今朝、ネットでワシントン・ポストを読んでいると、アメリカの首都ワシントンでコロナによって大打撃を受けている企業の記事がでていた。社長さんが「どうしようもなくマズイ」と2度、記者に述べている。
コロナで影響を受けている業種は外食から小売、自動車にいたるまで他分野にわたるが、そのなかでも観光はどの国でも大減収に見舞われている。ワシントン・ポストが取り上げたのは、観光バスを70台も所有する「DCトレイルズ」というバス会社だった。昨年は約140万人の乗客を乗せている。
だがコロナが蔓延しはじめた3月からキャンセルがつづき、減収に見まわれている。すでに約200人の社員を解雇したが、今後会社を存続できるかどうかはわからないと社長は不安気だ。全米には約3000のバス会社があるが、多くは中小で、約90%が稼働していないという。
ワシントン・ポストの情報によると、アメリカ国内でバス(観光・市内)を利用する人は年間約6億人。飛行機の利用者が約7億人なので、バスを利用する人もたいへん多いことがわかる。ただ、今回のコロナ禍によって航空会社や鉄道会社は政府から多額の助成金や援助資金を受けとるが、バス会社はカヤの外であるという。
全米バス協会という団体があり、毎日のように連邦議会の政治家に陳情し、補助金を要請しているが、今後の補正予算のなかにバス会社救済の条項が含まれるかどうかはまだわかっていない。大げさな言い方をすれば、アメリカのバス文化の存続がかかっているだけに是非とも政府は公的資金を投入すべきである。