三浦春馬氏の訃報

今日(18日)の夕方、俳優の三浦春馬氏が亡くなったというニュースが流れた。「自殺らしい」との話を聞き、「いったい何故」という言葉が口を衝いてでた。

歌って踊れて芝居もできる若手俳優として、自分の思うように仕事ができていたと思っていたので、自殺は解せなかった。本人は世間の人間が想像できない領域で深い悩みを抱えていたのかもしれないが、現時点でこれ以上のことを述べると邪推になってしまうので触れないでおく。

ただ個人的に、ある偶然が起きた。訃報を耳にしてから数十分後くらいのことだ。電車に乗ってすぐ、私はバッグから文庫本を取りだしていた。過去何年も読んでいなかった東野圭吾氏の小説で、今春出版された『素敵な日本人』という本だ。

短編集で、2作目の「十年目のバレンタインデー」という小説を読んでいると、「部屋で首を吊った」という言葉が目に飛びこんできたのだ。訃報の直後だっただけに、あまりの偶然に少しばかり驚いた。小説なので自殺や殺人はいくらでも起きるが、予期していなかっただけに目を見開いた。そして小説内での自殺の原因が気になった。

短編だったので、目的地に着く直前になぜ登場人物が自殺したかがわかった。死んだのは主人公が以前につき合っていた女性で、自殺と思われていたが、実は主人公が自殺に見せかけた殺人を犯していたのだ。

「イヤー、これはない。フィクションとノンフィクションを混同してはいけない」

自分ではそう言いきかせたのだが、小説のような展開はないのか・・・