2020年、急速に高まる北朝鮮の脅威

12月初旬、北朝鮮の金正恩委員長はドナルド・トランプ大統領(以下トランプ)にクリスマス・プレゼントを贈るとしていたが、米時間25日を過ぎても米国側には何も届かなかった。

トランプはフロリダ州の別荘で、「ミサイルテストかもしれないし、美しい花瓶を贈ってくるかもしれない」とテレビカメラの前で余裕の笑みを浮かべたが、実際は胸をなでおろしていたかもしれない。

というのも米軍関係者の間では、北朝鮮の長距離弾道ミサイル(ICBM)が米国に向けて発射される可能性が取り沙汰されていたからだ。

地球観測衛星を手がけている米企業プラネット・ラボは今月、北朝鮮北西部の平城市に新たな長距離弾道ミサイルの生産関連工場が完成していると解析。ミサイルの移動式発射装置も確認していた(続きは・・・2020年、急速に高まる北朝鮮の脅威)。

2020年の男女平等

CNNが昨日、80年代に起きたアメリカのニュースを特集していた。その中に興味深い事件があった。

3大ネットワークの系列局でニュース番組のアンカーを務めていた女性が降格させられたというのだ。世界を揺るがす大事件ではないが、クリスティン・クラフトさんという女性キャスターが番組を降ろされた理由が「40代にさしかかって歳を感じさせるし、もう魅力的ではない。男性に追従してもいない」というものだった。1981年のことである。

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テレビカメラの前に立つ女性は「若くて美しくあるべき」という暗黙の了解が守られていないというのだ。いや、暗黙の了解などではなく、その時はアメリカらしく、理由が彼女に伝えられている。

日本ではいまだに理由を告げられないまま、暗黙の了解によってさまざまな分野で姿を消す女性がいるかと思う。「日本社会にいるんだから、理由くらい察しろよ」といったところだろう。

なぜ事件と呼べるのか。ほぼ40年前のことだが、クラフトさんは黙っていなかった。はっきり理由を告げられたこともあり、テレビ局を訴えた。実際はテレビ局ではなくメトロメディアという制作会社を訴えるのだが、裁判で陪審員はクラフトさんに50万ドル(約5400万円)の損害賠償金を支払うべきと判断する。だが連邦裁判事は陪審員の評決に納得せず、再審を求める。

2度目の裁判でも陪審員たちはクラフトさんに味方して、会社側に50万ドルの支払いを命じ、今度は判事も認めた。だがメトロメディアが控訴する。結局、この裁判は最高裁までいき、最終的にクラフトさんの訴えは却下されてしまう。

今月18日、世界の男女平等ランキングというものが発表された。そこで日本は121位という結果で、惨憺たるものだった。順位は前回よりも下がっている。1位がアイスランド、2位ノルウェー、3位フィンランドという北欧が上位を独占する中、アメリカは53位という位置にいる。男女平等が叫ばれている国なのでもっと上位かと思いきや、意外にも低い順位である。

男女の差というのは肉体的な違いこそあるが、社会的地位は平等であるべきというより、平等でなくてはならず、アメリカのみならず日本のていたらくは嘆かわしい。すでに2020年である。女性の頑張りもそうだが、いかに男たちが女性を受け入れるかにかかっている。ここぞという時の判断はもちろん、日々のなにげない言動がことさら重要であることは言うまでもない。

サンタクロースへの願い

今朝、ネット上でアメリカのニュースを読んでいると、ホッとさせられる記事にであった。ペンシルバニア州で郵便局員をしているメリッサ・スティンツマンさんという人が実際に体験した話だった。

from Youtube

アメリカではクリスマス前になると、多くの子どもたちがサンタクロースに手紙を書く。願い事を書いて、実際に切手を貼ってポストに投函するのだが、その宛先が「ノースポール(北極)」なのだ。もちろん北極に届くことはなく、郵便局が「ノースポール」宛の手紙を開封して、クリスマスカードを返送したりする。

スティンツマンさんは1通の手紙に感銘を受けた。それは9歳の男の子が書いたものだった。彼の願いは8項目あり、スマホがほしい、レゴがほしい、トランポリンがほしいといった小学生らしい項目が並んでいた。最後のほうに星印がついた願いがあった。

