ついに対中強硬姿勢一色に染まった米国

「トランプ政権下で、米国はようやく中国共産党の行為が脅威であることに目覚めました」

日本のメディアでは大きく報道されていないが、トランプ政権の国家安全保障担当補佐官ロバート・オブライエン氏が6月24日、アリゾナ州フェニックス市での講演で、冒頭の発言をしたのだ。

from Twitter

これだけでは全体像が明確ではないので補足させていただきたい。

米国は中国と国交正常化を果たした1979年以来、一貫して中国には「関与政策」を採用してきた。

共産党が政権を握っている国ではあるが、米国が他分野にわたって交流を深めれば、中国は世界の中で責任ある国家として、民主化に向かうはずであるとの考え方であったからだ(続きは・・・ついに対中強硬姿勢一色に染まった米国)。

孤独の時代

数日前、米誌『タイム』を読んでいると「孤独という疫病」という興味深い記事があった。

新型コロナウイルスの蔓延によって在宅の人が増え、一人暮らしの人にとっては必然的に人と会う時間が減り、以前よりも孤独を感じる人が増えているという内容だった。しかもアメリカでは年を追うごとに独身者の割合が増えており、家族がいなければ孤独感に襲われる割合は高くなる傾向がある。

記事の冒頭で、41歳の女性教師の話がでていた。ミズーリ州に住むHさんは離婚を経験し、今は一人暮らしだ。子どもはいない。コロナの前はひとり暮らしを満喫し、自分の時間を自由に使える気楽さに喜びを感じていた。ところがコロナによって人との接触が減り、夜間ひとりでいる時にどうしようもない孤独感に苛まされるようになった。

「笑顔でいる日もありますが、クッションを抱きかかえて、この状態が長く続いたらメンタル的にもつだろうか、あと1年、いや数ヶ月いけるだろうか」

いまアメリカ人でひとり暮らしをしている人は3570万ほどいる。また「孤独感を以前よりも感じていますか」という質問に「ハイ」と答えた人は61%にのぼっている。アメリカ人の一般的な印象は「おしゃべり好き」で「陽気」で「快活」というものかもしれないが、実は以前から孤独に悩む人は少なくなかった。内面は意外に脆く、精神科医にかかっている人も多い。

1971年に桐島洋子氏が「淋しいアメリカ人」を著して大宅壮一ノンフィクション賞を獲った時代から、実は孤独な人が多いことは知られていた。ただ過去数カ月、コロナによって孤独感を募らせている人が増えたことは事実のようだ。

タイムの記事では最後に、コロナを利用して孤独というものをもっとオープンに語れるようになればいいと結んでいたが、孤独というものを理知的に理解しても本質的な孤独感は解消できないだろう。それよりも、実質的な人との触れ合いの時間をもつことこそが重要で、これはほとんどの方がすでに承知していることでもある。あとは本人がどう動くかにかかっている。

思わずクスッ

今朝、パソコンのスイッチをいれると友人や知り合いからバースデー・メッセージが届いていた。今日は私のバースデー!

ワシントン時代の仕事仲間からのものもあった。ボブ・Sは人を笑わせることを生きがいにしているような男性で、ユーモアという引き出しを体中にいくつも持っているような人だ。

今朝のフェイスブックにはこういうストーリーがでていた。

「妻から買い物を頼まれて食料品店まで来たんだけど、何を頼まれたか忘れちゃったんだよね。だから代わりにこの車を買っちゃった!」

これは彼らしいジョークで、ずいぶん前から買うつもりだったのだろうと思う。もしかしたら本当に買い物のついでにディーラーに寄って買ってしまったのかもしれない。愉快なのは、奥さんが彼の車購入を知ってからのフェイスブックへの書き込みだ。

「本当に買い物を頼んでよかったわ!」と皮肉ってから、「さあ今すぐその車に乗り込んで、私が頼んだ品物を買ってきてちょうだい」と書くのだ。二人はいったいどこまで本気なのか?

これはもう第2波:新型コロナ(21)

第2波というのは日本の話ではない。また海の向こうの話で恐縮だが、アメリカでは今でもコロナウイルスに感染する人が増えている。

全米での新規感染者数は5月、1日2万人前後を推移していたが、6月に入ってから少しずつ増えはじめ、18日は2万2700人を超えた。減少していくかに思われていたが、流れは逆に向いている。アメリカの人口が日本のおよそ3倍であることを考えても多すぎると言わざるを得ない。

その中でも増加率が際立っているのがフロリダ州である。

from Whikipedia

上のグラフは今年5月下旬からのフロリダ州での新規患者数を表したものである。5月中は1日500人から1000人ほどだったが、今週からは1日2000人を超えてきている。3月からの推移がわかるグラフも示したい

from the Johns Hopkins University

3月下旬から4月にかけて第1波がきたあと、感染は徐々に収束するかに思われたが、6月に入ってから急増した。これまで感染者が多かったニューヨーク州などでは見られない現象で、確実に第2波がフロリダを襲っていると指摘できる。

いったいフロリダ州で何が起きているのか。現地で取材していないので伝聞の情報でしかないが、いくつか理由がわかっている。1つはウイルス検査の実数が増えているということだ。感染の疑いがある人はもちろん、無症状の人たちへの検査を積極的に行っているため、潜在的感染者が確認されている。

2つ目は5月25日のメモリアルデー(祝日)を境に、コロナへの警戒が溶けはじめ、集会やパーティに参加する人たちが増えたことが挙げられる。潜伏期があるため、感染後すぐには症状があらわれず、最近になって感染者の急増が数字にでている。

3つ目はフロリダらしい理由だ。同地はいまスイカの収穫期を迎えている。スイカを収穫するのはほとんどが中南米系の人たちで、彼らの感染率が極めて高いのだ。ある場所で225人にウイルス検査をすると、感染率は37%という数字だった。

彼らはすし詰め状態のバスに乗ってスイカ畑にいき、帰りも同じような状況で帰ってくる。1人が感染していると、すぐに広まってしまう。しかも彼らは少しくらいの熱と咳では仕事を休まないので、またたく間に広まったようだ。

日本とでは状況が違うが、1と2に関しては日本でも十分に注意が必要だろう。さらに今後、海外との往来が再開された時には日本にも第2波がくる可能性がある。コロナとの戦いはまだまだ継続中ということである。