このところ、日本の一般会社員に経済的なゆとりが少なく、「苦しい」という人が少なくない。収入は人によって開きがあるし、経済状況も千差万別だが、厚生労働省が発表した『2024年 国民生活基礎調査』によると、「大変苦しい」「やや苦しい」「普通」「ややゆとりがある」「大変ゆとりがある」という5段階で、「大変苦しい」「やや苦しい」と答えた人が58.9%で6割近くに達していることがわかった。
景気のいい話はいろいろな所から耳に入ってくるが、半数以上の人は仕事をしていても「ゆとりがある」といえるほど裕福な生活をおくれていないことがわかる。ちなみに国税庁が発表した『令和5年分 民間給与実態統計調査』によると、単身世帯の金融資産保有額は平均値が871万円で、中央値が100万円という数字だった。
銀行などの金融機関の口座に871万円があれば「まあまあ」と思われるかもしれないが、これは億万長者の人たちが金額をつりあげているためで、やはり100万円という中央値に着目すべきだろう。不動産があり、株の投資をしている人たちは実際にはそれほど多くないのだ。
ちなみに所得についても100万から200万円、200万円から300万円を手にしている人はそれぞれ全体の14%。300万円から400万円が13%で、合わせて41%の人は400万円以下の年間収入であることがわかる。
「貯金なんかできないよ。何とかしてくれ!」という嘆きは冗談でもなんでもなく、多くの人の本音と言えるだろう。