「今日はマフラーが必要だな!」

外の気温が30度を超えていえるのにマフラーとはどういうことか、と思われるかもしれない。

このセリフは今日(19日)午後2時半、仕事場にしている東京外国特派員協会のワークルームで友人のスイス人記者に対して私が言い放った言葉である。別に冷房が効きすぎていたわけではない。

この言葉の前に、2人で今日の東京株式市場の値動きについて話をしていた。日経平均株価は19日、2000円以上も値を下げたことで、彼が「身震いがした」と述べたので、私がマフラーのジョークを言ったのだ。彼とは世界情勢から日本文化まで多くのことを議論する仲で、共に株の売買をしていることも知っているのでその発言が出た。

さあ、明日は持ち直すか・・・。

気分と湿度

人間の気分と湿度が密接な関係にあることはほとんどの方がご存知かと思う。雨の日は気分がすぐれず、イライラして家族に八つ当たりする方もいるのではないだろうか。

今さら私がこうした人間の行動特性を述べなくとも多くの方はご存知かと思うが、人間の気分と湿度には密接な関係がある。すでに医学的に証明されており、高湿度環境(70%以上)では自律神経を乱して気分が落ち込んだりイライラすると同時に、低湿度環境(40%以下)でも粘膜の乾燥や脱水を招いて自律神経を疲弊させ、集中力の低下を引き起こすことが知られている。

人間の躰は湿度が高くても低くても自律神経に負担がかかるようになっており、周囲の環境がいかに心身に影響を及ぼすかがうかがい知れる。さらに、雨の日は太陽光が少ないため、脳の神経伝達物質であるセロトニンの分泌が減るため、気分が落ち込みやすくなる。

セロトニンは体調の安定に深いかかわりがあり、近年は「しあわせホルモン」と呼ばれるほどで、睡眠にも効果があるため欠かすことのできない神経伝達物質という認識である。ただ、雨の日であっても屋外は5000ルクスの明るさがあり、室内証明(約500ルクス)よりも明るく、傘をさして10〜20分ほど散歩すると効果があると言われている。

こうした点を考慮すると、人間は家の中にずっとこもっていてはいけないことがよくわかる。

プロノイアという心理状態

皆さまは「プロノイア」という言葉をお聞きになったことがあるだろうか。昨日、英語の雑誌を読んでいる時に「Pronoia(プロノイア)」という言葉が出てきて、頭の中に「?」が浮かんだ。

以前、どこかで出会っていたかもしれないが、衰えはじめた記憶をたどっても解らない。スマホを使って意味を調べると、2つの大きな意味が出ていた。ひとつは東ローマ帝国で使われていた土地制度で、国家への奉仕と引き換えに与えられた土地所有権のことをいった。

もうひとつは心理学用語として使われる場合で、「他者は自分に良くしてくれる」「世界は自分を助けてくれる」という前向きな心理状態や考え方のことだという。私が読んでいた雑誌で使われていた意味は後者の方で、「見えないところで誰かに応援されている」と思うことが大切なのだという。

極端なことを述べると、「全世界の人とモノはすべて自分を助けるようにできている」と信じることであるという。本心からそう思える人というのは、ある意味で「幸せな人」なのかもしれないが、幸福度の高い人はそうでない人よりも31%も生産的という数字があるくらいなので、ポジティブに物事を考えることはいろいろな点でプラスに働くことが多いのだろう。

プロノイアになるか、少なくともポジティブな面を見るように訓練をすると、よりよい決断をより早くできるようになり、より生産的になって高収入を得やすくなるという研究結果も出されている。

さあ、皆さまもプロノイアを意識してみませんか。

これからが夏本番

いよいよ夏本番と呼べる時期が到来した。朝、仕事場に向かう途中、全身が茹だるような暑さを感じたので、思わず「キター」と叫んでいた。今日(7月8日)午後2時の東京の気温は29度(気象庁)とでている。これから30度超えの日々が続くと予想される。

近年は毎年のように猛暑といわれる夏が続いているが、今後さらに暑くなりそうである。『異常気象の科学』(ブルーバックス)によると、北海道と新潟を除き、日本全国ほとんどの地点で35℃超えの猛暑になるという。

特に東海地方では40度を超える地域もあり、酷暑で有名な静岡県浜松市の最高気温はフェーン現象の影響などで45度近くまで上がると見込まれている。45度といえば熱めの風呂の温度である。冗談抜きで「いいかげんにしろ」と言いたいが、私一人で叫んでも何も変わらないことも知っているので、ジッと我慢の子でいることにする。

スマホ認知症

先月もこのページで記したが、歳を重ねるにしたがい、確実に記憶力の低下が自覚できるようになってきた。来年70歳になるので無理もないという捉え方もできるが、いくつになっても記憶力はしっかりと留めておきたいと思うのはほとんどの方の願いだろう。

モノゴトを忘れやすくなっているのは年齢もあるが、スマホを含めたデジタル機器を多用するようになり、「スマホを使えばすぐにわかるから」という理由で、自らすすんで多くのことを覚えなくなっているというせいもある。すでに『スマホ脳』(新潮新書:アンデシュ・ハンセン)などの書籍で詳述されているように、グーグルをはじめとする検索機能をつかえば物事の細部までかなり深く探ることができるので、わざわざ複雑なことを記憶しておく必要がなくなった。

「学習」という、自ら理解して考えるという作業をパソコンに任せることで煩わしいことをする必要性が減っているのが現代社会である。それは逆に人間がモノゴトを考えなくなってきたということであり、一言でいえば「人間がバカになる(スマホ認知症)」ということにつながる。

ハンセン氏は書く。「記憶するためには集中しなくてはいけない。しかしインスタグラムやチャット、ツイート、メール等を次々にチェックして間断なく脳に情報を与えつづけると、情報が記憶に変わるプロセスを妨げることになる。本当の意味で何かを学ぶためには集中と熟考が求められる」

パソコンやスマホを多用すると、間断なく脳に情報が送りつづけられることで、情報が脳内で記憶にかわる猶予がなくなる。今日から生活のペースを少し下げてみようと思う。