今年1月、以前にもまして涙もろくなってきているというブログを書いた(またしても涙)。その傾向は今も変わらず、むしろさらにウルウルきやすくなっているようにも思える。
昨晩、NHKのBSで『E.T.』を放映していたので、「泣くなあ」と思いながらも最後まで観てしまった。予感どおり、最後の別れのシーンでは涙がとまらなかった。妻は「目が腫れて明日大変なことになるから」と、途中から観るのを止めた。
観終わって、あらためて監督スティーブン・スピルバーグの英知と手腕に感心させられた。脚本を書いたのはメリッサ・マシスンという女性で、以前、俳優ハリソン・フォードと結婚していた人だ。E.T.の脚本を手がけることになったきっかけは、スピルバーグがアフリカのチュニジアで『レイダース・うしなわれたアーク』を撮影していた時だという。
マシスンは同映画に出演していたフォードに会うために同国を訪れており、その時にスピルバーグと話をしたという。そこでスピルバーグは「何でも話せる友人がほしいんだよね。僕のわからないことにすべて答えてくれるような」と言いながら、脚本家のマシスンにE.T.の構想を話している。
それはマシスンに脚本を書くようにという指示だった。そのあと彼女はE.T.の脚本を8週間で書き上げる。残念ながらマシスンはすでにガンで他界しているが、以前メディアに執筆時のことを語っている。
「書いている時から感動してしまって、最後のページではもう目に涙がいっぱいでした。ただ自分が書いたものに感動しても、映画を観てくれる方が同じように感動してくれるかはわからなかった」
もちろん杞憂に終わるわけだが、スピルバーグは以前、「僕は人と人のつながりを描くために映画監督になったのです」と語っていて、E.T.は宇宙人であっても絆の素晴らしさと何でも話せる友人を描いた点で卓絶した作品になった。
今度はいつ、大泣きするのだろうか。