星印は「絶対にほしいもの」との注がつけられている。それは「家族の食べ物」と「家族の洋服」であった。文面を読んで、スティンツマンさんは目がしらが熱くなった。そして願いを叶えてあげようと考える。

彼女自身、郵便局員として富裕層にいるわけではなかったが、50ドル(約5400円)を男の子に送ることにした。さらに一般の人たちから寄付を募ると、500ドルほどが集まった。ただ、男の子が書いた手紙には名前こそあったが住所が記されていない。そこで郵便局の情報網を駆使して家を探しあて、集められた募金を自ら届けた。

質素な佇まいの家だった。玄関をノックすると男の子の母親がでてきた。スティンツマンさんが事情を説明してお金を渡すと、「夢のようです。現実とは思えないことが本当に起こるものなのですね」と茫然と立ち尽くしていたという。

久しぶりの善談に心が救われた。

はりがねで!

いきなり「はりがねで!」では何のことなのか、誰もわからないかと思う。ただラーメン店での会話というと、ピンとくる方がいるのではないだろうか。

今日のランチは何にしようかと繁華街を歩いている時、「博多ラーメン」という看板が目にとまった。久しく博多ラーメンを食べていない。「長浜や」というよく目にする店名もついている。

ガラガラと引き戸をあけた。食券販売機でチケットを買い、カウンターの奥の席に座ると店員さんがすぐに食券をとりにきた。麺の硬さを選べるという。

「硬めでお願いします」

そう言ったあと、厨房の上に貼られている麺の硬さの張り紙が眼にとまる。いちばん硬いのが「こなおとし」で、茹で時間3秒。3秒である。ほとんど生である。

続いて「はりがね」「バリかた」「かため」「ふつう」「やわらかめ」と続いている。私はすぐに厨房の中にいた白いタオルを頭にまいた店員さんに、「茹で時間を変えるのって、まだ間に合いますか」と訊いた。

「大丈夫っすよ」

「それじゃあ、はりがねで」

「ハイッ、はりがね一丁!」

熟考せずに瞬間的に「はりがね」が口から飛び出していた。ちなみに、はりがねの茹で時間は10秒、以下バリかた20秒、かため30秒、ふつう40秒、やわらかめが90秒だった。

そんなに短い時間で大丈夫なのだろうかと思っていると、カウンターのところに博多ラーメンは茹で時間が短いとの説明があった。それにしても3秒とか10秒でいいということは、茹でないでそのままスープに入れてもOKという意味でもある。

「はりがね」が眼の前に置かれるまで時間はかからなかった。せっかく上から2番目を注文したのだ。伸びないうちにはりがねを口に入れないといけない。普段は最初にスープを飲むのだが、すぐに割り箸をわってスルスルとすすった。

かなり硬いが食べられないほどではないし、芯が残っているわけではない。パスタの茹で時間が少ないと中に白い芯が残ることがあるが、最初から芯にあたるものがないのだろうと思う。硬め好きの人にとっては耐え難いほどの心地よさである。口の中に心地よい抵抗感が広がって、、「ンーーーいい!」で一気に食した。

また来てしまいそうである。

伊藤詩織に説得力あり

19日午後、東京丸の内にある日本外国特派員協会で伊藤詩織と山口敬之の記者会見が別々に行われた(インターバル1時間)。

山口は「犯罪は犯していない」と性犯罪を否定。合意のもとでの性行為だったと主張したと同時に、同席した弁護士も「彼はレイプ犯ではない」と述べた。さらに伊藤のことを「ウソつきだと思う」と被害者を逆に攻める一幕もあった。

「ウソつきだ」という理由は、伊藤が出版した「ブラックボックス」という書籍の内容と医師の診断書、またこれまでの言説に不一致な部分があるからだと言った。

だが山口が自分の泊っていた都内のホテルに酩酊状態の伊藤をつれていったことは事実であり、意識のなくなった伊藤と性行為したことは疑いようのない事実である。山口は合意があったとしているが、伊藤は会見で「(性交中の)痛みで起きた」と述べており、ここに合意が形成された経緯はみられない。

性行為は密室でのことだが、2人合わせて2時間強の会見を聞く限り、勝訴した伊藤により説得力があるように思える。山口は自分のしたことは違法ではないとの態度を貫いているが、「よくもまあシャーシャーと」というのが会見後に去来した思いである。(敬称略)