短期連載のお知らせ

夕刊紙『日刊ゲンダイ』で今日(11月7日)から5回連続の短期連載をします。タイトルは「弾劾必至!トランプ再選に壁」。

第1回目はウクライナ疑惑について書きました。「オジサン紙」ですが、コンビニや駅の売店で売られているので、たまにはいかがでしょう?

2020年米統領選(19):日本の新聞報道

いよいよ来年の投開票日(2020年11月3日)まで1年をきった。

過去数日、日本の新聞報道も大きくなってきている。朝日、読売、毎日、日経各紙はいずれもアメリカにいる特派員を各地に派遣して、トランプ対民主党候補の戦いだけでなく、アメリカ社会が抱える問題にも光をあてている。

ただ各紙を読んでいて、「これはどういうことか」と思うことがあった。それは朝日、読売、毎日の記者が同じ日に同じ場所に取材に行っていたのだ。

ミシシッピ州トゥペロという人口3万8000人の町である。実は11月1日、トランプが同町で政治集会を開いて演説をしている。新聞社側はトランプが話した内容とディープサウスの有権者がどう捉えたかを報道しているが、なぜ3社は同じ場所での演説を取材したのだろうか。

考えられるのは、3社の記者(たぶんワシントン特派員)が一緒に取材に行ったということだ。1台の車に同乗し、仲良しこよしだったかもしれない。もちろん、偶然に3社の特派員が同じ場所で取材をしたということもある。来年の投開票日までちょうど1年ということもあり、この時期に狙いを絞ったのかもしれない。

だがトランプは1カ月間で多い時には10回ほども他州で演説を行う。なぜ他の場所ではなく同地だったのか。考えられるのは、ワシントンにフォーリン・プレス・センターという外国特派員の世話をする機関があり、そこがプレスツアーを組んだ可能性がある。

それにしても相変わらずの横並び報道には驚いてしまう。しかも3日の紙面では、朝日と読売がまったく同じトランプの写真(AP)を使っているのだ。他にいくらでも取材できる場所と機会がありながら、敢えて同じものに食いついていく同族意識は時代が令和になっても変わることはない。

私はこういう横並びの取材がもっとも嫌いなので、愕然としてしまう。どうりでほぼ30年間、ずっとフリーランス・ジャーナリストでいるわけである。(敬称略)

今日のお宝(11)

北海道函館市にある「Flower Picnic Cafe」のカップケーキ。今月16日まで千代田区有楽町マルイで限定販売されている。

お店の人は、「あまり美味しそうに見えないけど食べるとスゴク美味しいとよくお客さまに言われます」と、これまであまり聴いたことのないセールストークを展開。食べてみると、まさしく言葉どおりー。

わたしはよく「おばちゃん入ってる」と言われるので、こういうものにも手がのびる。

2020年米統領選(18):オルークの撤退

また一人、選挙レースから候補が脱落した。ベト・オルーク(47)。

今年3月に大統領選に出馬表明した元連邦下院議員は、そのルックスからJFケネディの再来とも騒がれたが、8カ月弱で夢を諦めることになった(2020年米統領選(8))。

『Vanity Fair』2019年4月号

本人の口からすぐに辞退の真意が語られるとは思えないが、「民主党ベスト10候補」の1人だっただけに、どうして他の主要候補のように支持層を拡大できなかったのか個人的には真相を知りたいところだ。

ここまでの選挙戦で語った内容を聴く限り、アメリカ社会に拡大している格差を本当に憂いていた候補だった。だが、選挙資金が思うように集まらず、選挙活動がスムーズに進んでいなかった。

さらに当初は選対本部長もおらず、ポールスター(世論調査員)を持たなかったことで、支持率も低迷したままだった。過去10年以上、大統領選でポールスターの分析なしで全米各地で遊説をしている候補はいない。たとえば、全米で最初に予備選(コーカス)が行われるアイオワ州に行く前に、どういった政治思想の有権者がいて、どういう内容の話をすれば市民の心をつかめるかを知らずに現地入りする候補はいない。そうした事前情報を調査して提示するのがポールスターだ。

しかしオルークは肌感覚で聴衆の反応を知ろうとしていた。いくら有段者の空手家であっても、相手が銃を2丁もっていたら敵わないように、オルークは潔く、わざと武器をもたずに闘いを挑んでいったかのように映る。

まるで、それが彼の美学であったかのようにー。