ある日の思い出

今朝、突然にして小学校5年時のある光景が脳裏に蘇ってきた。全校生徒が校庭に集まった朝礼の時間で、皆は整列して校長先生の話を聴いている。

私は眠気が残っていたため、校長先生の話をほとんど聴かずにただボーッと立っていた。その時、校長先生が私の名前を呼んだのだ。私はなぜ自分の名前が呼ばれたのか理解できず、キョトンとしていた。すると、担任の先生が私のところまでやってきて「堀田君、すぐに前へ出なさい」といって、全校生徒の前にでるように促した。

皆の前で説教されるのかと思い、肩をすぼませながら校長先生の前に歩を進めた。すると、校長先生は「表彰状、、、」と言って賞状を読み始めたのだ。私は合点がいかなかったが、明らかに何らかの賞状を受け取る流れだった。すぐに、授業で読書感想文を書く時間があり、担任の先生が私の感想文をコンクールに送ってくれ、それが賞を獲ったことがわかった。

それまで賞状など貰ったことがなかったので、想定外のことだった。その日のうちに、担任の先生が「堀田君が書いた図鑑の感想文が面白かったのでコンクールに送りました」と聞かされた。

私は大学時代、同人誌に文章を書いていたし、大学院を卒業してからは仕事で記事を書くようになった。1990年にフリーランスのジャーナリストとして独立して今にいたるが、物書きの原風景は小学5年時のあの読書感想文なのだろうと思う。いろいろな思いを辿っていくと、いまから50年前のあの図鑑の感想文に辿りつける気がしている。

テレワークの功罪

コロナの影響で自宅で仕事をしている人が増えている。「テレワーク」、「リモートワーク」と呼ばれる仕事のスタイルはすでに多くの分野で定着し、今後も続きそうである。

ただ、テレワークによって生産性が上がったのか下がったのか、また個人が満足しているのか否かという点で統一見解はなく、統計数字をみてもバラツキがある。

たとえば、今年7月に日本生産性本部が発表した「働く人の意識調査」(1100人対象)によると、日本でのテレワークの実施率は20.4%で昨年7月以降、大きな変動はないとしている。意外なほど少ない数字である。さらにテレワークをしている人の中で、7月に出勤した日数が「0日」だった人は11.6%。この数字も少なく、同調査によると、最近は出勤する人が増え始めているからだという。

ただ日本トレンドリサーチが行った調査(496人対象)によると、テレワークをしている人の割合は58.5%で、日本生産性本部が出した数字の2倍以上である。また私がいま読んでいる本(『同調圧力の正体』)の中に出てくる東京商工会議所が行った調査によると、テレワーク率は67.3%だという。同書はさらに、従業員300人以上の企業ではいま、テレワーク導入率は90.0%であるとも記している。ここまで数字に開きがあると、本当のテレワークの姿はぼやけてしまう。

仕事の生産性(効率)という点では、日本生産性本部の調査では59.1%の人が効率が上昇したとしている。日本トレンドリサーチの調査では、43.4%が業務効率は落ちないと回答。東京商工会議所の調査では、21%の回答者だけが効率があがったとしており、またまた調査団体によって数字に大きなバラツキが見られた。

テレワークの満足度という点では、日本生産性本部の調査が75.7%と最も高く、日本トレンドリサーチも73.8%(出社時よりもストレスが減る)という数字で、多くの人は自宅で仕事をすることにそれなりの充実感を味わっているかにもみえる。東京商工会議所の調査では満足度は計られておらず数字にはでていない。

テレワークというのは個人の性格や自宅での仕事環境、さらに職種によっても捉え方が違ってくるはずで、会社でいつも不満を抱いている人がテレワークによって一人でのびのび仕事ができる状況を喜ぶ人は多いかもしれない。それでも人と話をする機会が格段に減るので、その点で寂寥感を抱く人は多いだろう。「テレワークは一長一短アリ」というのが実情かもしれない。

ある人の仕事の流儀

スタジオジブリのプロデューサー、鈴木敏夫氏(73)が朝日新聞のインタビューで話をした内容が、心に響いている。インタビュー記事はよく読むが、「なるほど・・・」と妙に納得させられた発言がいくつもあった。

from Twitter

このインタビューは昨年末、角川書店から『ジブリの鈴木さんに聞いた仕事の名言』という書籍がベースになっていて、大きなプロジェクトをいくつも成功させてきた鈴木氏ならではの思いが散りばめられている。

