新聞が衰退する一因

今朝、朝日新聞の一面を読んで、少しばかり驚いた。というのも、「日本、クロアチアにPK負け 8強の壁再び」という見出しが躍っていたからだ。

クロアチアに負けた試合というのは、はるか以前に起きた出来事という印象で、今さら新聞の一面に載せる内容ではないという思いがあった。実際の試合は日本時間5日の夜中から始まっている。それを7日の朝刊に掲載しているのだ。

朝日だけではない。読売も朝刊トップで「日本惜敗 8強逃す」、毎日も「日本 8強の夢届かず」、産経は「見せた「新時代」8強迫った」といずれも一面で扱った。

新聞の購読者が減っているのはいまに始まったことではない。いくらワールドカップといえども、1日半以上前に起きた出来事を一面に掲載していては、ネットに追いつけるわけがない。これでは新聞の読者数が減るのは当たり前である。若者が新聞を読まないのはこうした理由もある。

勇気と想像力と少しのお金

人生に何が必要なのかー。

チャーリー・チャップリンは人生に必要なものを「勇気と想像力と少しのお金」と言った(All it needs is courage, imagination, and a little dough.)。

この言葉は言い当て妙で、「勇気と想像力と少しばかりのお金があれば何でもできる」ということで、本当に想像力を働かせて勇気をもって挑めば、多くのことは成し遂げられるだろう。そこにお金があればなおさらいい。

この言葉を意識している時に、アエラ誌を読んでいると小椋佳さんと大宮エリー氏との対談が目にとまった。小椋佳と言えば、東大を卒業したあと銀行マンになり、その後シンガーソングライターとして名を馳せた多才な人だ。そして50歳になってからもう1度東大に入りなおし、自分が好きなことを学び直している。

Photo from Twitter

対談では、「東大に入り直して、勉強し出したら、面白くてしょうがないんだよ、これが。昔、大嫌いだった法学がさ」と言う。そして「学生に戻ったら、授業が面白くてしょうがなくてさ、何か。授業が終わったら図書館に行って。朝一番から夜まで皆勤賞」と新しい人生を見出したと述べている。

小椋は結局、法学部を2度卒業した後、また文学部に入り直し、3度目の卒業をするのだ。さらに大学院にも進む。そして対談の最後にこうぶちかます。

「自分で戯曲を書き下ろして、自分の納得のいくミュージカルを1本作って死にたいなという希望があるんです」

やはり、人生はこうでないといけないと思うことしきりである。

予備選最初の州がサウス・カロライナに

ほとんどの日本人にとっては関係ないことかもしれないが、長年アメリカの大統領選挙を追っている私としては「ちょっとしたニュース」なのである。

というのも、2024年米大統領選の予備選で、最初に行われる州がこれまでの中部アイオワ州からサウス・カロライナ州に変更になりそうなのだ。私が大統領選を実際に取材するようになったのは1992年である。アイオワ州は1972年から全米50州の中では最初に予備選(実際はコーカス)を行ってきており、その結果が残りの州に少なからず影響を与えることから、候補たちはアイオワ州を重視してきた。

だが民主党全国委員会は24年から、サウス・カロライナ州を最初の予備選州にすることを承認したという。というのも、アイオワ州やニューハンプシャー州といったこれまで予備選の初期に行われた州の大多数の住民は白人で、有色人種からより多くの票を期待できるバイデン氏としては「勝ち」の可能性を上げたかったのだろう。

実際、アイオワ州での黒人の比率は4.3%でしかないが、サウス・カロライナ州での黒人比率は26.4%。バイデン氏は先月80歳になり、2年後の再選に本当に挑むのかどうかはまだわからないが、少なくとも勝てる環境づくりはしておこうということなのだろう。

予定では2024年2月3日がサウス・カロライナ州、6日にニューハンプシャー州とネバダ州、13日ジョージア州とつづく。個人的には、バイデン氏は退いて若くて有能な人物に任せるべきだと考えている。