予備選最初の州がサウス・カロライナに

ほとんどの日本人にとっては関係ないことかもしれないが、長年アメリカの大統領選挙を追っている私としては「ちょっとしたニュース」なのである。

というのも、2024年米大統領選の予備選で、最初に行われる州がこれまでの中部アイオワ州からサウス・カロライナ州に変更になりそうなのだ。私が大統領選を実際に取材するようになったのは1992年である。アイオワ州は1972年から全米50州の中では最初に予備選(実際はコーカス)を行ってきており、その結果が残りの州に少なからず影響を与えることから、候補たちはアイオワ州を重視してきた。

だが民主党全国委員会は24年から、サウス・カロライナ州を最初の予備選州にすることを承認したという。というのも、アイオワ州やニューハンプシャー州といったこれまで予備選の初期に行われた州の大多数の住民は白人で、有色人種からより多くの票を期待できるバイデン氏としては「勝ち」の可能性を上げたかったのだろう。

実際、アイオワ州での黒人の比率は4.3%でしかないが、サウス・カロライナ州での黒人比率は26.4%。バイデン氏は先月80歳になり、2年後の再選に本当に挑むのかどうかはまだわからないが、少なくとも勝てる環境づくりはしておこうということなのだろう。

予定では2024年2月3日がサウス・カロライナ州、6日にニューハンプシャー州とネバダ州、13日ジョージア州とつづく。個人的には、バイデン氏は退いて若くて有能な人物に任せるべきだと考えている。