クマモンとラグビー

今年1月から千代田区丸の内仲通りのベンチに、ラグビーボールを手にしたクマモンが座っている。

ワールドカップを盛り上げようと、長い間座っていたのだ。海外からやってきた人たちもしきりに写真を撮っていく。

開幕するやいなや、ラグビーファンであろうがなかろうが、「男たちの肉弾戦を観るべし」という空気が高まってきた。試合中のテレビCMもラグビー・バージョンになった。

私もにわかラグビーファンになって、試合を観ている。ただ、年代も職業も違う男女2人ずつの仲間がいて(1人は私)、数年前からワールドカップの試合を観に行こうという話がでていた。

仲間の1人がチケットを手配してくれていて、10月の準々決勝を観にいくことになっている。その試合の対戦カードはもちろんまだ決まっていないが、日本の可能性もある。

スポーツはいろいろやってきたが、ラグビーは経験がない。本当に観るだけである。だからしろうとはシロウトとして、偉ぶらずに試合を楽しみたいと思っている。

韓国からの風

先日、韓国から友人が東京にやってきた。何年も前から知っている人で、気がねなくどんなテーマでも話ができる友人だ。私がソウルに行ったこともある。以前、日本に住んでいたこともあるので日本語が堪能で、こちらが日本語を「手加減する」ことはない。

日韓関係がよくないが、そんなことはものともせずに東京にきて、語り合った。日本のことをよく知る人だけに「日本びいき」と言ってもいいが、韓国人なので、もちろん今の韓国国内での日本批判の動きもよく理解している。

「周囲の人が日本の悪口をいっている時、さすがに黙っていますよ。日本を擁護しようものなら、どうなるかわからないですから」

それはどこの国でも共通する心情であり、周囲から浮かないようにするための処世術ともいえる。嫌韓が日本で広がっているように、韓国では嫌日がいまの流れであるという。

しかし、すべての韓国人が日本を毛嫌いしているわけではないし、メディアが緊張をさらに増幅させ、仲たがいするように煽っているようなところもある。私は個人的に、最近の嫌韓報道の多さに辟易させられている。

両国同士が批判し、攻撃しつづけることで緊張が解け、問題が解決されるならいいが、嫌韓と嫌日の言動が両国関係をよくするとは思えない。批判の根底には事実関係以上に感情的な怨讐があるように思えてならない。

悪意や憎悪が勝つような国家関係は人間の愚かさの表れだ。ただ今回、国家間の関係よりも個人的な人間関係の方がまさることがわかり、嬉しく思っている。

トランプ政権と軍産複合体

軍産複合体――。

懐かしい響きの言葉である。米国の軍需産業と国防総省(ペンタゴン)が維持する相互依存体制のことだ。

ドワイト・アイゼンハワー大統領が1961年の退任演説で軍産複合体について述べたことで、世に広まった。

演説全体を通して、軍需産業とペンタゴンの結託は危険であると警鐘を鳴らしている。演説の中ほどで、次のように述べている。

「軍産複合体により、市民の自由や民主的活動が危機にさらされてはいけない」

そしていま、軍産複合体という言葉が再び注目を集めている。ドナルド・トランプ大統領(以下トランプ)のもとで、軍産複合体が拡大しているのだ。(続きは・・・トランプ政権で我が世の春を謳歌する軍産複合体

2020年米統領選(16):バイデンの素顔

今月12日、民主党候補による第3回目のテレビ討論会が行われた。1回目と2回目は2日間にわたって行われた(計20名)が、今回から上位10名に絞られて一晩だけの舌戦となった。

以前にも書いたが、討論会では各候補は45秒から1分間で質問に答えなくてはいけないため、テレビ的に「目立つ発言」を繰り出す傾向があり、候補の全貌を知ることにはならない。「瞬間芸」ができるかどうかを見定めるという点では有益だが、大統領としての資質や政策を理解するという点ではあまり役にたたない。

候補の人となりや基本的な考え方を知るには候補が出演したテレビ番組や、メディアとの長いインタビューを精査するのがいい。候補が番組のMCと20〜30分ほど落ち着いて話をするトークショーなどでは、台本に書かれていない本音が表出して興味深い。

9月初旬、ジョー・バイデンがCBSのトーク番組『レイト・ショー(Late Show)』に出演した。同番組は1993年から2015年までデイビッド・レターマンが司会を務めた名物番組で、私は番組が始まった年から日本に戻る2007年までずっと観ていた。

15年からは司会がスティーブン・コルバートに代わったが、小気味いいしゃべりと巧みにイマを切り取るセンスに感心させられている。そこにバイデンがゲスト出演したのだ。同番組には4回目の出演で、おしゃべりなバイデンらしさがでていて、人間バイデンが手に取るようにわかる。

コルバートとの会話の中で目をひいたのは、大統領選出馬の動機だった。コルバートがどうして出馬したのか、まっすぐな質問をすると、バイデンは一呼吸おいてから「シャーロッツビルだね」と、まるで孫に話をするかのような自然体で語ったのだ。

どういうことかというと、バージニア州シャーロッツビルで17年8月、白人至上主義者と反対派による衝突があったのだ。ネオナチを名乗る男が車で反対派に突っ込み、死傷者をだした。この事件を契機に米社会が抱える人種問題の亀裂が再び表面化した。

バイデンは番組でこう言ったのだ。

「アメリカという国の魂を誰かが回復させなくてはいけない」

元副大統領はすでに十分な資産を手にしていたし、76歳になったいま、敢えて大統領を目指す必要はないかに思われた。だが国家が分裂し、人が傷つき、トランプ大統領が解決への手立てをとらない中で、「自分がやるしかない」と思ったという。

これが100%の動機であるかはわからない。けれども、76歳のおいじちゃんが思い当たる動機としては十分に説得力がある。本当であることを祈りたい・・・。

Photo courtesy of CBS News

新デザイン

いつも堀田佳男のブログをご利用いただきありがとうございます。2019年9月12日にデザインをリニューアルいたしました。

当ブログは2002年、「急がばワシントン」というタイトルで始めたもので、07年に米首都ワシントンから東京に戻ってからも名前とデザインを更新しながら続けてまいりました。数年ぶりにリニューアルし、今後もさまざまなテーマで書き続けていきたいと思っております。ご質問やご意見は「Contact」からお送りいただければ、お返事をさしあげたいと思います。

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堀田佳男