人生はいつからでも新たなスタートを切れる

昨日(9日)の朝日新聞夕刊にたいへん興味深い記事がでていた。元暴力団員の男性(48)が、暴力団から足を洗い、3年ほどで慶應大学合格を勝ちとったというのだ。

斎藤由則さんは神奈川県小田原市出身。5歳で両親が離婚し、母親と2人で生活をしていたが、中学くらいから非行を繰り返し、何度も補導されたあと、17歳で窃盗と傷害で少年院に入る。少年院をでてからは指定暴力団「山口組」の傘下組織に入り、「ヤーさん」の仲間入りをする。

犯罪を繰り返し、23歳時の犯罪でその後7年間も服役することになる。出所したあと久しぶりに母親と会うとやせ細っていた。「このままでいいのか」とようやく思い、ヤクザの世界から足を洗った。

そのあと新聞配達やタクシー運転手など、さまざまな仕事をしたが、自分が勉強をしてこなかったので、また「このままでいいのか」と自問し、勉強をし始めた。42歳になっていた。その時は広島市に住んでおり、同市にあるゼロから教え直すという学習塾にはいり、慶應大学をめざすと宣言。

アルファベットやかけ算から学び直した。英単語は月に1000語ずつ覚えていく。そして2018年8月に高校卒業程度認定試験に合格。1日に13〜15時間ほど勉強して、2020年春に慶應大に合格する。

周囲からは「元ヤクザが慶應なんかにいけるわけがない」と言われたが、見事に合格を勝ち取り、いまは司法試験にむけて勉強している。そしてこう述べる。

「人生はいつからでもやり直せる。決してあきらめないで」

斎藤さんのひたむきな姿勢には脱帽である。