シンガポール会談

12日に迫った南北首脳会談。主要メディアは溢れんばかりの情報を発信している。

だが日本の新聞・テレビは情報の入手が遅い。欧米メディアに数歩先を行かれている。たとえば国家安全保障担当補佐官のジョン・ボルトンが首脳会談から外されたというニュースは今日(7日)の朝日朝刊、読売朝刊にでていたが、毎日、日経はあつかっていない。

あつかったとしても7日という時点で遅すぎる。ワシントン特派員のアンテナは低すぎる。

自慢のようになって申し訳ないが、私は月曜(4日)朝、文化放送のスタジオから「ボルトンが外されている」という話をした。まだアメリカのメディアも報じる前のことである。

他の記事を読んでいても「エッ、今ごろ」、「的を得ていない」と思うことが多い。特派員の取材力の問題なのか、語学の問題なのか、その両方なのかはわからない。

ワシントンからの独自情報を総合し、見込まれる会談の中身と両首脳の思惑を記したい。

 

・トランプは北朝鮮への「最大限の圧力」という言葉を辞め、圧力を緩和したことで、短期間での核廃棄ではなく「段階的」な廃棄をあらためて金正恩に認めさせる。両者はその流れで話を進める。

・その中でトランプは完全な非核化を最終目標として掲げる。

・しかし金正恩は決して核兵器の廃棄をしない。非核化という言葉は使うが「朝鮮半島の非核化」という表現を使う。これが金正恩の大前提。

・金正恩は廃棄をしないばかりか、核兵器と核ミサイルを製造しつづける。

・準備期間が短く、いきなり両首脳が顔を合わせた会談では、どちらか、または両者が多くの要求を口にしがちになる。

・トランプは「ディールができた」と過大に吹聴するだろうが、実際は金正恩の得るものの方が大きい。中国や韓国は経済制裁を緩めてすでに貿易を拡大させている。プーチンとの会談も今年9月に実現する可能性がある。

・朝鮮戦争を終結させて平和協定の文書に署名する可能性がある。(敬称略)

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意外に知られていないチビ・マーライオン。大きいマーライオンはすぐ後ろに立っています。