仕事場である日本外国特派員協会にはさまざまな著名人がやってくる。今日(6月25日)のランチョンに現れたのはナベサダこと渡辺貞夫氏。
サックスの演奏はなかったが、1時間の講演ではほとんどの時間を英語でこなした。しかも書かれた原稿を読むわけでもなく、その場でモノを考え、自分の言葉(英語)で話をつづけた。渡辺氏は見た目も話しぶりも若々しく、どこから眺めても91歳には見えない。
話は戦後の混乱期からはじまり、進駐軍にハーシーズのチョコレートをもらったことや、高校時代にクラリネットを手にし、そこからジャズに傾倒してアルトサックスに転向した経緯などを述べた。
質疑応答では私が真っ先に手をあげて、「今年は年末まで多くのコンサートが予定されています。91歳になっても精力的に音楽活動をこなせるエネルギーはどこからくるのでしょうか。秘訣をお教えください」と訊いた。
すると渡辺氏は「Nothing!(何もない)」と即答。
「70歳代も80歳代も休みなく毎日練習してきた。いまでも毎日1時間は吹いているが、当時は2、3時間はやった。吹かなければいけないという気持ちで、楽しんでやっている」
「好きこそものの上手なれ」ではないが、好きであるがゆえに演奏は自然になされるものとの印象を受けた。このまま100歳まで走り続けていきそうである。脱帽!