心に残るヒトコト(2)

私は時々、自分が以前に書いた文章を読みかえす。「よくこんなことを恥ずかしげもなく書けたものだな」と思うこともあれば、「私にしてはなかなかいいことを言っている」という時もある。一応、プロの文章家として金銭をいただいてモノを書くようになってから35年が経つ。それなりに生活をしてきているので、「それなりのもの」を書いてきたと思っている。

先日、当ブログに書いた文章を読み返していると、「心に残るヒトコト」というタイトルの文章に出会った。ちょうど10年前の8月に書いたもので、私がインタビューした英国の写真家のコメントに感銘を受けて書いたものだった。今でも彼に話を聞いたあの日のことは昨日のことように思い出すことができる。

というのも、あの時の彼の言葉は今でも私の心の奥底にしっかりと張りついて残っているからだ。それは「写真家の生への姿勢」とでも呼べる言葉で、次のように述べたのである。

私が「これまでのベストショットと呼べる1枚はありますか」 と訊いた時だった。彼は次のように即答したのだ。

「まだベストショットは撮れていない(I haven’t taken my best shot yet)」

もちろん自分で「この1枚は凄い」と思えるショットもあったはずである。それまで数え切れないほど撮ってきたはずだが、彼はそれまで撮ってきた写真には満足せず、これからベストショットを撮るという心持ちでいたのだ。これこそがプロだなと思ったし、私もそういう心持ちで次の文章を書いていかなくてはいけないと思ったものである、、、さあ、イクゾー!

お気に入りのカフェ

自宅から歩いて数分のところにあるお気に入りのカフェ。店の人たちとも顔見知りで、心が和む場所だ。今日のランチはゴーヤチャンプルー。店長の女性がいう。

「堀田さん、このゴーヤは自宅で育ったもので、今朝採ってきたんです」

ごちそうさまでした!

NASAが月面に原子炉を建設へ

米政府はしばらく前から月面に原子炉を建設する計画を進めていたが、今週、ショーン・ダフィー運輸長官がその計画を公表する予定だ。いくつかのメディアが報じている。すでに明確なスケデュールが設定されているようで、今後具体的にプロジェクトが進行していくと思われる。

実は、私は2022年にNASA(米航空宇宙局)が月面に原子炉を造るかもしれないという話を聞いており、「アメリカらしい大胆なプロジェクトだなあ」と思ったが、実際にどこまで進行しているかは知らなかった。当時、月面に原子炉を建設する目的が何なのか疑問に思ったが、いろいろと調べていくと、将来、人間が月面に住むことになった時のエネルギー供給源であるとわかり、米政府はそこまで見越していたのかと驚きもした。

米国は月面での原子炉建設を居住だけでなく、火星に向かうための足がかりとしているとも知らされ、その本気モードに唸ってしまった。さらに中国との宇宙開発競争に勝つためにも、月面原子炉は実現させなくてはいけないのだという。

この件について少し調べると、今年5月8日に中国とロシアが共同で、月面に原子力発電所を建設する協定に署名していることがわかった。両国は2036年までに月面基地「国際月面研究ステーション(International Lunar Research Station: ILRS )」の建設を予定しており、ロシア製の原子炉は人間が介在しなくとも、自立的に行わる可能性が高いという。

ILRS計画にはここまでエジプトやベネズエラ、タイ、南アフリカなど17カ国が参加を表明しているが、「ジャパン」の名前は見えない。同分野では日本は後れをとった印象は免れない。

コーヒー・バッジング

コーヒー・バッジング(coffee badging)という言葉を聴いて、すぐにピンとくる方は普段からかなり英語に親しまれている方だろうと思う。バッジングという単語は「バッジ、記章」の動詞形で、記録を残すという意味である。その前にコーヒーという単語がついている。

つまり、あさ会社に出社してコーヒーだけ飲んで、出社しましたというシルシを残し、短時間で退社してしまうことをいう。ただ、そのあとまったく仕事をしないというわけではなく、リモートで自分の仕事をするのが普通である。以前とは確実に労働環境が変わってきているということだ。

coffee badgingは英語版グーグルの2025年の「new word」の一つとしても取り上げられている。最初はコロナの流行で社員の出社を禁止した企業が多かったが、そこから短時間だけ出社するようになり、それが固定化するようになってコーヒー・バッジングという言葉がうまれた。

英ガーディアン紙は「コーヒーバッジングとはコロナ後の新しい現象で、会社に顔をだして出社したことを周囲にわからせたら、できるだけ速やかに退社すること」と明記している。

これをスムーズに行える日本の組織はどれほどあるだろうか。

「ゆとりがない・・・」

このところ、日本の一般会社員に経済的なゆとりが少なく、「苦しい」という人が少なくない。収入は人によって開きがあるし、経済状況も千差万別だが、厚生労働省が発表した『2024年 国民生活基礎調査』によると、「大変苦しい」「やや苦しい」「普通」「ややゆとりがある」「大変ゆとりがある」という5段階で、「大変苦しい」「やや苦しい」と答えた人が58.9%で6割近くに達していることがわかった。

景気のいい話はいろいろな所から耳に入ってくるが、半数以上の人は仕事をしていても「ゆとりがある」といえるほど裕福な生活をおくれていないことがわかる。ちなみに国税庁が発表した『令和5年分 民間給与実態統計調査』によると、単身世帯の金融資産保有額は平均値が871万円で、中央値が100万円という数字だった。

銀行などの金融機関の口座に871万円があれば「まあまあ」と思われるかもしれないが、これは億万長者の人たちが金額をつりあげているためで、やはり100万円という中央値に着目すべきだろう。不動産があり、株の投資をしている人たちは実際にはそれほど多くないのだ。

ちなみに所得についても100万から200万円、200万円から300万円を手にしている人はそれぞれ全体の14%。300万円から400万円が13%で、合わせて41%の人は400万円以下の年間収入であることがわかる。

「貯金なんかできないよ。何とかしてくれ!」という嘆きは冗談でもなんでもなく、多くの人の本音と言えるだろう。