早く実現させるべき:同性婚

前回の当ブログで、夫婦別姓について記した(早く実現させるべき:夫婦別姓)。今回は「同性婚」である。

夫婦別姓よりも同性婚を制度化する方がハードルが高いし、時間もかかるかもしれないが、同性カップルを夫婦として認めている国は今年3月時点で37カ国にのぼる。主要7カ国(G7)で同性婚を認めていないのは日本だけだ。

結婚という制度が異性であっても同性であっても、どちらにも平等に存在するという考え方に立脚すれば、同性婚は認められてしかるべきだろう。日本のように認めないという国は言ってみれば、制度設計をしていない、つまり「何もしていない」と思われてもしかたがない。

2001年にオランダが世界で最初に同性婚を合法化してからすでに23年。オランダでは3万組以上の同性カップルが誕生している。結婚しなくとも一緒に暮らすことができればいいはず、という考え方もあるが、結婚という手続きを踏むことによって配偶者と子ども(実子・養子)の共同親権を持てたり、配偶者が死亡した場合の相続や年金を受給できたり、所得税・相続税の控除や医療費控除といったさまざまなメリットを享受できるようになる。

アジアでは台湾が2019年に同性間での婚姻を認めた。多くの市民が長年活動をつづけてようやく手にした成果だった。それまでは性的なマイノリティとの意識が強かったが、法的に認知されたことでカミングアウトしやすくなったという。それは同性愛の人たちであっても「結婚」が当たり前になってきたということを意味する。

日本では東京都をはじめ、多くの自治体が同性間の「パートナーシップ制度」を導入しているが完全な制度ではない。同性カップルでもG7諸国のように結婚という、より強い関係を持つことができるようになってほしいと思う。

早く実現させるべき:夫婦別姓

日本がいまだに夫婦別姓を認めていない国であることは、ほとんどの方がご存じかと思う。最高裁が夫婦別姓を認めていないからなのだが、21世紀になってほぼ四半世紀がたった今でも旧態依然としたままであることに愕然とさせられる。

今朝の朝日新聞に夫婦別姓についての世論調査がでており、選択的夫婦別姓に「賛成」である人はすでに73%にまであがってきている。反対は21%。 夫婦の姓名を同じにすることを義務付けた現行法は約120年前に制定されたもので、明治時代からの名残りであって今の時代にそぐわない。

日本で夫婦別姓を通すためには、婚姻届けを提出せずに夫婦生活を送るいわゆる「事実婚」になってしまう。そうなると基本的に遺産を相続する権利がなく、税金や補助金の受け取りもできない場合が生じてくる。諸外国を見渡すと、ほとんどの国で夫婦別姓を認めており、日本も早く実現させるべきだろう。

たとえば米国やイギリス、ドイツなどはもちろん夫婦別姓が可能で、ロシアなどは1926年にすでに別姓の選択ができるようになった。アジアでも中国、韓国は夫婦別姓を実現しているし、北朝鮮でさえも夫婦別姓である。ここまでみてくると、「日本よ、いったいどうしたんだ」というセリフが出てきてしまう。

日本では女性が結婚によって改名することで被る不利益、不都合、アイデンティティの喪失が問題になって久しいが、少しでも早く選択的夫婦別姓を認める新たな法制度を設けなくてはいけない。

人間の愚かさ

いきなり表題に「人間の愚かさ」と記したので、何のことかと思われるかもしれない。世界を見渡すと相変わらず無益な戦争が継続されており、「人殺し=戦争」の愚かさがあらためて浮き彫りになっている。

日本はいま、他国と軍事的な戦争をしている状況にないので、多くの人が殺害されるという現実を実感しにくい。ただ過去数日だけでも、ウクライナではロシアから数十発のミサイル攻撃を受けて30人以上が死亡しているし、パレスチナ自治区ガザではイスラエル軍の空爆により少なくとも16人が亡くなっている。

世の中は21世紀に入ってから四半世紀が経とうとしているが、いまだに戦争を止められずにいる。私が学生だった頃、「あと何十年かしたら、人間は戦争の悲惨さを知り、愚かな戦争を繰り返さなくなるかもしれない」と思ったものだが、いまのところそうした展開にはなっていない。

過去5000年の人類史をひも解いても、「戦争の歴史」と述べても過言ではないほど繰り返し戦争が行われてきた。いつかはなくなる日がくるのではないかとの希望的な観測もあるが、いまのところ絶えるようには思えない。それは人間が本当の意味で賢くなっていないからなのかもしれないし、人間が人間である以上、争いごとを止めることはできないからなのかもしれない。皆さまはどうお考えだろうか―。

藤井聡太はこれからの人

すでにニュースで伝えられている通り、藤井聡太氏が20日、叡王戦で伊藤匠七段に敗れた。メディアはしきりに「8冠から7冠に後退した」という伝え方をし、藤井氏でも負けることがあるんだというニュアンスを漂わせている。

確かに8冠を獲得してから約8ヵ月、トップの座を守り続けて無敵の強さを誇っていたので、私などは「この人はもう誰にも負けないのではないか」と思っていたほどだ。今回負けたことで「彼も人間だった」との思いが去来した。

私は将棋は素人なので、深く考察できないが、今回、藤井氏は前半に優勢をたもっていながら時間を使いすぎてしまい、後半は1手を60秒未満で指さなくてはいけなくなり、熟考できずに敗れたと解釈している。本人はタイトルを一つ失っただけでも相当のショックを受けていると思うし、映像を見るかぎりでも青ざめているように見えたが、まだ21歳である。

人生の勝負はこれからであり、私はできるだけ長期間に渡って将棋界をリードしていってほしいので、ぜひ8冠に返り咲いてほしいと思う。いや彼ならできるはずで、こうしたタイトルを失う経験を積むことで、今以上に強い棋士になっていくことを願っている。

なぜ男女格差が埋まらないのか

スイスに本部を置く国際機関、世界経済フォーラム(WEF )が12日、2024年版の「ジェンダーギャップ報告書」を発表した。2日前に当欄で、「相変わらずの男社会」というブログが書いたばかりだが、同報告書での日本の順位は146カ国中118位で、男女格差は相変わらず改善していない。

G7(主要7カ国)では相変わらず最下位だし、3年前に出された同報告書を眺めると、 日本の男女平等ランキングは156カ国中120位で、そこから大きな変化はない。今年は韓国が94位、中国が106位で日本よりも上位にきている。日本はセネガル(109位)やネパール(117位)といった国よりも下で、国家レベルで改善すべきといったムードを醸成する必要があろうかと思う。

小池百合子氏と蓮舫氏が都知事を争っていることは大変いいことだが、衆議院議員の女性比率はいまだに低いままだ。昨年6月に自民党は今後10年で女性の国会議員比率を30%にするという目標を発表したが、現時点では12%。まだまだ先は長い。男女両方から格差是正へ積極的に動かなくてはいけないが、そうなってはいない。

女性側の働きかけはもちろん、男性の中には「女は男の3倍働かなくてはいけない」といった偏見( ジェンダーを考える )もあり、少しずつ着実に男女の溝を埋めていく必要がある。