銃による無差別殺人頻発の米国で、銃を持ちやすくなっているのはなぜ

ロン・デサンティス氏。

現在「ワールドツアー」中の米フロリダ州知事が4月24日に来日し、岸田文雄首相と会談した。同知事は米国に戻り次第、次期大統領選に出馬するとみられている。そんな知事が4月3日、ある重要法案に署名した。

日本ではほとんどニュースになっていないが、フロリダ州内で市民が許可なく銃を隠し持つことを許可する法案である。これはある意味で、米社会のイマを如実に表す出来事といえる。

米国は「銃社会」といわれている。スイスの調査団体「スモール・アームズ・サーベイ」の調べによると、約4億丁が出回っている。人口が約3億3000万なので、人よりも銃の数の方が多いことになる(続きは・・・銃による無差別殺人頻発の米国で、銃を持ちやすくなっているのはなぜ)。

デサンティス知事

Governor DeSantis
from Florida State Government

次期大統領選に共和党から出馬が予定されている米フロリダ州のロン・デサンティス知事(44)が来日している。昨日は岸田首相と会談した。

実は先週から日本外国特派員協会がデサンティス知事を記者会見に呼ぼうと画策していた。だが、先方は「イエス」といわなかったようだ。同協会だけでなく、他のメディアも会見を開こうとしていたようだが、今回はそうした機会を設けなかった。

というのも、いまは日本を含めたワールドツアーの途中で、フロリダに戻ってから大統領選への出馬を宣言するようなので、その前に出馬について触れたくなかったかにみえる。もし会見が開かれていたら、私は「トランプ氏に勝つためのシークレット・ウェポンは何ですか」ということを訊きたかったのだが、残念である。

バイデン氏にしてもトランプ氏にしても、申し訳ないが大統領選が「おじいちゃんの争い」になっているので、40代の候補が躍進してほしいと思っている。

若い人たちの脳卒中が世界で急増中

米国の中部、オハイオ州ヤングスタウン市に住むドーン・ターネージさんは、2歳の姪とビデオ通話している時に、こう告げられた。

「どうして顏が曲がっているの?」

ターネージさんは「どういうことなの」と聞き返した後、鏡で自分の顔を見た。すると口の右側が下に流れ、明らかに顔がいびつになっていた。自分では顔が歪んでいる自覚はなかった。

脳に何らかの異常をきたしたと判断し、すぐに救急車を呼んで病院に向かう。検査の結果、一過性脳虚血発作(TIA)を起こしていたことが分かった。TIAは「ミニ脳梗塞」ともいわれ、一時的に脳に血流が行かなくなり、神経脱落症状が起こることをいう。ターネージさんはまだ44歳だった。

これは米国での一つの症例に過ぎないが、日本を含めていま世界的に若年層での患者が増えている。米ジョージア州アトランタ市にある疾病予防管理センター(CDC)によると、ミレニアム世代では近年、同じ年齢層の先人たちよりも罹患率が増えているという。2003年から2012年の統計では、18歳から34歳の女性の脳卒中が32%も増加していた(続きは・・・若い人たちの脳卒中が世界で急増中、その原因とは、また危ない職種は何か)。

キャサリン・タイ通商代表来日

4月20日午前11時、日本外国特派員協会の記者会見に現れたキャサリン・タイ米通商代表部(USTR)代表。1時間にわたり、記者から質問を受けた。

私はUSTRが最近になって、中国にFTA(自由貿易協定)を求めないというスタンスでいる理由を問うた。関税引き下げというアプローチは今はもう機能しないというのが米政府の考え方で、最近は「新しい物語をかく」という姿勢に変わってきている。

従来型の関税撤廃と自由化の追求は、中国に非市場的慣行を行わせることになり、貿易問題を解決することにはならなかったというのがタイ代表の見解。

「米国は貿易政策を革新する必要がある」

これまでとは違う、新しい貿易政策を模索しているという。今後の米政府の出方に注目したい。