第2波というのは日本の話ではない。また海の向こうの話で恐縮だが、アメリカでは今でもコロナウイルスに感染する人が増えている。
全米での新規感染者数は5月、1日2万人前後を推移していたが、6月に入ってから少しずつ増えはじめ、18日は2万2700人を超えた。減少していくかに思われていたが、流れは逆に向いている。アメリカの人口が日本のおよそ3倍であることを考えても多すぎると言わざるを得ない。
その中でも増加率が際立っているのがフロリダ州である。
上のグラフは今年5月下旬からのフロリダ州での新規患者数を表したものである。5月中は1日500人から1000人ほどだったが、今週からは1日2000人を超えてきている。3月からの推移がわかるグラフも示したい
3月下旬から4月にかけて第1波がきたあと、感染は徐々に収束するかに思われたが、6月に入ってから急増した。これまで感染者が多かったニューヨーク州などでは見られない現象で、確実に第2波がフロリダを襲っていると指摘できる。
いったいフロリダ州で何が起きているのか。現地で取材していないので伝聞の情報でしかないが、いくつか理由がわかっている。1つはウイルス検査の実数が増えているということだ。感染の疑いがある人はもちろん、無症状の人たちへの検査を積極的に行っているため、潜在的感染者が確認されている。
2つ目は5月25日のメモリアルデー(祝日)を境に、コロナへの警戒が溶けはじめ、集会やパーティに参加する人たちが増えたことが挙げられる。潜伏期があるため、感染後すぐには症状があらわれず、最近になって感染者の急増が数字にでている。
3つ目はフロリダらしい理由だ。同地はいまスイカの収穫期を迎えている。スイカを収穫するのはほとんどが中南米系の人たちで、彼らの感染率が極めて高いのだ。ある場所で225人にウイルス検査をすると、感染率は37%という数字だった。
彼らはすし詰め状態のバスに乗ってスイカ畑にいき、帰りも同じような状況で帰ってくる。1人が感染していると、すぐに広まってしまう。しかも彼らは少しくらいの熱と咳では仕事を休まないので、またたく間に広まったようだ。
日本とでは状況が違うが、1と2に関しては日本でも十分に注意が必要だろう。さらに今後、海外との往来が再開された時には日本にも第2波がくる可能性がある。コロナとの戦いはまだまだ継続中ということである。