誰もが考えなくてはいけないこと

10日ほど前に68歳になり、「いやあ、ジジイになったなあ」と呟いている。

ご存じの方もいると思うが、私は米国に25年もいたので年金は米政府から受け取っている。米政府は毎月、ちゃんと日本の銀行の口座に振り込んでくれている。

現在、日本では少子高齢化が進み、高齢者が増えているにもかかわらず、それを支える現役世代は減少傾向にある。こうした少子高齢化が進むため、年金制度が今後も維持できるかどうかが大きな課題だ。

少し調べると、国民皆保険がはじまった1961年時点では、65歳以上の高齢者1人を支えるのに9.1人の現役世代(20歳~64歳)がいればよかったが(胴上げ型)、2012年にはそれが2.4人になり(騎馬戦型)、2053年には現役世代1.3人で1人の高齢者を支える(肩車型)という厳しい状況になると予想されている。

そうなると社会保障費が増額されて、現役世代への負担が増し、これで社会が回っていくのか疑問視されている。日立製作所の元社長だった中西宏明氏は生前、 「終身雇用を前提とした企業経営、事業活動を考えるのは限界」 と述べていたほどだ。

そこで近年は「起業」が推奨されている。ミドルエイジから定年を迎える年齢層まで、自分でビジネスを起こせば定年はないし、波に乗ればずっと仕事をしていられる。最近は資金を貸しつけるベンチャービジネスも増えているため、一考に値するかもしれない。かくいう私も、1990年まで会社員をしていたが、「モノ書き」として独立し、紆余曲折はあったが今に至っている。

夏の到来

Photo courtesy of Facts mostly

すでに真夏のような暑さが降り注いでいますが、皆さまいかがお過ごしでしょうか。明日から7月です。どうぞご自愛くださいませ!

トランプ:イランと全面戦争はせず?

日本時間22日、米軍はイラン国内にある3カ所の核施設を空爆したが、 イランが貯蔵していた濃縮ウランは「ほぼ無傷」だったことが、欧州当局者がまとめた初期評価からみえてきた。トランプ政権は当初、イランの核施設に大打撃を与えたつもりでいたが、実際は「ハズレ」だったのだ。

“If Iran wants to fight, that will be the official end of Iran. Never threaten the United States again! “ (イランが(米国との)戦いを望むなら、その時はイランが本当に終わる時だ。だから決して米国を威嚇するな)

上のコメントはトランプ氏が自身のXで述べたものだが、実はこの発言は2019年5月20日に発したものである。第一次トランプ政権時代から、イランに対して敵対的な態度をとってきているが、それだからといってトランプ氏は本気でイランを「終わり」にしようとは思っていないし、行動にも起こしてこなかった。

トランプ氏はイランとの関係を、現体制の存続を前提としていることが6年前から変わっていない。表面的には過激なことも口にするが、全面戦争でイランを「終わり」にしてしまったあとの責任の方が大きくなり、いまのままでというのが本音として透けてみえる。

旅が教えてくれるもの

先週末に瀬戸内海の小豆島を訪れていたが(ここはどこでしょう)、久しぶりに東京を離れると、普段の生活がいかに限定的で単調であるかがよくわかる。それが日常というものなのかもしれないが、「殻を破る」ということによって新しい空間や景色を体感でき、心の中に別世界が広がるような気がする。新しい人との出会いだけでなく、車窓から眺めた風景がしばらく心の片隅に残り、それがエネルギーの源泉になることもある。

これまで世界中を旅してきたが、旅のよさの一つは予期せぬものとの遭遇である。ガイド本やネットで旅先の情報を読み込んでいっても、自分の心を打つ光景が突然目の前に現れるという状況は読めない。船で海をいくことは最初からわかっていても、その途上で目にする島々の美しさは想像を超えている。何キロも先にある島のむこうにまた別の島があり、その遥か向こうに緑豊かな大きな島が見えると、しばし見入ってしまう。

その風景を目に焼きつけながら、人間の小ささや命の儚さといったことを考えるという作業は都会では無理がある。山手線から見えるビルを眺めても何の閃きも起こらない。生活にオオトツ(凹凸)がないことで、日常生活を支障なくおくれるという考え方もあるが、旅に出ることで日常生活を脱して新しい息吹を感じることは、人間にとって大変重要なのだと改めて思った。

さらに旅にでると、普段考えないことをさまざまな視点から眺めて熟慮することができるという点でも貴重である。立ち止まり、そこからワンステップ先に歩を進め、さらに立ち止まって一考してから行動に移す。

これからも旅をしていくことで明日へのエネルギーにつなげていきたいと考えている。