「間違っても自己表現だとか、自分のこだわりに走っちゃいけない。いつも受け取る相手のことを考える」

「何かを言おう言おうと思っていると、人の話が聞けなくなる」

モノを「作る・創る」側にいる人たちは自分のオリジナリティーにこだわり、それをどう表現するかに力を入れる傾向がある。ある意味でそうした心持ちは必要だろうが、受け手側の気持ちが軽視されることにつながりがちだ。

少し飛躍はあるが、鈴木氏はこうも言う。

「ダビンチやミケランジェロは注文に応じて作品をつくっていた。そこに自分はなかったわけですから。(中略)大事なのは冷静な判断。自分を出そうとすると判断が狂うので、欲のないところに自分を置かなくてはいけないと思っています」

組織論についての言及もある。

「弱い人も組織の中には必要です。才能のある人ばかりで映画をつくるのは不可能です。数人の才能ある人と、誠実に(仕事を)こなしてくれる人の両方が必要で、組織の雰囲気としては善良で誠実な人たちが大勢を占める」

経験論から得た仕事の流儀がしっかり手元にあるという印象を受けた。

ここは飛行機の中です(2)

昨日のブログで、アフガニスタンから飛び立った米軍のC-17に640人の市民が搭乗した写真をアップした。17日午前11時のことである。

今日(18日)の朝日新聞の夕刊を見て驚いた。なんと同じ写真が夕刊一面の左側に大きく使われていたからだ。思わず呟いてしまった。

「朝日さん、遅いよ!」

私がブログに載せた時点で、すでに欧米メディアの中には同写真を掲載しているところもあった。日本の新聞の購読者数が減っているのはこういったところにも理由があるのかもしれない。

ここまできたネット翻訳

インターネット上での自動翻訳機能が使えるようになってからずいぶん月日が経つ。言語数はすでに100を超えており、便利になったことは間違いない。もちろん無料である。

ただこれまで、私はネット翻訳には頼ってこなかった。くどいようで申し訳ないが、25年もアメリカにいたので「自分でさせていただきます」、「自分でやった方が勉強になりますから」という姿勢でいたからだ。

さらに、何度かネット翻訳を試みてみたものの、翻訳の完成度がお世辞にも仕事で使えるレベルに達していないこともあった。AIが導入されても、さまざまな文化を内包する形で発達してきた各々の言語を、的確に、さらに機械には推し量れないであろう言葉の機微を表現することは無理があると考えてきた。

しかし最近、たいへん上質なネット翻訳をするサイトもあることを知り驚いている。「DeepL(https://www.deepl.com/ja/translator)」という無料翻訳サイトは、私が知らなかっただけかもしれないが、これまでのどのサイトよりも質の高い翻訳を提供している。今日は少し長くなるが、例文もだして、複数の翻訳を比較してみたい。まず原文を記す(CNNから)。

While the US military will retain authority to carry out strikes against the Taliban in support of Afghan forces, as CNN reported on Friday, that authority does not necessarily extend to counter-terrorism operations in the country against those suspected of planning attacks against the US homeland or allies.

<グーグル翻訳>  CNNが金曜日に報じたように、米軍はアフガニスタン軍を支援するためにタリバンに対してストライキを実施する権限を保持するが、その権限は必ずしも米国本土に対する攻撃を計画している疑いのある人々に対する国内のテロ対策作戦にまで及ぶわけではない。または同盟国。

<エキサイト翻訳> 米国軍隊が、アフガニスタンの力を支持してタリバンに対してストを実行する権限を保有する間、CNNが金曜日を報告したように、その権限は、必ずしも、米国母国または同盟国への攻撃を計画すると疑われているそれらに対して国のカウンターテロ操作に拡張しない。

<Weblio翻訳>  米軍がアフガニスタン軍隊を支持してタリバンに対するストライキを行う権限を保持する間、CNNが金曜日に報告したように、その権限が米国祖国または同盟国への攻撃を予定する疑いがある人々に対して国でのテロ対策事業に必ずしも及ぶというわけではありません。

<DeepL翻訳>  金曜日にCNNが報じたように、米軍はアフガニスタン軍を支援してタリバンへの攻撃を行う権限を保持しているが、その権限は、米国本土や同盟国への攻撃を計画していると疑われる者に対する国内でのテロ対策活動には必ずしも及ばないという。

最初の3翻訳は、ほとんど理解できないほどの混迷をきたしている。不正確というより日本語として成立していない。「意味を汲んであげましょう」という姿勢で読まないといけない。しかし、最後のDeepLは翻訳として成立している。ここまできたということは、今後はさらに進化していくということでもある。

これからは頼ってしまうかも、、、。