小林克也という人物

今日(1月14日)の朝日新聞朝刊の6面に小林克也氏 (83) の記事がでていた。今日から上・中・下と3回に分けて「小林克也さん:英語と歩いた83年」という短期連載がスタートし、第1回目は中学・高校時代の話。記者の質問に答える形での一人語りで、どうして英語がうまくなったかを自己分析している。

私が中学時代、ラジオを聴くようになってすぐに「小林克也」いうDJの名前を知った。日本人にしてはあまりにも英語の発音が素晴らしいので、アメリカ育ちであるとずっと思っていたが、日本国内で培った英語だった。それから、どうやったら彼のような発音を手に入れられるのか、感心すると同時に羨望の眼差しを向けながらラジオを聴いていた。

彼は中高時代、FEN(今のAFN:進駐軍放送)をずっと聞き続け、耳をならしていたので発音がよくなったと述べている。

「授業で僕が英文を音読させられると、隣のクラスの子たちがわざわざ聞きにくるということもありました」

高校2年時、英語部の部長になり、新入生に「教科書の英語もいいけど、プレスリーを聴いて英語を覚えたら、しゃべれるようになるよ」とアドバイス。すると50人ほどの部員数だったのが、一気に200人も増えたという。そしてこう述べる。

「英語の歌を覚えることは英語を話すことに通じると強く感じています」

私は25年もアメリカにいたので英語が話せて当たり前だが、渡米前はやはり英語の歌、特にビートルズの歌を暗記して歌ったものである。原体験も含めて、小林氏の言い分には納得させられる。

初詣

神田明神

正月は神社で手を合わせないと1年を無事に過ごせないのではないか、という思いが心のどこかにあり、毎年神社でお参りをしている。今年も神田明神で二礼二拍手一礼というお決まりの参拝をすませてきた。

初詣に行かなくとも実質的には大きな違いはないのだろうが、「初詣に行った」という事実は精神的に大きな安心につながる。

今年1年もいい年でありますように!

エマニュエル駐日米国大使、最後の登壇

筆者撮影

2022年3月から駐日大使として東京に滞在しているラーム・エマニュエル氏(65)。バイデン政権が終わるため米国に戻ることになり、10日午前、外国特派員協会で記者会見を行った。同協会で会見を開くのは今回が3回目である。

当欄でも彼のことは何度か書いてきたが(次の駐日米大使の素顔 )、米国に戻ってから何をするのかが気になっている。今日の会見でははっきりと何をするか述べなかったが、このまま引退しないことだけは確かだろうと思う。

オプションの一つはイリノイ州知事選への立候補。そして上院議員選への出馬。同氏は2003年からイリノイ州の下院議員を務めたのち、オバマ政権では主席補佐官をやり、その後シカゴ市長、そして駐日大使になっており、私は過去30年で何度か顔を合わせているうちに、「彼の最終目標は米大統領に違いない」と思うようになった。 極めて上昇志向の強い人物なので、大統領になれなくとも大統領選に出馬してくる可能性は十分にある。

(・・・個人的にはその器ではないと思っているが・・・)

シリアで起きていること

中東シリアのアサド政権が崩壊してから1カ月がたつ。親子2代でほぼ50年におよぶ独裁政権を築いてきたが、 反政府勢力の攻勢によって首都ダマスカスが陥落。アサド氏は空路でロシア・モスクワに亡命した。

シリアの内戦が始まったのが2011年で、10年以上にわたって反政府勢力と政府側との抗争が続いていた。この内戦により、国内ではこれまで40万人以上が死亡し、550万人以上が国外に難民として流出。今世紀最悪の人道危機といわれた。CIAの「ワールドファクトブック」によると、シリアの人口は約2156万人なので、約4人に1人が難民になった計算になる。

これを日本に置き換えてみると、人口1億2400万人のうち約3100万人が国外に流出するというとんでもない数字になる。誰も自分が生まれ育った国をあとにしたくなかったはずで、ディクテイター(独裁者)が去ったいま、ほとんどの人は祖国に戻りたいと思っていることだろう。

過去1カ月で、国外にでた難民たちが少しずつ母国に戻りはじめている。 国連難民高等弁務官事務所 (UNHCR)によれば、アサド政権崩壊後、すでに11万5000人がシリアに戻ったという。今年半年で約100万人が帰国するとみられてる。何よりである。

寒波到来

今年は寒さが一段と増している。特に北陸から東北、北海道にかけては記録的な寒さで、上空5000メートルには氷点下36度という寒気が南下してきているという。

日本気象協会が発表した今冬の予想をみると、「2024年~2025年の冬は、暖冬となった前シーズンと比較して強い寒波の影響を受けやすい」という。さらに、「今月7日(火)以降は、日本の周辺で冬型の気圧配置が続き、8日(水)から10日(金)にかけて上空に非常に強い寒気が西回りで南下する」との予報である。

気になって少し調べると、日本国内のこれまでの最低気温は北海道旭川で記録されたマイナス41度(1902年)で、過去100年以上も破られていない。米国ではどうなのか。これまで記録された最低気温は、1971年にアラスカ州のプロスペクトクリークという所で記録されたマイナス62.1度。北極に近いアラスカであれば、これくらいの低さにはなるかもしれないが、氷点下62度という寒さはほとんど想像ができない。外にでて瞬きをしたら眼がくっついてしまうような怖さがある。

米国立気象局によると、今後1週間で米国では何千万人もの人々が過去10年間で最も激しい降雪と寒さに直面する可能性があるとしている。特にカンザス州、アーカンソー州、ケンタッキー州、ヴァージニア州は、極渦(polar vortex)に見舞われる可能性がある。

極渦とは、低気圧と寒気が地球の両極を車輪のように渦巻くことであり、厳重な警戒が必要になる。嵐が米東部に移動するにつれ、中部から大西洋岸に至る30州の約6000万人に気象警報が発令され、発達中の低気圧が今後3日間に大雪と氷をもたらす恐れがあるという。

長い間、地球温暖化が叫ばれていたが、どこに行ってしまったのだろうか。

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