次の大戦争はもう始まっている?

トランプ大統領(以下トランプ)は、ホルムズ海峡で8日に墜落された米軍ヘリコプターは、イランによって撃墜されたと断定。すぐに軍事報復を表明した。

いくら米軍の軍事能力が世界最高であっても、イランの攻撃で最新鋭のヘリコプターが撃ち落とされるのだ。しかもこの事件は、米国とイランが交渉をしていた最中に発生したもので、トランプがイランとイスラエルの停戦合意を仲介したわずか1日後のことだった。それにより新たな対立の高まりを招く恐れがある。

「我が軍から昨夜、ホルムズ海峡上空を哨戒していた米国の高性能アパッチヘリコプター1機がイランによって撃墜されたとの報告を受けた。パイロット2名は無事で負傷者は出ていない。しかし、米国はこの攻撃に対して対応しなければならない」とトランプは自身のSNSに記した。

それに対し、イランのアラグチ外相はX上で次のように反論した。

「我が国の領土付近に展開している外国軍は、人為的ミス、単なる事故、あるいは交戦などで常に危険にさらされている。リスクを軽減する最善策は、彼らが撤退することだ」

この撃墜事件は、4月8日の停戦合意後、イスラエルとイランが初めて攻撃を応酬した後に発生したもので、トランプは両国に対して自制を促しているが、これが本格的な戦争の幕開けにならないことを祈りたい。

生命の限界(ヘイフリックの限界)

私は来年70歳になる。古希である。いま日本人男性の平均寿命は81.09歳で、一般論で話を進めれば、あと10年ほどは猶予があるといえるかもしれない。今のところ、いたって健康なので、人生の最終コーナーに差し掛かっているという意識はないが、いずれ寿命は来るので覚悟はしておきたい。そんな時、ヘイフリックの限界という捉え方を耳にした。

1961年に米カリフォルニア大学レナード・ヘイフリック教授が提唱したもので、ヒトの体細胞は分裂回数(PDL:population doubling level)が決められており、無限の増殖能を持つわけではなく、50回が限界であるというのだ(ヘイフリック限界)。

細胞がいつも新しく生まれ変わるのであれば、我々はいつも健康でいられるし、正常な機能を持った細胞が無限に再生できれば、人間は死ぬことはなくなる。しかしこれらの細胞は50回で分裂することをやめるため、やがては死を迎える。それが人間の寿命ということになる。

これまで、世界でもっとも長生きした人の寿命は122歳。この記録は1997年にジャンヌ・マルマンさんというフランス人がつくったもので、人間はおそらくそれを超えることはできないだろうというのが専門家の意見だ。過去100年ほど、医療は進歩し、平均寿命がコンスタントに伸び続けているにもかかわらず、最長寿命には自然界の限界があってそれを超えられないでいる。

考えてみれば、それを超えたとしても、100歳にもなれば筋力は落ち、頭脳の働きも悪くなってくるので、どこかで手を打つしかないので、個人的には自分が納得した年齢(?)に達すればいいと考えている。

テッド・ターナーという人物

CNNの創設者であるテッド・ターナー氏(以下ターナー)が亡くなった。87歳だった。ターナーがCNNを立ち上げた時、今のような成功を見通せた人はほとんどいなかったと言われている。

1980年6月1日にCNNを開局したとき、懐疑的な人たちは「チキンヌードル・ネットワーク」と揶揄した。英語でチキンヌードルというのは「安くて特徴がなく質素」という意味で、すぐに潰れるだろうとの見方が大勢をしめていた。今から46年前のことである。ケーブルテレビが今のような利用頻度を得られていない時代、地上波のテレビ局を凌駕すると誰が思っただろうか。

ただターナーは1970年にはすでにテレビ事業に参入していた。思いついたら限界までやりきる人だったので、本社のあるアトランタ市に古い邸宅を購入し、テレビ機材を入れて人材を揃え、CNNをスタートさせた。ただ1985年まで赤字が続いている。

しかしCNNのスタッフたちは他局とは一線を画する報道を続けた。特に1991年の湾岸戦争では地上波のキャスターが安全な場所から報道するのに対し、CNNのピーター・アーネット氏などは現地から臨場感あふれる中継を続けて注目された。それでもターナーの私生活は慌ただしく、3度の結婚と3度の離婚を経験。本人も「理想的な状況ではなかった」と認めている。

1990年には環境保護のためにターナー財団を設立。1997年には国連に10億ドル(約1560億円)を寄付している。さらにニューメキシコ州に、全州の約5%の土地を所有していたが、亡くなる数年前から広大な土地をネイティブ・アメリカンに寄贈し始めていた。

惜しい人が亡くなってしまったが、ターナーの思いは必ずや周囲の人たちに引き継がれていくだろうと思っている。

大統領と凶弾

米国で大統領になるということは、暗殺の対象になるということに等しく、ほとんどの大統領は立候補した時点で狙われる立場になることを理解しているだろうと思う。

トランプ大統領(以下トランプ)は米時間25日、首都ワシントンのヒルトンホテルで行われた記者夕食会で、複数の発泡音を聴いた。銃声は会場外の保安検査場付近からだったが、自分が狙われていたことは当然察知しただろう。幸い、犯人のコール・トーマス・アレン容疑者(31)はすぐに逮捕された。

暗殺は誰も望まない一方で、トランプは「ビッグネーム」で「影響力の大きい」人間だからこそ狙われると述べ、その意味では「残念ながら光栄である」とも発言している。

これまで暗殺された米大統領は4人。最初は第16代エイブラハム・リンカーン(1865年)、2人目が20代ジェームズ・ガーフィールド(1881年)、3人目が25代ウィリアム・マッキンリー(1901年)、そして35代のジョン・F・ケネディ(1963年)である。トランプへの好き嫌いはあるだろうが、銃弾によって人の命を奪うという方策はあってはならない。

死の商人

これまで日本がずっと自らの行動を律して踏み込んでこなかったのが「武器輸出」である。だが高市早苗首相は21日、殺傷能力のある武器の輸出を全面的に解禁することにした。正確には「防衛装備移転三原則の運用指針の改定」というが、これは紛れもなく日本が死の商人になるということである。

実は日本政府は2023年12月に地対空ミサイル「パトリオット」を米軍の在庫を補充するかたちで輸出することに決め、殺傷兵器の禁輸を解いてはいた。だが今回はこれまでの輸出目的として「救難、輸送、警戒、監視、掃海」(5類型)に限るとしていた取り決めを撤廃して、“普通”の武器を売れるようにした。

第二次世界大戦で敗けて以来、日本は自らにブレーキをかけて殺傷兵器の輸出をしてこなかった。これは大変好ましいことで、個人的にはずっとこの方針を貫いてもらいたいと思っていたので大変残念である。武器というのは言うまでもなく人を殺傷するためのものであって、自衛とか防衛という言葉を使うことで意味が曖昧にされてしまう。

今回の武器輸出の解禁によって規制や取り決めが少しずつ緩み、今は武器の輸出先が防衛装備移転協定の締結国(17カ国)に限られるが、今後は拡大されていくのだろうと思う。武器の売却というのは不況時に誰もが考えつくビジネスモデルの一つで、他国に武器を売り、低迷した経済を少しでも上向かせて雇用を創出できる。それが兵器ビジネスというものであり、今後は日本も「死の商人」の道を突き進むということになるかもしれない。