ウクライナ侵攻はあるのか

今朝、日本外国特派員協会のワークルームで仕事をしていると、ヨーロッパ出身の記者が私のデスクにやってきて、ウクライナ情勢の話をはじめた。最近は、記者が集まればすぐにウクライナの話になる。いまは大手メディアの報道だけでなく、ネットニュースや個人が運営するサイトでも信憑性のある報道があるので、情報は溢れんばかりである。その記者は、以前から戦争にはならないとの見方をしており、今朝も意見は変わっていなかった。

「プーチンが本当に戦争をするつもりなら、すでに戦争をしかけていたはずだ。なぜここまで待つ必要があるんだ。もう2月中旬だ。多くのメディアはすぐにでも戦争が始まるかのような報道をしているが、チャンチャラおかしい」

そう言ったあとにヒト呼吸おいて、こう言った。

「ゼレンスキーもプーチンも、テーブルの下ですでに話をまとめているはずだ。その話は表には出てこないが、国のトップはこれからどうするかをすでに決めている。それが国際政治というものだ。誰が何をゲットして、何を失うかは前もって決まっている」

国際政治を数十年も取材している記者らしい、自信に満ちた口調だった。それだけに言説には説得力があるが、「もしロシアが侵攻したらどうする」と私が問うと、「まあその時はその時だな」と平然と答えている。

戦争になれば得をする(利益を得る)者がいるから戦争をしかけるわけで、大多数の市民が戦争の犠牲者になるという事実は人類がはじまってから変わっていない。

40年モノ

何が「40年モノ」かといえば、下の目覚まし時計である。

私はこの時計を40年も使いつづけている。というのも、いまは亡き母が1982年、私がアメリカに留学にでる時にもたせてくれた品なのだ。以来、ずっと枕元に置いてある。

すでに外枠の白い部分は黄ばんでいるが、愛着のある時計なので新しいものに買い替えようとは思わない。しかも正確なのだ。40年がたっても遅れたり進んだりということがないので、時間を微調整した記憶はない。電池の交換も数年に1回でいいので、さすが「セイコー」と言わざるをえない。

どこまで動きつづけるのか。私の寿命がさきに来てしまいそうである。

FBI長官がかつてない危機と語る中国スパイ活動の手口

10万人規模のロシア軍がウクライナ国境付近に集結し、「ウクライナ侵攻」は時間の問題との見方が浮上している。

世界中の眼がウクライナに注がれている中で、米連邦捜査局(FBI)のクリストファー・レイ長官は米メディアとのインタビューで、全く別次元の話に触れた。それは中国によるスパイ活動の脅威だ。

世間の目はいまウクライナに向いているが、中国による執拗なまでのスパイ行為は警戒しなくてはいけないと同長官は強調する。

「中国共産党が、米国の経済安全保障に対する最大の脅威であると考えている。中国ほど米国の新しいアイデアやイノベーションに対して、広範で深刻な脅威をもたらしている国はない」(続きは・・・FBI長官がかつてない危機と語る中国スパイ活動の手口

バレンタイン・パワー

バレンタインデーが近づいてきた。

すでにご存知の方も多いと思うが、アメリカではバレンタインデーに男性が女性にチョコレートや花束などを贈ることが一般的だ。日本と同じように女性が贈ることもあり、愛情を表現する日と捉えられている。

私はアメリカに25年もいたので、日本に戻ってきてからもチョコを贈り続けている(妻に)。アメリカと違うのは、チョコレートの種類と店舗の多さである。先日、池袋西武7階に特設されたチョコレート販売会場「Chocolate Paradise」に行ってきた。

驚いたのは100店舗近いチョコレート屋さんが出店していたことだ。目移りして、自分が何を選んだらいいのかわからなくなる。最近は男性から女性にという流れが日本でも見られると聞いていたが、周囲にいたお客さんの9割は女性で、多少戸惑いながらチョコをゲットしてきた。

「オジさんでもアリ」のはずである。

アッパレ羽生

五輪3連覇を目指していた羽生結弦がメダルを逃した。ショート・プログラムの時、冒頭の4回転サルコーで穴に乗っかったことで満足に飛べず、大きな減点になった。「フリーで挽回できるのでは」と多くの人は期待した。私もその1人だった。

10日のフリーの演技の冒頭で勝負の4回転アクセルを跳んだが、綺麗に着氷できず、結果は4位に終わった。

実は私は以前から羽生が「ニガテ」だった。「あまり好きではない」と言った方がいいかもしれない。仕事で羽生を取材したことはないが、テレビを含むメディア報道からつたわる言動から、積極的に応援したいと思ったことはなかった。しかし今回、ショート・プログラムの後、「アッパレ羽生」といえる羽生の言動をみた。

まず成功したことのない4回転アクセルを五輪という晴れ舞台でやり遂げるという意気込みを強く感じた。これまでの経験から、本人も失敗する可能性の方がはるかに高いことを知っていたはずである。失敗すればメダルは望めない。けれども、アクセルを飛ぶことに意義を見出し、挑戦しつづける姿勢こそが自分らしさであるという判断のもと、果敢に挑戦し続けた。

試合後、荒川静香のインタビューで「いやあ、正直悔しいですよ」と本音を漏らしたあと、「もう右足の感覚ない状態でやっていましたけど、でもだからこそ出来たのかなって思いますし、本当に体のケアも含めて色々な方に力を頂いてそしてたぶん色々神様にもお力を頂いて、やっと僕のあの演技があったと思うので、本当みなさんに感謝したい」とコメントしたのだ。これには胸を打たれた。

いまはこれからも滑り続けて、世界最初の4回転アクセル成功者になってほしいと思う。(敬称略)