外を歩いていて、「もういい加減にしてくれ」と空に向かって呟いていた。お盆を過ぎたので残暑というべきなのだろうが、今日の東京は35度もあって「残った暑さ(残暑)」などではなく、いまだに「夏まっただ中」という印象である。暦の上では立秋(8月7日)も過ぎているので、秋風を期待したいところだが、頬に優しい風を受けるのは当分さきになりそうである。
地球が温暖化してきているのは、化石燃料 (石炭、石油、天然ガス)の燃焼によって 二酸化炭素(CO2)、メタン(CH4)、一酸化二窒素(N2O) などの温室効果ガスが増えたことが主な原因といわれているが、それだけではないことを知らなくてはいけない。
実は以前にも当ブログで記したのだが、アラスカ州の最北端に位置する ウトキアグヴィク (旧名バロー)を訪れた時、現地のイヌイットの人たちと話をしている時に聞かされた。
「いまから1万5000年ほど前に氷河期が終わっている。いまは間氷期だから、気温が上がるのは当たりまえ」。そしてこう訊いてきた。「イヌイットの暦って知ってるかい。1サイクルは365日じゃないんだ。氷河期のサイクルなんだよ」
気温の上昇を間氷期のせいであるとした点に超時代的な価値観をみた。環境問題の専門家は次の氷河期が訪れるのは3万年から5万年先としている人が多く、文字通り天文学的な数字であるが、イヌイットたちはそれを体感しているところが新鮮だった。
いずれまた「氷の世界」がやってくるのだろうが、今夏の暑さは「なんとかしてくれ」のレベルである。