トランプがしぶとい理由


トランプを裁く弾劾裁判がいよいよ始まった。当欄でも書いてきた通り、100人の上院議員の3分2(67)以上が弾劾に賛成しない限り、大統領を辞めさせることはできない。

上院では現在、100人中53人が共和党議員であるため、トランプを罷免させることは無理な状況だ。これは昨春から分かっていたことで、下院議長ナンシー・ペロシ自身も罷免は無理であるばかりか、弾劾裁判をすると国家をはっきりと2分させてしまうので反対であると言い続けてきた。にもかかわらず、心変わりをして弾劾裁判へと突き進んだのだ。

上の地図をご覧いただきたい。これは昨年12月中旬、連邦下院で弾劾に反対した(トランプを擁護した)議員の選挙区を赤で塗りつぶしたものだ。全体を観たかぎり、合衆国の大部分はいま「真っ赤っか」である。共和党がいかに多くの地域で支持されているかがわかるかと思う。これが現実なのだ。

ミネソタ州(中央上)に1選挙区だけ青で塗られたところがご確認いただけるかと思う。そこは民主党員でありながら、トランプを「弾劾すべきではない」とした議員(コリン・ピーターソン)の選挙区だ。

弾劾裁判の結果はもうわかっているので早めに切り上げて、大統領選に傾注すべきである。(敬称略)

歩行者の交通事故死をなくしたオスロの秘訣

年明けすぐ、ノルウェーの首都オスロでの昨年の交通事故死者数についてのニュースが入ってきた。歩行者と自転車利用者で、亡くなった人がゼロになったという朗報だった。

衝突事故で亡くなった運転者が1人いたので、「すべての交通事故」とはいえないが、それでも驚くべき記録である。

このニュースは日本だけでなく、米国などでも「何か学べるはず」という姿勢で報じられた。

それではオスロはどういった取り組みで歩行者と自転車利用者の死亡者をゼロにしたのだろうか。(続きは・・・歩行者の交通事故死をなくしたオスロの秘訣

2020年米統領選(23):あと3週間で予備選がスタート

日本時間15日午前、米アイオワ州デモインで予備選前最後の討論会が行われた。

民主党候補6人が顔を揃えた討論会のテレビ中継を観た。6人というのはジョー・バイデン、バーニー・サンダーズ、エリザベス・ウォーレン、ピート・ブダジャッジ、エイミー・クロブシャー、トム・ステイヤーの各氏である。実際に代表候補になる可能性があるのはバイデンからブダジャッジまでの4人だろう。

今日の討論会ではバイデンが豊富な外交経験と見識を示して一歩リードしていたが、米軍がイラクとアフガニスタンに留まるべきかという質問では、6人の意見は割れた。バイデン、ブダジャッジ、ステイヤー3氏は駐留しつづけるべきとの考えだが、サンダーズ、ウォーレン両氏は撤退すべきとの主張だ。

貿易政策でも候補の意見は対立している。トランプが自画自賛しているUSMCA(アメリカ・メキシコ・カナダ協定)について、バイデン、クロブシャー、ステイヤーは賛成の立場で、ブダジャッジとウォーレンは修正が必要としながらも新NAFTAといわれる貿易法案に賛成している。唯一サンダーズが反対で、トランプ政権が主導した法案内容よりも「よりベター」な条約を模索すべきと言い続けている。

一般有権者が候補に求めるものはさまざまで、政策よりもトランプに本当に勝てるかどうかを重視する人もいれば、より安全な世界を実現できるのは誰かと問う人、また健康保険政策を何よりも大切にする人、さらに環境問題への良策を判断基準にする人など多岐にわたる。

私は今年で大統領を追って28年になるが、毎回新たな発見や驚きがある。今回も予期せぬ展開があるのだろうと思って冷静に眺めることにしている。(敬称略)

トランプの独占インタビュー

from Youtube

米時間10日、フォックスニュースのキャスター、ローラ・イングラムがトランプに独占インタビューを行った。保守派の論客であるイングラムは以前にも独占インタビューをしており、いわば「常連のトランプ応援団」といったところだ。

イランの司令官ソレイマニの殺害について、トランプがどう説明するのかがインタビューの核心だった。米東部時間午後10時から1時間の枠で放映した番組を観た。

これまで国務長官ポンペオを含めた政権幹部はソレイマニ殺害の理由として、「アメリカの施設が攻撃される危険性が迫っていたから」と説明していた。トランプはこう述べた。

「(攻撃対象は)バクダッドにあるアメリカ大使館であったと言えます。(バクダッドを含めて)4つのアメリカ大使館が狙われていたことをお知らせします」

「大使館を爆破しようとしていたのです。アメリカの施設と職員に差し迫った危機がせまっていたわけです。差し迫ったというのは、詳細な攻撃情報が入手できていたということです」

こうした機密情報がホワイトハウスにもたらされた時、歴代の大統領は今回のようにドローンを使ってでも殺害しにいくか、関係機関に連絡をして画策者を拘束しにいくか等を行うが、トランプは前者を選んで実行に移してしまった。

9日のブログでも触れたが、まだ行動を起こしていない人間に対し、「おまえはこれから爆弾テロを起こすから」という、まだ行ってもいない将来の行動を理由に情け容赦なく殺しにかかっている。ソレイマニを擁護するつもりはないが、将来の行動を先を見越して殺害したトランプを擁護することももちろんできない。むしろ、暴挙として糾弾されなくてはいけない。

それでも米メディア「ザ・ヒル」の世論調査では、43%の回答者が今回のトランプの行動に賛同している。この数字はアメリカでのトランプ支持率とほぼ同率である。はっきり述べると、人殺しであってもトランプがやれば認めてしまう人たちがそれだけいるということである。(敬称略)