「日本発」のニュースはいずこに?

昨日のブログで新しい単語(rizz)について記したが、その単語を口にしたアメリカ人ジャーナリストとその後もしばらく話を続けていた。彼が大変興味深い指摘をしたので、今日はそのことを少し記したい。

彼が最近感じているのは「日本発のニュースが売れない」ということだった。

「世界を驚かせるようなことが起きないばかりか、政治的に世界に影響を与えるようなこともしていない。経済的にもかつてのような勢いがなくなっているので、日本発のニュースを発信しずらい」

「日本発」のニュースが「売り」にならなくなっているということのようだ。新しい商品が開発されたといったニュースはあるが、これから世界を巻き込む規模で新しい政治・経済の潮流を生みだすまでにはいたっていない。

今年4月に米CBSニュースが東京支局を閉鎖したということを書いた(米CBSニュースが東京支局を閉鎖)が、実はタイム誌やニューズウィーク誌、ロサンゼルス・タイムズ紙などは10年以上も前に東京支局を閉めている。

私は前出の彼に、「以前にくらべると、日本人がより内向きになっている気がする。いまでも世界を相手に仕事をしている人はいるが、世界的な大局観をもって影響力を与えていきたいという人は少なくなっているかもしれない」と言うと、「私もそう思う」と同意してくれた。

なんとかしてこのネガティブな動きを反転させたいものだが、、、。

“He has a lot of rizz!”

今朝、仕事場にしている外国特派員協会のワークルームで、久しぶりに会ったアメリカ人がこう口にした。よく知るヨーロッパ出身の男性ジャーナリストについて話をしていたのだが、これまで耳にしたことのない単語(rizz)を使ったので、頭に「?」が点滅した。会話はどんどん先に進んだため、rizzがどういう意味なのか訊けなかった。

リズという音からスペルは予想できたので、話が終わったあと、ネットで調べるとすぐにわかった。「魅力がある」「カリスマ性がある」という意味で、近年、若者がネット上でよく使う言葉であるという。さらに昨年、オックスフォード英語辞典にも登録された単語であった。

こうした短いNew wordは発音しやすいこともあり、すぐに広まる傾向がある。私も「He has a lot of rizz.」と言われるように、今後も自分を磨いていきたいと思う。

台風シャンシャン

いま西日本に上陸している台風10号は、国際名では「シャンシャン(Shanshan)」という名前がつけられている。以前から台風には英語らしい人名がつけられていたが、2000年からはアジア名がつけられるようになり、今回は昨年中国に返還されたパンダと同じ名前のシャンシャン。可愛い名前がつけられているわりには猛威をふるっているので、毎回名前と実像とでは落差があると感じている。

台風もハリケーンも同じ熱帯低気圧で、発生する地域によって呼び方がちがう。ただ台風は最大風速が秒速17メートル以上、ハリケーンは秒速33メートル以上になったものをいう。

個人的にもっとも印象に残っているのは、ジャーナリストとして初めて取材した1992年のハリケーン「アンドリュー」。それまで米国カテゴリー5(最大)に分類されたハリケーンは3つしかなく、そのうちの一つだった。フロリダ半島を横断して大きな被害を残し、現地に足を踏み入れて唖然とした(写真下)

筆者撮影

カンバンが飛ぶとか木が倒れるといったレベルではなく、被害の最も大きかったホームステッド市ではほとんどの家屋が倒壊していたのだ。台風でここまでメチャクチャになった日本の都市を知らない。

「自然の猛威」とよく言われるが、そんな簡単な言葉では言い表せない凄まじさを目の当たりにして、人間の小ささを感じた。台風でここまでメチャクチャになった日本の都市はあるだろうか。

江本孟紀:人生の贈りもの

昨日(8月26日)から、朝日新聞朝刊の文化欄「人生の贈りもの」でプロ野球解説者で元参議院議員の江本孟紀氏(77)がエッセイの連載を始めている。

江本氏といえば阪神タイガースの投手だった1981年、「ベンチがアホやから野球がでけへん」と発言して野球を辞めたことが真っ先に思い出される。だが、その発言はメディアによって作られたもので、実際には「くそっ。バカッ。何を考えとんねん。このくそベンチ」と言ったと自著で述べている。まあ、ベンチ批判という点では大きな違いはないが、そうしたことも含めて、これからの連載ではいろいろなことが語られそうだ。

私が覚えている江本選手は制球力がよく、球も速く、阪神タイガースのエースだったということで、11年間の現役時代の勝利数は113勝。今日の記事に、「野球は、スーパースターだった長嶋茂雄さんに憧れて始めた」と書かれているが、問題発言で野球を辞めたように、自分自身では何ごとも「全うしないのは子どものころから変わらない」と述べる。

小学校の転校は4校で、中学は2校。「プロもシーズン途中で引退したし、参議院議員も2期目の途中で辞めました」とあり、どんどん次に移っていくのが信条であるかのような人生だ。ただ子どもの頃から運動能力は高かったようで、運動会では一番足が速く、小学校6年時には走り幅跳びで県内記録を更新(高知県)。高校では2年からエースになり、選抜高校野球の出場を決めたが、メンバーが暴力事件を起こして出場停止になってしまう。甲子園の開会式はスタンドで眺め、「自分が行進するはずやったのに」と涙を流しており、「いまだに人生の中でも最大級の挫折」と語る。

まだ連載には記されていないが、野球を辞めたあとに出版した「プロ野球を10倍楽しく見る方法」が100万部以上のベストセラーになり、浮き沈みのある人生を送ることになる。今後の連載が楽しみだ。

至福の時

久しぶりに銀座一丁目にある「ささ花」にお邪魔し、松花堂弁当を頂いてきました。笑顔になります、、、すみません。