出演キャンセル

明日(14日)のTBS『ゴゴスマ~GOGO!SMILE!』の出演がキャンセルになりました。

 

「明日も米朝会談ネタではもたない」というのが番組側の考えです。妥当だと思います。

それでも、昨日の首脳会談は一応「成功」と呼んでいいと思います。最初から2人が細部を詰めないことはわかったいたので、非核化の詳細が共同声明に記されていないとか、体制保証の定義があいまいという批判は、当たらないでしょう。

今後、実務者による協議が何度も行われていく中で細部が議論されていくはずです。

ただ、いきなりトップ同士の会談から始めたというのは、10階建てのビルを建てる時に基礎固めをせずに、いきなりヤグラを乗せたことに等しいです。

枠組みを置いただけでヤグラを乗せた。トランプと金正恩はこうした工法でもビルが建つことを証明しなくてはいけない。

多くの専門家は北朝鮮の完全な非核化は無理だと判断しています。昨日までは私もそう考えていました。いまでもダメになる可能性は高いと思いますが、私はうまくいく可能性もあるという見方に変わっています。

いまはその可能性に希望を託したい。未来のない話はしたくないからです。個人的には両首脳とも好みではありませんが、北朝鮮が少しでも開かれた国になっていく過程の紆余曲折であれば歓迎したいと思います。

シンガポール会談

12日に迫った南北首脳会談。主要メディアは溢れんばかりの情報を発信している。

だが日本の新聞・テレビは情報の入手が遅い。欧米メディアに数歩先を行かれている。たとえば国家安全保障担当補佐官のジョン・ボルトンが首脳会談から外されたというニュースは今日(7日)の朝日朝刊、読売朝刊にでていたが、毎日、日経はあつかっていない。

あつかったとしても7日という時点で遅すぎる。ワシントン特派員のアンテナは低すぎる。

自慢のようになって申し訳ないが、私は月曜(4日)朝、文化放送のスタジオから「ボルトンが外されている」という話をした。まだアメリカのメディアも報じる前のことである。

他の記事を読んでいても「エッ、今ごろ」、「的を得ていない」と思うことが多い。特派員の取材力の問題なのか、語学の問題なのか、その両方なのかはわからない。

ワシントンからの独自情報を総合し、見込まれる会談の中身と両首脳の思惑を記したい。

 

・トランプは北朝鮮への「最大限の圧力」という言葉を辞め、圧力を緩和したことで、短期間での核廃棄ではなく「段階的」な廃棄をあらためて金正恩に認めさせる。両者はその流れで話を進める。

・その中でトランプは完全な非核化を最終目標として掲げる。

・しかし金正恩は決して核兵器の廃棄をしない。非核化という言葉は使うが「朝鮮半島の非核化」という表現を使う。これが金正恩の大前提。

・金正恩は廃棄をしないばかりか、核兵器と核ミサイルを製造しつづける。

・準備期間が短く、いきなり両首脳が顔を合わせた会談では、どちらか、または両者が多くの要求を口にしがちになる。

・トランプは「ディールができた」と過大に吹聴するだろうが、実際は金正恩の得るものの方が大きい。中国や韓国は経済制裁を緩めてすでに貿易を拡大させている。プーチンとの会談も今年9月に実現する可能性がある。

・朝鮮戦争を終結させて平和協定の文書に署名する可能性がある。(敬称略)

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意外に知られていないチビ・マーライオン。大きいマーライオンはすぐ後ろに立っています。

米朝はどれだけ真剣か

6月12日の米朝首脳会談が取りやめになったと思ったら、すぐにトランプらしい心変わりで会談実現の流れが戻ってきた。

トランプと金正恩は世界でいま、もっとも嫌われている首脳といって差し支えないと思う。だが両氏が直接顔を合わせれば、意気投合する可能性があり、平和条約から国交樹立へ進んでいく道もないことはない。

朝鮮中央通信は27日、金正恩が文在寅と会談した後、「歴史的な朝米首脳会談に対する確固たる意志を披れきした」と記しており、少なくとも金正恩はトランプとの会談に前向きであることがわかる。

