伊藤詩織に説得力あり

19日午後、東京丸の内にある日本外国特派員協会で伊藤詩織と山口敬之の記者会見が別々に行われた(インターバル1時間)。

山口は「犯罪は犯していない」と性犯罪を否定。合意のもとでの性行為だったと主張したと同時に、同席した弁護士も「彼はレイプ犯ではない」と述べた。さらに伊藤のことを「ウソつきだと思う」と被害者を逆に攻める一幕もあった。

「ウソつきだ」という理由は、伊藤が出版した「ブラックボックス」という書籍の内容と医師の診断書、またこれまでの言説に不一致な部分があるからだと言った。

だが山口が自分の泊っていた都内のホテルに酩酊状態の伊藤をつれていったことは事実であり、意識のなくなった伊藤と性行為したことは疑いようのない事実である。山口は合意があったとしているが、伊藤は会見で「(性交中の)痛みで起きた」と述べており、ここに合意が形成された経緯はみられない。

性行為は密室でのことだが、2人合わせて2時間強の会見を聞く限り、勝訴した伊藤により説得力があるように思える。山口は自分のしたことは違法ではないとの態度を貫いているが、「よくもまあシャーシャーと」というのが会見後に去来した思いである。(敬称略)