問われる国連の意義

日本時間19日、ニューヨークの国連総会にウクライナのゼレンスキー大統領が登壇した。ロシアに軍事侵攻された国の代表であり、初めて訪れた国連でどういった話をするのかが注目された。

「我々は団結することで各国に平和をもたらせることができ、団結することで戦争を防止できるはずです。ロシアの欺瞞と侵略を許容してしまうと、この会場の多くが空席になるでしょう。どんな戦争も最終戦争につながりかねないのです。侵略戦争が二度と起きないように我々は団結するしかないのです」

たいへん真っ当な主張である。国連という場で、特にロシアの代表団に平和の尊さを訴えたかったに違いない。だが、皮肉にも、会場には多くの空席が目立ったばかりか、ロシアの代表団はゼレンスキー氏の演説中にスマホを見ながら談笑していた。

こんなことでいいのだろうか。国連という場が以前よりも軽視されてきているように思えてならない。同氏はこうも述べた。

「兵器化を抑制し、戦争犯罪を罰し、国外追放された人々を帰国させ、占領者は自国に戻らなければならない。私たちは団結してそれを実現しなければならない」

まさにその通りで、国連という場を最大限に利用し、国際機関としての役割を強化してロシアの蛮行を止めなくてはいけない。米国だけでなく日本政府も役割を担って、戦争防止に努める必要がある。これは机上論としてではなく、国際舞台で本当に動いてほしいと真に願う。