カニエ・ウェストはどこまで本気か:2020年米大統領選(35)

世界一のラッパーといわれるカニエ・ウェスト氏(43・Kanye West)が米独立記念日の4日、ツイッターで大統領選への出馬を表明した。

文面を読む限り真剣に出馬を考えているように見うけられるし、ドナルド・トランプ大統領に「あと4年任せるわけにはいかない」とのメッセージが内包されているようにも思える。

実は、ウェスト氏は突発的に大統領選への出馬を表明したわけではない。というのも2015年、公共の場で2020年大統領選にでたいと述べたことがあり、何も驚くべきことではない。35歳以上のアメリカ人であれば、誰にでも出馬する権利はある。

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ましてやトランプ人気が下落し、対抗馬のジョー・バイデン候補の全米レベルの支持も圧倒的と言えるまでにはいたっていない。いわば「つまらない選挙」の年なので、若者から圧倒的な支持を集められそうなウェスト氏が加われば、選挙への関心が高まるし、多くの票が集まることが予想される。

すでに民主・共和両党の予備選はほとんど終わっているため、両党からの出馬はない。あとは独立候補としての道を歩むことになる。ウェスト氏が本気ならば、各州で署名活動を行って投票用紙に名前を載せなくてはいけない。氏の総資産は13億ドル(約1400億円)と言われており、献金活動をしなくとも11月まで戦うだけの資金はある。

政治家としての経験がないので、有能な参謀を集めて高質な政策を打ち出さなくてはいけない。政治的リーダーシップも問われるし、本人の本気度がすぐに問われるだろう。今回のニュースが単なる話題づくりだけで終わらないことを祈りたい。