米大統領選:デッドヒート  

米大統領選の投開票日(11月5日)まで残り3週間。ドナルド・トランプ氏(共和党)とカマラ・ハリス氏(民主党)は終盤になってもデッドヒートを繰り広げており、勝者を予測することはほとんど不可能といっていい。全米に割り振られた538人の選挙人の過半数(270)を奪った候補が勝つのだが、今年は269対269の互角になる可能性もささやかれており、最終盤になっても接戦が繰り広げられている。

複数の世論調査では、9月までハリス氏は支持率で数パーセントのリードを保っていたが、ここに来てわずかに人気が低下し、今はほぼ互角になっている。たとえばNBCニュースの9月の世論調査では、ハリス氏は49%でトランプ氏が44%。だが今月の数字ではハリス氏とトランプ氏は48%で並んでいる。

いくつか理由がある。一つ目は米有権者が過去数年、ほぼ同率で共和党と民主党に分断していることだ。もちろん州によって数字は違うが、全米50州をならすと共和党と民主党の支持率は「フィフティー・フィフティー」に分かれている。長い間、大統領選を追っているが、ここまでの接戦はなかったかもしれない。

二つ目は、かつては選挙資金額と得票数に強い相関関係があったが、インターネットが選挙活動に使われはじめてから、カネをいくら集めてもそれが直接勝利につながらなくなった。2016年の「ヒラリー対トランプ」の戦いが好例で、ヒラリー氏の方が2.7倍も選挙資金を集めたが、負けるのだ。それまではより多くのカネを集めた候補が勝っていたが、そうしたルールは通用しなくなった。今回もハリス氏の方がトランプ氏よりも3倍近いカネを集金しているが、支持率を見るとほぼ互角で、誰も結果を読めない。

11月5日はいったいどうなるのだろうかーー。