私は以前から大相撲が好きで、場所が開かれている時は時間が許される限り、テレビで取り組みを観ている。年代的に大鵬が活躍していた時代(1971年引退)から観ているので、相撲ファンと言ってもいいかもしれないが、国技館に行って声援を送るほどではない。
いま大相撲は大変な人気で、今年1月の初場所から7月の名古屋場所まで4場所連続で入場券は完売だったという。理由の一つは訪日外国人が国技館に押し寄せているからで、場所中は1日2000人が足を運んだという。これはチケット全体の約2割にあたる。
以前から外国人の間での相撲人気は高かったが、最近は旅行会社が相撲観戦のパッケージツアーを提供しているばかりか、日本相撲協会も英語版のユーチューブチャンネルを開設しているので、さらに人気が高まっている。登録者は170カ国以上におよんでいる。ただ、外国人の間で人気は高いが、国内では問題もある。
というのも、新弟子数が減り続けているのだ。2006年以降は18年連続で年間の新弟子数が100人を下回り、2023年には新弟子がゼロの場所もあった。外国人には受けていても、日本人の若者は相撲に対して強い興味を抱けない傾向がある。考えてみれば、多くの若者の共通認識として「デブよりもスリム」が好まれるため、相撲取りの体型は「時代の逆」であることから、よほど相撲に対して強い思い入れがない限り、相撲は敬遠されてしまう。
古いしきたりを改めるだけでなく、待遇面でも幕下以下の力士にも給料を支給するなどの新しいシステムを取り入れて、日本人の若者が「ぜひ力士になりたい」と思えるような角界を作っていってほしいと思う。