若い人たちの脳卒中が世界で急増中

米国の中部、オハイオ州ヤングスタウン市に住むドーン・ターネージさんは、2歳の姪とビデオ通話している時に、こう告げられた。

「どうして顏が曲がっているの?」

ターネージさんは「どういうことなの」と聞き返した後、鏡で自分の顔を見た。すると口の右側が下に流れ、明らかに顔がいびつになっていた。自分では顔が歪んでいる自覚はなかった。

脳に何らかの異常をきたしたと判断し、すぐに救急車を呼んで病院に向かう。検査の結果、一過性脳虚血発作(TIA)を起こしていたことが分かった。TIAは「ミニ脳梗塞」ともいわれ、一時的に脳に血流が行かなくなり、神経脱落症状が起こることをいう。ターネージさんはまだ44歳だった。

これは米国での一つの症例に過ぎないが、日本を含めていま世界的に若年層での患者が増えている。米ジョージア州アトランタ市にある疾病予防管理センター(CDC)によると、ミレニアム世代では近年、同じ年齢層の先人たちよりも罹患率が増えているという。2003年から2012年の統計では、18歳から34歳の女性の脳卒中が32%も増加していた(続きは・・・若い人たちの脳卒中が世界で急増中、その原因とは、また危ない職種は何か)。

チャットGPTの開発者が次に狙う、人間に寿命200年もたらす新薬

いま話題のチャットGPT。米新興企業オープンAI社が開発した対話型AI(人工知能)サービスである。開発者のサム・アルトマン氏(37)が4月10日に来日し、岸田文雄首相と会談した。

日本国内での利用者数はすでに1日100万を超えていると言われ、今後は日本での事務所開設と同時に、日本語でのAI精度をさらに高めていく予定だ。注目が集まるアルトマン氏だが、実は同氏が関心を寄せているのはAIだけではない。

同氏は以前から「人間の平均寿命を10年延ばす」というミッションを掲げており、すでに多額の資金を投資している。本稿ではこの平均寿命を延ばす課題に焦点を当てたい。

アルトマン氏は2022年半ば、サンフランシスコ郊外に本社を置くレトロ・バイオレンス社という新興企業に、1億8000万ドル(約240億円)を投資したといわれている。同社は人間の老化を食い止め、寿命を延ばすことをミッションにした組織で、欧米メディアの中には、同社の事業がうまくいけば「200歳まで生きることが夢ではなくなる」といった煽ったタイトルを掲げる記事もみられるほどだ(続きは・・・チャットGPTの開発者が次に狙う、人間に寿命200年もたらす新薬)。

起訴で人気急上昇のトランプ氏、3日間で10億円超える寄付を集めた理由とは

米政界でいま、前代未聞の出来事が起きている。

一つは広く報道されているように、ドナルド・トランプ氏が大統領経験者としては初めて起訴されたという事実だ。AV女優のストーミー・ダニエルズ氏への口止め料支払いに関連した一連の容疑で起訴が固まった。

ただ、これまでの同氏の言動をみていれば、別段驚くに値しないことかとも思う。歴代の大統領で起訴された人がいなかったためにニュース性が高まった。

それよりも筆者が注目しているのは、起訴というニュースが流れてから、トランプ氏のもとに多額の献金が集まり始めたことである。米時間3月30日午後に起訴が確定してから48時間以内に、約500万ドル(約6億6000万円)もの寄付が集まった。

さらに4月2日になると、その額は約800万ドル(約10億円)にまで膨らんだ。この寄付は、トランプ氏を支持する有権者が、「2024年大統領選での選挙資金として役立ててください」との意味合いで寄せられたものである(続きは・・・起訴で人気急上昇のトランプ氏、3日間で10億円超える寄付を集めた理由とは)。

干ばつと山火事の米カリフォルニア州に、今度は雪解け大洪水の危機

スノーマゲドン――。

米カリフォルニア州の山間部を中心に降り積もった今冬の雪は、同州史上2番目に多い積雪量となり、「スノーマゲドンの到来」という表現が使われている。

インターネット時代のいま、世界中のニュースを瞬時に見聞きできる環境にあるが、どれほどの方が同州のスノーマゲドンについてご存じだろうか。

シエラネバダ山脈の山頂付近では今冬、積雪量が過去最高の56フィート(約17メートル)に達したといわれ、同地域のスキー場では7月まで営業期間を延長できるとしている。スキーヤーにとっては嬉しいニュースだろう。

しかし、同地域はいま豪雪だけでなく、昨年末から続く豪雨が合わさり、歴史的に前例をみないレベルの洪水が発生している。農作物への被害は莫大で「すべてを失った」農家が続出してさえいる。

カリフォルニア州の農業は米国の農業総生産額の約半分を生み出しているといわれ、大打撃である。その中でも同州のイチゴ産業は壊滅的な被害を受けている(続きは・・・干ばつと山火事の米カリフォルニア州に、今度は雪解け大洪水の危機)。

ウクライナ戦争で大儲け、米軍産複合体の内実

軍産複合体――。

この言葉を耳にして、読者の皆さまはどういったイメージを抱かれるだろうか。

1961年に米国のドワイト・アイゼンハワー大統領が退任演説でこの言葉を使った後、軍需産業と政府が経済的、政治的、軍事的に結託した連合体を形成していることがクローズアップされた。

その後、様々な角度から軍産複合体が研究され、政府が軍需産業と手を組むことで予期せぬ波及効果や受益者が生み出されていることが分かり、それは現在まで連綿と続いている。

近年では、米ロイド・オースティン国防長官が2021年1月にバイデン政権の国防長官に就任以来、特定の軍需企業に多額の政府契約を発注していることが判明している。その軍需企業というのは防衛・航空宇宙機器メーカーのレイセオン・テクノロジーズ社(以下レイセオン)である(ウクライナ戦争で大儲け、米軍産複合体の内実)。