ウクライナ、限界が近づいている?

ロシアがウクライナに軍事侵攻してから2年2カ月が経とうとしている。約1200キロにおよぶ戦線と長引く戦争により、ウクライナ側の兵力不足と弾薬不足が深刻になってきている。

ロシアによる空からの攻撃に対抗するための防空システムは特に脆弱で、ミサイルが枯渇してきているため「米国からの支援がなければロシアに勝てる可能性はない」とまでいわれている。兵士の間にもすでに戦争疲れが蔓延しており、今後数カ月がもっとも苦しい戦いになるとの見方が強い。

米連邦議会ではウクライナへの追加支援のための予算案が議論されているが、共和党右派からの執拗な反対にあっている。同法案の採決は4月20日(土)に行われる予定で、否決された場合は重い暗雲が垂れ込めることになる。

なにしろ同法案の総額は950億ドル(約14兆7000億円)という巨費であるため、下院共和党はバイデン政権がウクライナで何を達成しようとしているのか、その計画と戦略を議会に提出すべきであると主張している。この計画は、法案が署名されてから45日以内に提出されなければならない。

同法案に反対する共和党員たちは、ウクライナ戦争を終結させるための具体的な戦略がまだ示されていないとしており、成立するかどうかは予断を許さない。