中国への直接投資にはもう関心がない?

from 国家外貨管理局

外国企業による中国への直接投資が減少している。中国の国家外為管理局(SAFE)が今月18日に発表したデータによると、国外からの直接投資は前年比で82%も減少し、1993年以来の低水準に落ち込んだ。まるで「もう中国には関心がありません」と言わんばかりのレベルである。

中国への直接投資は1978年に当時の最高指導者だった鄧小平氏が、改革解放政策として国外からの直接投資(FDI)に門戸を開いたのが始まりだ。以来、外国企業は莫大な市場と安価な労働力を手に入れるため、中国での事業買収や工場建設を進めてきた。

しかし昨年なかば頃から、外国企業は中国経済の成長の鈍化や政治リスクを警戒して対中投資を控えだした。新規投資に慎重になるだけでなく、事業の縮小や撤退を進める企業すらでてきた。米国と中国の対立や昨年7月に施行された反スパイ法を警戒して、さらに足が遠のいてさえいる。

また、中国政府が特定の外国企業への規制や取り締まりを強化したり、米コンサルティング会社への家宅捜索を行ったりしたことで、今後は「中国市場に投資したいという企業はいなくなる」とまで言わるまでになっている。こうした動きが加速すれば、世界貿易の柱になるといわれてきた対中直接投資は地殻変動を起こし、世界経済に大きな影響を与えることになる。

殺人と考える方が自然:ナワリヌイ氏の死亡

このニュースに接した方の多くは「ロシア政府が手をくだしたに違いない」と思われたことだろう。それほど不自然な死だった。

ロシアでは最も名のとおった野党指導者だったアレクセイ・ナワリヌイ氏(47)。ロシア政府当局は16日、同氏が収監されていた北極圏の刑務所で死亡したと発表した。その日、ナワリヌイ氏は散歩から戻った後「気分が悪い」と言い、そのまま意識を失ったという。救急医療チームが蘇生を試みたが、意識は戻らず亡くなった。まだ47歳だった。

同氏の側近レオニード・ヴォルコフ氏はSNSで、「ロシア当局が刑務所でナワリヌイ氏を殺害した」との告発文を公表した。ナワリヌイ氏は死亡前日の15日、刑務所内から動画を発信しており、その映像には元気な姿が写っていた。

米バイデン大統領は同氏の死去を受けて、「彼はプーチン政権によるあらゆる腐敗や暴力、悪行に立ち向かった。それに対し、プーチン氏は彼を逮捕し、でっちあげの犯罪で起訴し、実刑判決をくだした。そして独房に入れさえした。それでも彼は真実を口にすることを止めなかった」と述べた。

ナワリヌイ氏には複数の罪状が課せられていたが、それは当局が彼を拘束するための口実であると言われている。同氏は「未来の美しいロシアへの希望と信念」を決して失わなかったという。彼を支える信奉者たちはプーチン体制の終わりとロシアの政治変革を期待していたが、しばらくは実現が遠のくことになった。

宇宙滞在最長記録

人間はどれくらいの期間、宇宙に滞在し続けることができるのかー。

ロシアの宇宙飛行士オレグ・コノネンコ氏(59)が4日、878日11時間を超えて、これまでの宇宙滞在最長記録を塗りかえた。878日というのはおよそ2年と5カ月。ただ継続的に2年以上いたわけではなく、累計である。

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最初に同氏が宇宙飛行にでたのは2008年で、今回が5度目の国際宇宙ステーション(ISS)滞在となる。ISSは地球から約420キロはなれた軌道を周回しており、地球への帰還予定は今年9月23日。その日まで滞在すると滞在記録は1110日に達する。

これまでも宇宙に関連する世界記録は米国ではなくロシアが達成する傾向があった。1957年にスプートニク1号という世界最初の人工衛星を地球周回軌道に打ち上げたのもロシアだったし、61年にはユーリイ・ガガーリン大佐が人類初の有人宇宙飛行を行なってもいる。

ただ国際宇宙ステーションは米国とロシアが緊密に協力している数少ない国際プロジェクトの一つで、日本やヨーロッパを含めた多国籍共同プロジェクトでもあるため、このまま継続されてほしいと思う。

日本人が実感できない戦争

年が明けてから悲劇と呼べる出来事が相次いでいる。日本では大きな報道になっていないが、イエメンの反政府武装組織フーシによる商船への攻撃に対し、米英軍が報復攻撃を行っているのもその一つだ。すでに戦争と呼べるレベルで、すぐに収束するとは思えない。

「戦場」になっているのは紅海で、ここはスエズ運河を通してヨーロッパとアジアを結ぶ重要な航路であり、日本を含めた諸外国の商船はここを通過してきた。しかし戦場になってしまったいま、世界50カ国以上の商船はスエズ運河からアフリカの喜望峰を回る迂回路を使わざるをえず、コストだけでなく数週間の遅れが生じることになっている。

フーシはイスラエルを敵であると宣言している。昨年10月には、イスラエルにミサイル攻撃を行っており、「パレスチナで抑圧されている同胞を救うため」と発表した。基本的にイスラエルが攻撃をやめるまで軍事作戦を続ける意向で、ガザでの戦闘が継続される限り、フーシによる商船への攻撃は収まらないだろう。

「紅海の戦場化」により、すでに2000隻以上の商船が紅海をさけるために迂回を余儀されることになっている。今後は沈静化どころかフーシと米英軍による戦闘の激化の可能性もあり、今年はある意味で「戦争の年」になるかもしれない。

チャーリー・マンガーの軌跡

チャーリー・マンガーという人物をご存じだろうか。

11月28日に99歳で亡くなった弁護士であり投資家で、著名な投資家ウォーレン・バフェット氏が率いる投資会社バークシャー・ハサウェイの副会長を務めていた人だ。過去1週間ほど、マンガー氏についての記事がいくつものメディアに登場している。

Munger 'in love with the Xerox machine' | CNN Business
Charlie Hunger from CNN

マンガー氏がいなければ、バフェット氏の成功はなかったと言われている。というのも、バフェット氏はマンガー氏の頭脳明晰さを何十年も前から賞賛し、ほとんどの経営局面で相談を持ちかけていたからだ。バフェット氏はこう述べている。

「私はウォール街の誰とも、チャーリーと話す100分の1の時間も話をしていない」

さらにマンガー氏のことをこうも評している。

「彼は30秒の頭脳の持ち主で、世界最高レベルといっていい。というのもチャーリーはAからZまでのことを一挙にこなすことができるばかりか、あなたが文章を書き終わる前にすべての本質を見抜くことができるからだ」

ただマンガー氏の人生が最初から順風満帆だったわけではない。離婚や経済的破綻を経験したばかりか、息子が白血病にかかって9歳で他界するという憂き目にもあっている。さらに自身も白血病にかかって左目を摘出した。それでもハーバード大学ロースクールを卒業後、弁護士として不動産開発等を手がけ、45歳からは投資家として資産を築いた。

米フォーブス誌によると、総資産は 27億ドル(約3980億円 )といわれている。またひとつ、巨星が消えた。