米大統領選:11月5日の予想図

今年11月の大統領選で、ドナルド・トランプ氏(共和党)が勝つか、それともカマラ・ハリス氏(民主党)が勝つのか、現時点ではほぼ互角の戦いなので、なんとも言えない。

ご承知のとおり、大統領選は州ごとに人口比で割り当てられた選挙人(計538)を積み重ねていく戦いで、合計が過半数の270人に達した時点で勝者が決まる。下記の地図は大統領選に焦点をあてたサイト「270towin」が公表している投開票日(11月5日)の予想図で、赤がトランプ、青がハリス、薄茶色が激戦州になっている。ここでもほぼ互角で、激戦州をどちらが獲るかはわからない。

ただ、下記の地図をご覧いただきたい。この地図は2016年の大統領選でトランプ氏がヒラリー・クリントン氏を破って勝った時の地図である。選挙前はヒラリー氏が有利といわれ、実際の総得票数もヒラリー氏の方がトランプ氏よりも多かったが、選挙人システムのからくりで破れるのだ。

2016 Presidential Election Actual Results - 270toWin


さあ、今年はどういった流れになるのかー。

衝撃のポケベル爆発:だが計算違いだった?

中東レバノンで17日に起きたポケベル爆破事件は衝撃的だった。すでに多くのメディアが詳細を伝えているので、事実関係には深く踏み込まないが、最初の爆発で12人が死亡し、3000人近くが負傷したという。そして翌18日には次なる攻撃が起き、あらたに20人が死亡し、約450人が負傷している。

イスラエルによる攻撃であることはほぼ間違いないが、イスラエル政府も対外諜報機関モサドも、ここまで沈黙を貫いている。ポケベルに爆発物が埋め込まれていたことによる爆発だが、イスラエル側は長期間にわたって計画し、爆弾を仕込んだことは間違いない。ヒズボラが発注した通信機器は5000台で、レバノンに到着するまえに爆弾が仕組まれたという。

今後、イスラエル政府が背後にあることが証明された時、一国家による殺戮行為としては最悪の部類に入ることになるだろう。ただ私が思うのは、今回の攻撃はイスラエル側にしてみると「計算違い」だったのではないかということだ。

というのも、映像で見る限り、かなり鮮烈な爆発が起きているが、最初の爆発でなくなった方は12人。負傷者は3000人という数字で、イスラエル側にしてみると死亡者が予想よりもかなり少なかったのではないか。つまり、攻撃側は1000人単位でヒズボラメンバーを殺戮したかったが、実際はそこまでいかなかったというのが真相なのではないか。そう思えてならない。

これは今後、イスラエルとヒズボラの抗争がずっと継続されることを意味するし、攻撃がより過激になっていく可能性が高い。日本はいったい何ができるだろうか。

真田広之の英語

米国のエミー賞授賞式で、俳優の真田広之氏が主演男優賞を受賞した時の英語の挨拶があまりに巧みだったので、思わず唸ってしまった。話すスピードは英米人ほど速くはないが、発音がほぼネイディブ並みで、日本で生まれ育った人とは思えないレベルだった。

Hiroyuki Sanada accepts the award for Best Lead Actor in a Drama Series at the 76th Primetime Emmy Awards held at Peacock Theater on September 15, 2024 in Los Angeles, California.
Photo courtesy of Variety

経歴を少し見ると、中高大とずっと日本で、大学卒業後も日本で仕事をしていたが、2003年に公開された映画「ラストサムライ」の出演をきっかけに活動拠点をロサンゼルスに移したという。ただ、20年以上米国にいても、大人になってから移り住んだ人は、それなりに英語にクセがある人がほとんどだ。

だが真田氏の英語の発音のうまさは耳の良さもあるだろうが、ネイティブのような響きで驚いた。かなり自分で努力し、矯正していったと思われる。それほどスムーズな英語になっている。私も大学卒業後に米国に渡り、25年現地で生活したので、そのあたりのことはよく分かっているつもりだ。

これからも俳優として、プロデューサーとして、活躍してほしいものである。

2016年の繰り返しか?

何が「2016年の繰り返し」なのかと言えば、大統領選の流れと結末である。

あの年、私はテレビに出演した時に堂々と、「ヒラリーが勝つと思います」と述べ、見事に外して坊主アタマになった。にがい思い出である。少しは学び、今は「どうなるかわからない」と述べている。

そしていま、「2016年の繰り返し」と記したのは、トランプ氏の対戦相手がやはり女性で、昨今の世論調査ではカマラ・ハリス氏が数パーセントのリードを保ち、状況が酷似してきたからである。当時、ヒラリー氏は選挙資金も支持率もトランプ氏を上回っていたし、実際の総得票数もヒラリー氏の方が286万票も多かった。それでもヒラリー氏は選挙に負けるのである。

今回も、もしかしたらハリス氏の方が総得票数はトランプ氏よりも多いかもしれない。ここがアメリカの選挙の不可思議なところで、選挙人システムのせいで、獲得する州に割り当てられた選挙人の合計が今回もトランプ氏の方が多いということが起こりうる。

いま激戦州が8州ほどあり、重要州でトランプ氏が勝てば、2016年の二の舞も十分にある。そうなった場合、アメリカは選挙人システムではなく、総得票数で決着をつけるという方法に変えるべきなのではないだろうか・・・・。