地球の裏側で起きている注目すべき事件

何ごとにも限度というものがあるが、禁固2430年という数字をきくと、この国はいったいどういった意図でこの数字を出してきたのかと考えてしまう。

いくら重罪を犯した容疑者であっても、服役してから100年以上は生きられないだろうから、それ以上の刑期を言い渡しても事実上、無意味である。日本であれば無期懲役ということで「死ぬまで服役しなさい」という裁断がくだされるが、そうはならない。

トルコの検察当局は今月11日、イスタンブールのイマモール市長を起訴し、禁錮2430年を求刑した。しかも容疑件数は143という数字で、汚職や犯罪組織を率いた等の罪で、「犯罪組織の創設者かつ指導者」とする4000頁におよぶ起訴状を提出。検察側にしてみると、「これほど悪い奴はいない」と言わんばかりの仕打ちに思える。

ただ状況を精査すると、同市長が逮捕されたのは今年3月で、以来、同国では市長を支援するために数十万人単位のデモが行われてきた。というのも、同国の現職大統領であるエルドアン氏の最大の政治ライバルがイマモール氏で、大統領選出馬を阻止するために逮捕したのではないかとの憶測が飛び交っているのだ。

イマモール氏は、これまで申し立てられたすべの容疑を否定しており、逮捕・収監は政治的動機によるものだと主張している。同氏の所属する共和人民党(CHP)も「ナンセンス」として否定しており、現職大統領とイマモール氏との戦いはこれからも続きそうである。

本当にエルドアン大統領が政治的理由でライバルを投獄したとしたら、世界はトルコに対して政治的・経済的を仕打ちをしてしかるべきである。

路傍に咲いた花

歳のせいだろうか・・・。

最近、道端に咲く花に、以前よりもはるかに鋭敏に感銘を受ける自分がいることに気づく。ひと昔であれば、そのまま通り過ぎていたはずなのに、この頃は「キレイだ」と呟いて、スマホで写真を撮っていたりする。

人に言うと、「オジジになっただけだよ」と言われてしまいそうだが・・・・。

老いをやっつける

昨晩、中学時代の友人たちとテーブルを囲んだ。1970年に中学に入学してからの知り合いだから、55年来の友だちということになる。普段から頻繁に会うわけではないが、酒を飲みながら話を始めればすぐに打ち解けて、まるで連日のように会って話をしているような親密感がある。

中学時代の話も出たが、最近の話になるとモノ忘れについての話題がでる。68歳にもなると、多くの人が忘れっぽくなる。

「俺なんか5分前のことも覚えてないから」

長身の同級生がそう発言した直後、私はすぐに右手を差しだして、彼と握手をした。60代後半になると、モノ忘れを日々実感するのだ。「5分前のこと・・」というのは多少の誇張もあるだろうが、本当に「さっきのこと」が抜け落ちてしまうことがある。それが年齢を重ねるにしたがって増えてきているので「アチャー」という感じである。

以前にもこのブログで記したが、人間の肉体は骨にしろ筋肉にしろ、歳をとっても新しく生まれ変わっていくが、ある部分だけは生まれ変わらない。それは脳細胞で、さまざまな試みをして死にゆくスピードを遅くすることはできるが、これは並大抵のことではない。

ただ脳には140億個もの神経細胞があり、毎日10万個の神経細胞が死んでも全部なくなるまでには400年もかかる。しかもこれまでは死んだ脳細胞は生まれ変わらないと言われたが、最近の研究から、運動、食事、睡眠、サプリメントの摂取などによって生活習慣を少し変えることでニューロンの新生を促せることがわかってきた。

これからは老いと戦う努力が必要であり、自身に「さあ、老いをやっつけろ!」とはっぱをかけることにしている。

新ニューヨーク市長

こういう人物を待ち望んでいた――。

これまで社会のマイノリティーという立場にいた人物がトップに立つ姿は清々しいばかりか達成感が広がるので、4日のニューヨーク市長選に勝利したゾーラン・マムダニ氏(以下マムダニ)には拍手を送りたい。

Thank you, New York City. Last night we made history. Now we get to work.,  Comment MayorElect to learn about the transition. Comment DonateNow to make  a contribution.
from Instagram

アフリカのウガンダで1991年に生まれたマムダニはイスラム教徒で、自らを「 民主社会主義者 ( Democratic Socialist )」と呼んでおり、これまで軽視されてきた市民に光をあてていくと述べる。 「ニューヨークは移民が築き、移民が支え、これからは移民が先導する都市になる」という言葉からも、社会を下から支えて いく前向きな政治姿勢は好感がもてる。

さらに当選を果たしたあと、「希望は生きている(Hope is alive)」と肯定的な発言を繰り返しのべて、市民に勇気を与えた。まだ34歳なので、市長として本当にどれだけの政治力を発揮して政策を形にしていけるかは未知数の部分が大きいが、少なくとも本人の言動からは期待がもてる。

私はマムダニが当選を果たした直後、「かれの最終目標は米大統領に違いない」と思ったが、すぐにウガンダ生まれであることがわかったので、そのオプションは消えた。というのも、米大統領になるためには3つの要件が憲法で定められているからだ。

(1)米国生まれの米国民、(2)35歳以上であること、(3)米国に14年以上居住 。マムダニはウガンダ生まれなので最初の要件に当てはまらず、大統領になるというオプションはない。けれども、ニューヨーク市長として画期的な政策を打ち出して名を残すことはできる。期待したい。

高齢者の5割以上が「生活苦しい」

人がいくら稼ぎ、いくら貯蓄しているかはいつの時代でも気になることである。当ブログでも何度か書いてきているが、誰がどれほ稼ぎ、どれほど蓄えているかは本質的に関与すべきことではないのだが、メディアに他者の貯蓄額がでてしまうと、どうしても自分と比較してしまう。

私はすでに68歳なので、どうしても高齢者の数字に目がいってしまう。先日、LIMO(くらしとお金の経済メィデア)が発表した65歳以上の家計収支を眺めていると、統計に参加した人の実に55.8%が経済的に「大変苦しい」か「やや苦しい」のカテゴリーに入っており、予想以上に生活が大変であることがわかった。自分の経済状況を「ふつう」と捉えている人は40.1%で、「ややゆとりがある」は3.6%、「大変ゆとりがある」は0.6%に過ぎなかった。

この数字がすべてを表しているとは思わないが、ゆとりがある人の割合がかなり少ないのはいったいどうしたことか。

ただほとんどの高齢世帯で、毎月の平均支出額が年金等で入ってくる金額よりも多いことが多く、毎月2万円台の赤字がでていた。さらに、70歳代の夫婦が保有する貯蓄額の平均値は1923万円だが、中央値は800円で、億万長者が平均値を釣りあげていることがわかる。

毎月2万5000円の赤字が発生している場合、貯蓄額が800万円あったとしても単純計算で26年で使い果たしてしまう。物価の高騰が続けば、それよりも早い時期に貯蓄が底をついてしまう可能性があり、ウカウカしていられないというのが実感である。

「人生、お金がすべてではない」とよく言われるが、やはり「先立つもの」は必要なのである。