実はトランプと金正恩はこの点でブレていない。

それよりも両国高官のなかで、会談に懐疑的な人物がおり、彼らが両首脳の考え方に影響を与えているとみられる。北朝鮮では第1外務次官の金桂冠(キム・ケグァン)であり、アメリカ側は国家安全保障担当補佐官のジョン・ボルトンである。

両氏は10年以上前から互いを知っており、罵りあうことさえある。しかし、トランプと金正恩がトップとしての意思を示し、会談に前向きであれば6月12日は歴史的な日になりうる。

もちろん、「非核化」の定義が両国で違うため、政府高官による妥結点の探り合いが難しいが、トップが同じ方向を向いた以上、政府高官たちはすり合わせをしなくてはいけない。

しかし、当欄で過去何度も述べている通り、金正恩が所有している核兵器をすべて廃棄するとは考えにくい。この点で、本当の意味での「非核化」は実現できないだろう。(敬称略)

さらに遠のく拉致問題

北朝鮮に拘束されていた3人のアメリカ人が解放された。これはトランプ政権の外交手腕がいかされたことに他ならない。

それでは日本の拉致被害者はなぜ返ってこないのか。

安倍はトランプに拉致問題についても「お願い」したようだが、3人が解放されても日本人拉致被害者は帰ってくるどころか情報さえ出てきていない。

トランプだけでなく、アメリカの歴代大統領は人権問題には敏感なので、本気で拉致問題を議題にしたと思えるが、この問題はやはり当事国の日本政府、安倍が全面にでて解決しなくてはいけない。

今年4月11日、首相官邸ホームページに「米朝首脳会談の際に拉致問題が前進するよう、私が司令塔となって、全力で取り組んでまいります」発言が載った。だが安倍がほとんど何もしていないことは5月11日のフジテレビの生出演で明らかだった。

フジ側が「4月27日の南北首脳会談で、金正恩は『なぜ日本は拉致問題について直接われわれに言ってこないのか』と文在寅に言ったという。この点についてはどうですか」と質問されると、安倍はこう言った。

「これは見方によってはですね、、、それは、、応じるかもしれない、、そういう分析もできる」

まったく答えになっていない返答しかできなかった。「北京の大使館を使ってやっている」とは述べたが、金正恩に直接伝える術をもっていないことを明かした。

国交がなくともトランプはポンペオを秘密裏に平壌に派遣した。日本もそれくらいのことは最低でもしないといけない。

先日、テレビ番組で一緒になった日本の元外交官に「北朝鮮に行かれたことはありますか」と訊くと、「いくわけないじゃないですか。そんなことしたらクビですよ」と即答する。

これでは北朝鮮とパイプができるわけもない。私ですら個人で平壌に行っているのである。あらゆるルートを使えば金正恩に接触することは可能なはずだ。

1971年、ニクソン政権の安全保障問題担当補佐官だったヘンリー・キッシンジャーが国交のない北京を極秘に訪れて、米中和解の足がかりをつくったように、メディアの見えないところで秘密裏にコンタクトをとることすらしない安倍外交には落胆させられるだけである。

彼には本気で拉致問題を解決しようという気がないことの証左である。(敬称略)

核兵器を共有しませんか!?

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(2011年4月、北朝鮮側から撮った板門店。右奥の白い建物が会談が行われた平和の家)

板門店で南北首脳会談がはじまった。

午前9時半、金正恩が和やかな表情で文在寅に近づき、握手を交わした。さらに2人は手をつないで国境を行き来し、会談場所へと歩を進めていく。

これだけを眺めると、南北首脳が過去のいざこざをすべて過去へ押しやり、両国が統一に向けて歩きだしたかに見える。

統一という最終目標を重視し、そこに至る途上のデコボコや障害をすべて乗り越えるだけのエネルギーと手腕があれば、最終地点に行きつくことは可能に思える。それほど両首脳が出会ったときの表情はよかった。

時に楽観は重要である。だが、それですべてがうまくいくわけではない。北朝鮮が核兵器をすべて放棄するとは考えにくい。一度手にした「魔のオモチャ」は手放せない。核兵器こそが最後のカードであり、国家の自信につながるからだ。

仮に「核兵器は捨てません。でも文さん、われわれと共有しませんか」といった提案が金正恩から発せられたらどうするのか。

今日の会談でどこまで核兵器について語られたのか。すべてを知りたいところである。(敬称略)