ついに明るみに出た、超富裕層の脱税実態

読者の方は漠然と気づいているはずである。多くの国民が脱税をしていることを――。ただその不正行為が暴かれない限り、実態は表には出てこない。

米東部マサチューセッツ州ケンブリッジ市にある全米最大の経済研究組織「全米経済研究所(NBER)」はこのほど、「高額所得者の脱税:手口と証拠」という長文(77ページ)の論文を発表し、内外から注目を集めている。

全米経済研究所は1920年に創設された経済問題に特化したシンクタンクで、ノーベル経済学賞の受賞者35人のうち20人が同研究所の関係者であり影響力は大きい。

最初に、論文の結論から端的に述べさせていただききたい。内国歳入庁(IRS:日本の国税庁)のエコノミストと大学教授が複数年に及ぶ調査を行った結果、米富裕層は所得の20%以上を申告していないことが判明した(続きは・・・ついに明るみに出た、超富裕層の脱税実態)。

自然を崇拝する側に立ちたい

東京上野のトビカン(東京都美術館)で3月28日まで開催している「吉田博展」を観てきた。吉田博という名前を耳にしてすぐに版画家であると言える方は、かなり美術の世界に精通しているはずだ。

今回は没後70周年の展覧会で、多くの木版画は心が温まるもので、吉田が抱いた美への深い憧憬がひしひしと伝わってきて愉悦をおぼえた。吉田は明治から昭和にかけて風景画家として名を馳せた人で、特に日本の山々を描かせたら彼の右にでる人はいないくらいのテクニックと美意識をもった人である。

その吉田は生前、「私は自然を崇拝する側に立ちたい」と述べており、会場を歩いていると、その言葉が作品から表出するかのような感じがあり、本当に嬉しくなった。

今回の展覧会の図録

バイデンが記者会見で伝えたかったこと

バイデン氏がホワイトハウス入りしてから初めての記者会見を米時間25日に開いた。日本時間では夜中だったので、ネットで会見を観た。

コロナ問題から移民問題、対中政策までテーマは多岐に渡ったが、78歳のバイデン氏に対する国民の期待がクリントン氏やオバマ氏に比べると過大ではないことから、低空からスタートしている印象がある。

たとえばコロナワクチンの接種回数は、当初は就任100日で1億回という目標をかかげたが、実際はほぼ半分の時間で実現させてしまった。昨日の会見では、100日までに2億回という数字をだして、順調にワクチン接種を進めているとした。最初から2億回という数字を出さなかったことで、達成感を強調しさえした。

1973年から上院議員を務め、オバマ政権での副大統領を含めると44年間もワシントンの政界にいただけに、法案を通過させるテクニック、政策の打ち出し方、共和党議員との折衝法、メディアとのかけひき、人が思って以上に剛強で策略家であるのがバイデン氏の本性だろう。

中国に対しては、厳しい態度をみせた。

「彼ら(中国)は世界でナンバーワンの国なるという野望を抱いているだろう。世界で最も富んだ国になり、最強国になるという最終的な目標を持っているはずだ。だが私の政権下でそれは起きない。というのも米国はいま以上に成長、拡張するからだ」

習近平主席はバイデン氏の当選後、祝福の電話をしてきたという。2時間ほど話をして、中国との競争は避けられないが、全面対立は両者が求めていないことを確認しあったという。バイデン氏に期待できるのは、こうしたバランス感覚である。少なくともトランプ氏よりは安心してみていられる大統領のはずである。

今日のお宝(26):原宿どらやき

今日はユーチューブの収録があったので、原宿表参道まで行ってきました。収録後、久しぶりに表参道をプラプラとお散歩。

道路に面した半地下の和菓子屋が目にとまりました。風情があって、食指をそそられます。「原宿」と印字されたどらやきがあったので、一箱買ってきました。なかなか濃いアンコで、にんまりです。

バイデン政権の閣僚がほぼ揃う

バイデン政権が1月20日にスタートしてからほぼ2カ月がたち、ようやく閣僚が揃った。

「今ごろになって」と思われるかもしれないが、アメリカはいつの時代でもこのペースなのである。日本では新首相が誕生するとすぐに大臣の人選が行われ、新聞の一面にひな壇に並んだ大臣たちの写真が載る。だがアメリカでは11月初旬の大統領選が終わってからずいぶん時間があるにもかかわらず、各省庁の長官が連邦上院で「OKサイン(承認)」を出されるまでに時間がかかる。

国務長官や国防長官などはすぐだが、内務長官や労働長官などは政権発足後2カ月ほどして、というより「ほど経たないと」決まらない。昨日、ようやく労働長官が承認され、ボストン市長だったマーティ・ウォルシュ氏が新長官になった。

ただ、アメリカの場合は長官だけではなく、政府機関の官職(約4000)が政権交代ごとに入れ替わる。その中でも高級官職である1250人は、任命されたあとに各省長官と同じように上院での承認が必要になるため、新しい人材が要所につくまでに時間がかかるのだ。