自分への戒め

いまでもたまにグーグルの検索に自分の名前を入れて、ネット上でどう取り上げられているかをチェックすることがある。

ジャーナリストとして仕事をしている以上、ある程度名前がでてこないといけないだろうし、私が書いたり発言したりすることに対して議論が起きることは覚悟している。「堀田佳男」と入力すると、多くの画像も登場する。いまだに坊主アタマになった2016年の写真もでてくる。

ご存知の方も多いだろうが、あの時、私は「トランプ氏が勝ったら坊主になります」と断言した。坊主になるという発想は、実は自分が持ち出したわけではなく、テレビ番組のディレクターが仕掛けてきたのである。

「堀田さん、ヒラリーが負けたら坊主になるというのはどうですか?」

私はヒラリー氏が負けるとは思っていなかったので、「いいでしょう」と言って頷いた。結果はご承知のとおりである。負けた以上、自分で床屋にいって坊主になるつもりでいたが、選挙直後に呼ばれた番組ではスタジオに床屋さんが控えており、その場で髪を刈られてしまった。それについて文句はない。いい経験だった。

そのあたりから、テレビやラジオに呼んでいただく機会が増えていく。放送メディアにでると共演者に名の通った人たちがいることが多く、私はミーハーなところがあるので、一緒に写真に収まった。ただ「そうしたことに浮かれていてはいけない」との思いをいつも持っているつもりだ。

私の本業はジャーナリストとして正確な情報をいち早く伝えるということなので、主軸を忘れてはいけないと日々戒めている。

ポストコロナ、急増中の海外出張・旅行の新しい形とは

2020年初頭から蔓延している新型コロナウイルスにより、世界中で健康被害だけでなく、企業活動にも大きな影響が出ていることは言うまでもない。

企業出張という点に着目しても、コロナ前と比較すると依然として支出額は50%を下回っており、2019年の水準に戻るにはなおも時間がかかりそうだ。それでも少しずつ、各国で外に出て行く制限が緩和されて、ゆっくりとではあるが回復基調にある。

米ヴァージニア州にあるグローバル・ビジネス・トラベル協会(GBTA)が最近行った世論調査によると、回答を寄せた米企業のおよそ4分の3(74%)はいま、海外出張を認めており、今年2月は前年比で48%増を記録した。

業種によって復調のペースは違うが、予想以上にビジネス関連の出張が伸びているところもある。(続きは・・・ポストコロナ、急増中の海外出張・旅行の新しい形とは)。

字幕なしで洋画を観るまで

今週号の「週刊文春」の漫画「沢村さん家のこんな毎日」の中に、「字幕なしで英語の映画見られるようになりたい」というセリフがあった。

多くの方がそう願っていることは知っているし、このセリフがそうした方々の気持ちを代弁していることも知っている。俳優の口から速すぎると思えるほどのスピードで英語が繰り出されると、単語がところどころ聴き取れればいい方かもしれない。

私はアメリカに25年も住んでいたので、イチオウ普通に理解できるのだが、「アメリカ人と普通に会話ができるようになった」と思えたのは渡米してから2年ほどたった頃である。私は留学という形でアメリカに行ったので、渡米前にTOEFLを受けたが、テストでそれなりの点を取ることと、あらゆる局面で英語を使いこなすこととは大きな違いがあり、本当に英語を使えるようになるまでには時間がかかった。

以前、仲のよかったスウェーデン人と英語学習について話をしたことがある。彼はアメリカに来た時点で、ほとんど「アメリカ人ですか」といいたいくらいのレベルの英語を操っていた。話を聞くと、彼が特別なわけではなく、多くのスウェーデン人が彼と同じレベルの英語を話すと言った。

理由は「小学校2年から英語をやる」ということだった。しかも英語でモノを考えることが重要であると指摘した。日本の文科省も同じように小学校2年くらいから英語でモノを考える時間を作り、日本語に訳さないで会話をする授業をすれば、高校卒業するくらいには多くの人が普通に話ができるようになるのではないか。

もちろん万単位で外国人の教師を雇用することになると思うが、無駄遣いと思えるようなところに国家予算を使うのであれば、惜しくないはずだ。やってできないことではないと思っている。