ワグネルの乱:早くも米国で取り沙汰され始めたプーチンの後継者

「ロシアの核兵器がどうなるのか。それが最大の関心事でした」

ロシアの民間軍事会社ワグネルが武装蜂起した時、米ワシントンの政府関係者は、ロシア政府が保有する核兵器の行方が何よりも気がかりだったという。

国防総省の元高官だったエブリン・フォーカス氏は米メディアの取材に、「今回、ロシアで内乱があった時、すべての核施設を責任者がしっかり管理し続けられるかが最も心配だった」と述べている。

というのも、核兵器が反乱軍の手に渡った場合、地球のかなりの地域を「消し去る力」が敵方に渡ることを意味するので、米政府関係者は神経を尖らせていた。ただ、ワグネルのエフゲニー・プリゴジン氏の反乱は最後の一線で立ち止まったため、安堵したという。ロシアの核体制に変化はなかった。

ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は「プリゴジンを潰す」とまで発言したが、実際は発言の数時間後にプリゴジン氏と取引をして事態の収拾にあたった(続きは・・・ワグネルの乱:早くも米国で取り沙汰され始めたプーチンの後継者)。

孤独は脳卒中・心臓病・がん・認知症を誘発、早死の危険性は6割にも

孤独――。

米国でいま、孤独というものに注目が集まっている。

日本でも多くの人が孤独感を抱いていることは想像に難くないが、米厚生省トップのビベック・マーシー医務総監(米公衆衛生局長官)が先月、「私たちの流行病:孤独の蔓延と孤立」という81ページの報告書を出したことで、米国では改めて孤独への関心が集まっている。

というのも、これまで病気とみなされてこなかった孤独が、人の心身に多大な影響を及ぼす「流行病」と捉えるべきではないのかとの考え方が出てきたからだ。

マーシー氏は報告書で、社会的孤立が蔓延して継続された場合、健康に多大な影響が出るとの見解を示している。孤独がこれまで病気とみなされてこなかったのは、世界保健機関(WHO)が定める国際疾病分類のICDコード上に「孤独」というカテゴリがなかったことによる。

つまり孤独を感じて病院に行ったとしても、病気と認識されず、ICDコードがないために保険適用されてこなかったのだ(続きは・・・孤独は脳卒中・心臓病・がん・認知症を誘発、早死の危険性は6割にも)。

全米各地の不動産を買い漁る中国人、突出する投資額は昨年8540億円

やはり中国は侮れない――。

そう思わざるを得ない状況がいま、米国内の住宅市場で起きている。というのも、中国の住宅購入者が米国の不動産を買い漁っており、米中間で新たな衝突の火種が生まれているからだ。

中国人は2022年だけで、米国の中古住宅に61億ドル(約8500億円)を投じたことが分かっている。この額は他のどの国よりも多く、過去数年、増加傾向が続いている。中国人による不動産購入の平均額を眺めると、2022年は1件あたり100万ドル(1億4000万円)を超えており、過去最高を記録した。

全米不動産協会が公表した報告書によると、2015年から20年までの外国人による米住宅購入者の中では中国人がトップにきており、約14%を占めていた。

ここで少し想像して頂きたいのは、異国の人間に自国の不動産をどんどん買われていく状況である。所有する土地や家屋の周辺を中国人が買い占めていったとしたら、どう思われるだろうか(続きは・・・全米各地の不動産を買い漁る中国人、突出する投資額は昨年8540億円)。

自動車産業の聖地、デトロイトがITとEVで大変身

「デトロイト」という都市名を聞いて、何を思われるだろうか。

米中西部ミシガン州最大の都市で、メジャーリーグ、デトロイト・タイガースの本拠地であり、「モーターシティ」と呼ばれる自動車産業のメッカでもある。米自動車メーカーが同地で興隆を極めたのは数十年も前のことで、実は人口が185万のピークに達したのは1950年代であり、2020年には64万にまで減少している。

日本車に押されて自動車産業の雇用が奪われ、「デトロイトは不可逆的な都市崩壊の状態にある」という形容さえ使われるようになった。

さらに犯罪率も高く、2022年の「世界人口調査(ワールド・ポピュレーション・レビュー)」によると、デトロイトは全米で2番目に危険な都市にランクされている。何しろ中・大都市で唯一、人口10万人あたりの暴行罪の発生件数が2000件を超えているのだ(続きは・・・自動車産業の聖地、デトロイトがITとEVで大変身)。

米国の教育環境に劇的変化、コミュニティー・カレッジの学生が急増中

米国の高等教育機関でいま、珍しい現象が起きている。

人口の増えている米国のような国では、大学生の総数は年とともに増えていくかに思われるが、米国ではすでに頭打ちになっている大学が多い。全米の入学者数を眺めると2022年春は1790万人であったのに対し、今春は1480万人にまで減少している。

ただその中で、コミュニティー・カレッジ(以下コミカレ)の学生数が増え始めている。全米には1167校のコミカレがあり、そのうち約9割は公立校である。過去10年ほど、コミカレの学生数も減ってきていたが、ここに来て反転し始めた。

コミカレは地元に根付いた2年制の大学で、州政府による資金援助があるために授業料も安く、通いやすい大学と捉えられている。

日本の短期大学と違うのは地域性が高く、職業訓練や成人教育が中心になっている点だ。ただ前述したように、過去10年ほど、米国の学生数は減り続けている(続きは・・・米国の教育環境に劇的変化、コミュニティー・カレッジの学生が急増中)。