パチンコ、パチンコ

私がパチンコに狂っていたのは10代の頃である。ちょうど電動が入荷され始めた頃で、店によってさまざまだったが、手(親指)でも打てたし電動のハンドルを回すこともできた。

自慢のようになって恐縮だが、凝り性だったこともあり、私は高校時代に中古のパチンコ台を買って自室に置いてクギの研究をした。家族は「チンジャラチンジャラうるさあああい」と言ったので、家族がいない時に打つようにした。自分のパチンコ台があると、透明のガラスを開けてクギの向きを調整し、どういった角度であれば球がよく出るかを探ることができた。

すると町のパチンコ屋にいっても負けることがなくなった。時間があれば、店員さんが「ハイ、打ち止めです」と言うまで打てるようになった。台の選定も重要だが、正確に親指を使えるようになると、10発弾くと10発同じ場所に当てることができるようになるのだ。だから学生時代はパチンコで小遣いを得ていた。もちろん、私のパチンコ収支は生涯プラスである。

だがアメリカに留学してからはパチンコとは縁が切れ、過去40年くらいやっていない。だが今日、突然パチンコ屋の自動ドアを開けた。深い意味はない。突然、やってみようと思いたっただけである。

玉の買い方がわからなかったので、店員さんに訊くことになったが、最低の購入金額が1000円(たぶん)であることに驚き、あれとあれよという間に1000円がなくなっていたことに再び驚いた。

台の中央部分がスクリーンになっていて、クギの部分は両サイドにしかないので、本当によくわからないまま終わってしまった。それでも周囲を見渡すと、数千発をだして大きなバケツに積み上げている人もいる。いまでもパチプロはいるのだろうと思うと、少しばかり懐かしくなった。もちろん再度、狂うことはないと思う・・・。