サンタクロースへの願い

今朝、ネット上でアメリカのニュースを読んでいると、ホッとさせられる記事にであった。ペンシルバニア州で郵便局員をしているメリッサ・スティンツマンさんという人が実際に体験した話だった。

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アメリカではクリスマス前になると、多くの子どもたちがサンタクロースに手紙を書く。願い事を書いて、実際に切手を貼ってポストに投函するのだが、その宛先が「ノースポール(北極)」なのだ。もちろん北極に届くことはなく、郵便局が「ノースポール」宛の手紙を開封して、クリスマスカードを返送したりする。

スティンツマンさんは1通の手紙に感銘を受けた。それは9歳の男の子が書いたものだった。彼の願いは8項目あり、スマホがほしい、レゴがほしい、トランポリンがほしいといった小学生らしい項目が並んでいた。最後のほうに星印がついた願いがあった。

星印は「絶対にほしいもの」との注がつけられている。それは「家族の食べ物」と「家族の洋服」であった。文面を読んで、スティンツマンさんは目がしらが熱くなった。そして願いを叶えてあげようと考える。

彼女自身、郵便局員として富裕層にいるわけではなかったが、50ドル(約5400円)を男の子に送ることにした。さらに一般の人たちから寄付を募ると、500ドルほどが集まった。ただ、男の子が書いた手紙には名前こそあったが住所が記されていない。そこで郵便局の情報網を駆使して家を探しあて、集められた募金を自ら届けた。

質素な佇まいの家だった。玄関をノックすると男の子の母親がでてきた。スティンツマンさんが事情を説明してお金を渡すと、「夢のようです。現実とは思えないことが本当に起こるものなのですね」と茫然と立ち尽くしていたという。

久しぶりの善談に心が救われた。