日付の記事の見出しにこう打っている。

「2016年選挙と同じように、トランプ氏は一般投票では負けるかもしれないが、選挙人では勝つ」

大統領選は総得票数ではなく、全米に割り振られた選挙人の合計で競う。選挙人は計538人で、過半数の270人を獲得した候補が次期大統領となる。ヒラリー・クリントン氏(72)が味わった悔恨をバイデン氏も経験するかもしれないというのだ(続きは・・・米大統領選徹底予測:バイデン勝利の信憑性は)。

劣勢のトランプ氏がついに繰り出した“最終兵器”

米時間7月15日、ドナルド・トランプ大統領はある決断をした。その決定は大統領選の投票日(11月3日)まで3カ月半という時期を考えると、重大な出来事と呼んで差し支えない。

トランプ氏は選挙の大黒柱とも呼べる選挙対策本部長を交代させたのだ。選対本部長は映画で言えば監督であり、出演者を除けば最重要人物である。

極論すると、トンラプ氏という主人公を生かすも殺すも監督次第、つまり選対本部長次第と言えるのだ。トランプ氏が交代に踏み切った理由は、民主党ジョー・バイデン候補との支持率の差が夏になっても縮まらなかったことが大きい。

監督が主役(トランプ氏)の魅力を十分に引き出せていないと判断し、主役が監督を解雇したわけだ。髭をたくわえたロックスターのような風貌だったブラッド・パースケイル前選対本部長に代わって、新たに選対本部長に就任したのはビル・スティーピエン氏。米東部ニュージャージー州出身の42歳である(続きは・・・劣勢のトランプ氏がついに繰り出した“最終兵器”)。

早くも見えた、バイデン政権の骨格:2020年大統領選(39)

米大統領選挙の投票日(11月3日)まで2カ月ほどあるが、すでに民主党ジョー・バイデン候補(77)は当選した場合を想定した動きに入っている。「バイデン政権」の組閣人事である。

バイデン氏の当選がこの時期に約束されているわけではもちろんない。ただ新大統領が誕生した場合、当選から新政権発足(翌年1月20日)までに閣僚だけでなく、各省庁の主要ポストを決めなくてはいけない。

過去の大統領選の事例を眺めると、この時期から組閣に動くことは珍しいことではない。米国は政治任用制をとっているため、中間管理職の交代も含めると、政権交代のたびに数千もの連邦職員が入れ替わる。

すべての人事が終わるのは新政権発足から1年以上が経った後になることも珍しくない。現時点でのバイデン政権の人事は、複数の情報を総合しても大まかな形しか見えてこない。だが民主党内では確実に新政権発足の陣容が語られ始めているので、分かる限りの顔ぶれを記したい。

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ワシントンから伝わってくるのは、バイデン氏が当選した場合、新政権はフランクリン・ルーズベルト大統領以来、最も進歩的な政策を敷くであろうということだ。増税を含めて、左派的な政策が強まると予想されている(続きは・・・早くも見えた、バイデン政権の骨格)。