ジェンダーを考える

朝日新聞が長い間シリーズで掲載している「ジェンダーを考える」は、日本社会がかかえる性別問題を浮き彫りにしている。

男女格差が先進国の中では最下位といわれる日本。多くの女性が不平等さを感じ、また実体験として虐げられた経験をもつ。それは男性にはなかなか分からない部分で、女性側が言い続けても男性側が問題の本質をきちんと理解し、改めていかない限り変わっていかない。

表面的なことだけでなく、賃金や昇給での男女格差はいまだに大きい。今日(9日)の朝日新聞朝刊でも、一面トップで大手電機メーカーでの話がでていた。国立大学理学部を卒業したある女性は、なかなか昇進できないでいた。ある日、上司にこう言われる。

「残念だけど、女性は男性の3倍くらい働かないと評価されないと思った方がいい」。さらに「君を部長にする気はない。だってMBAもってないじゃない」とも言われた。

女性は周囲の部長を見渡したが、MBAをもつ人は見当たらなかった。そして苦情を述べると、部長はこう言い放つ。

「彼らは僕の薫陶をうけているからね。君にはそういう教育をしていない」

これは差別以外のなにものでもなく、こうしたことを口にし、実行していることで、日本社会が確実に衰退していくことを理解しなくてはいけない。

ああ、情けない。