「これは地政学的なゲームだ!」

2月2日午前11時半、東京丸の内にある外国特派員協会に現れたミハイル・ガルージン駐日ロシア大使。

記者会見でのテーマはもちろんウクライナ情勢である。ロシア側の見解を直接、ロシア人から聞いておくことは重要である。1時間の予定だった記者会見は30分も延長して行われた。

大使であるので、現在のロシアの政治的立場を擁護し、危機的になりつつあるウクライナ情勢は「米国とNATOによって生みだされている」と語気を強め、米国非難を繰り返した。

さらに米国については「自分なりの外交政策を推し進めているだけ。本当の意味での外交というものを忘れている。相手(ロシア)を威嚇し、制裁をちらつかせている」と米国を責めた。そして「これは外交とは言えない」とまで言った。

さらに何度か繰り返したフレーズは「ロシア側から戦争をしかけることはない」という言葉だった。外交上、敬意をもって相手国と接しなければいけないとも述べ、それを米国に伝えたいと口にした。

ここに見られる態度は「悪いのはオマエで、自分たちは悪くない」というものである。それであれば、なぜ10万人規模のロシア軍をウクライナ国境付近に集結させているのか。

「10万人という数字が報道されているが、ロシア側から言ったことはない」

米国やNATOが常に正しいわけではないが、ロシア側にも自省が必要であり、「ロシア側から戦争をしかけることはない」という言葉が本当であることを願いたい。