これはもう第2波:新型コロナ(22)

第2波というのは日本の話ではない。また海の向こうの話で恐縮だが、アメリカでは今でもコロナウイルスに感染する人が増えている。

全米での新規感染者数は5月、1日2万人前後を推移していたが、6月に入ってから少しずつ増えはじめ、18日は2万2700人を超えた。減少していくかに思われていたが、流れは逆に向いている。アメリカの人口が日本のおよそ3倍であることを考えても多すぎると言わざるを得ない。

その中でも増加率が際立っているのがフロリダ州である。

from Whikipedia

上のグラフは今年5月下旬からのフロリダ州での新規患者数を表したものである。5月中は1日500人から1000人ほどだったが、今週からは1日2000人を超えてきている。3月からの推移がわかるグラフも示したい

from the Johns Hopkins University

3月下旬から4月にかけて第1波がきたあと、感染は徐々に収束するかに思われたが、6月に入ってから急増した。これまで感染者が多かったニューヨーク州などでは見られない現象で、確実に第2波がフロリダを襲っていると指摘できる。

いったいフロリダ州で何が起きているのか。現地で取材していないので伝聞の情報でしかないが、いくつか理由がわかっている。1つはウイルス検査の実数が増えているということだ。感染の疑いがある人はもちろん、無症状の人たちへの検査を積極的に行っているため、潜在的感染者が確認されている。

2つ目は5月25日のメモリアルデー(祝日)を境に、コロナへの警戒が溶けはじめ、集会やパーティに参加する人たちが増えたことが挙げられる。潜伏期があるため、感染後すぐには症状があらわれず、最近になって感染者の急増が数字にでている。

3つ目はフロリダらしい理由だ。同地はいまスイカの収穫期を迎えている。スイカを収穫するのはほとんどが中南米系の人たちで、彼らの感染率が極めて高いのだ。ある場所で225人にウイルス検査をすると、感染率は37%という数字だった。

彼らはすし詰め状態のバスに乗ってスイカ畑にいき、帰りも同じような状況で帰ってくる。1人が感染していると、すぐに広まってしまう。しかも彼らは少しくらいの熱と咳では仕事を休まないので、またたく間に広まったようだ。

日本とでは状況が違うが、1と2に関しては日本でも十分に注意が必要だろう。さらに今後、海外との往来が再開された時には日本にも第2波がくる可能性がある。コロナとの戦いはまだまだ継続中ということである。

犬がコロナ患者を嗅ぎ分けます:新型コロナ(21)

臭覚が人間の何倍も鋭い犬。その中でも訓練された特定犬がガン患者やマラリアに感染した人を検知できることはすでに知られています。

フランス、パリ郊外にあるアルフォート国立獣医学校はこのほど、コロナ患者を嗅ぎ分けることができる犬を訓練したと発表。ここまで8匹のベルジアン・シェパード・ドッグ・マリノア(日本では珍しい犬種)を訓練し、4匹はほぼ100%の検知結果で、残りの4匹も95%の的中率であるそうです。コロナ患者の汗を嗅がせることで判別するのです。

1日に何人くらいを嗅ぎ分けられるかの記述はないですが、これから世界的に広まっていくことでしょう。ガンバレ、マリノア!

from Pinterest

「コロナ失業者」はいったいどれほどか:新型コロナ(20)

新型コロナウイルスの感染拡大が起因して失業した人はいったどれほどなのか。

3月以降、飲食業などでは売上が昨年比で9割減になったという話が伝わる。同時に、解雇や雇い止めが進んでいるとの話も耳にする。

厚生労働省は22日、コロナによって「解雇や雇い止めをされたり、その見通しがあったりする働き手が、21日時点で1万835人になった」と発表した。2月4日の集計開始以降、初めて1万人を超えたという。

私は耳を疑った。100万人を超えていてもおかしくないと思っているので、1万人という数はどういった統計数字を使っているのか不思議でしょうがない。

実は、総務省統計局が完全失業者数を発表していて、4月28日時点で176万人である。これは3月分までの数字なので、4月、5月を入れるとずっと多くなるはずだ。コロナとは関係のない失業者数とも受け取れるが、それにしてもコロナが起因した失業者も1万ではきかないはずだ。

名古屋にあるシンクタンク「中部圏社会経済研究所」が20日に発表したコロナによる全国の失業者試算では、最悪で301.5万人が失職する可能性があるとしている。

またアメリカとの比較で恐縮だが、コロナ発生後に失業保険を申請したアメリカ人は最新の数字で3650万人である。日米では労働人口が違うし、コロナによる感染者・死亡者の数が違うので一概には言えないが、それでも厚労省の1万人という数字は少なすぎる。

故意に国民を安心させようとしているのか、それとも正確な数字を集計できていないのか、私には解せない。

いまだ拡大の一途:新型コロナ(19)

新型コロナウイルスの新規感染者が「日本では」減少傾向にある。今日、近畿3府県の緊急事態宣言が解除された。東京を含めた5都道県も今月中に解除される見込みだ。

ただ油断は禁物だ。第二波の到来の可能性があるし、世界に眼をむけると、実は悲観的にならざるを得ない。国内ニュースを見ていると収束の流れにあるので安心しがちだが、昨日(20日)の世界での新規感染者数は過去最高を記録した。1日だけで10万6000人である。

当欄ではアメリカの感染者の話を書いてきた。すでに感染者総数は155万を超えたし、一昨日の感染者数も今でも2万人超である。日本は他国と比較すると、明らかに国民一人一人のウイルス防御の意識が高いのだろうと思う。

安倍政権に対する批判はいろいろあるが、市民レベルではマクス着用の徹底はもちろん、他者からの視線を感じることで自らを糺すという行為が無意識のうちに行われている。日本社会にあるピアプレッシャー(同調圧力)がいい方向に機能しているのだろうと思う。

ところがアメリカでは他者の目よりもあくまで自身に重点が置かれ、いまでもマスク着用は徹底されていない。トランプ大統領がマスクをしないのが好例であり、「他人がどう思おうが構わない」との意識が維持される。時にはこうした心持ちが斬新なアイデアの具現化につながったりするが、今回は「統一」が重要のはずである。

全世界の感染者数はいま500万を超えた。日本ではコロナは収まりつつあるが、世界では「まだまだこれから」であり、緊急事態宣言が解除された(される)からといって、気をゆるめるべきではない。

いまだに減らない米感染者数:新型コロナ(18)

日本全国で新型コロナウイルスの新規感染者数が減ってきている。16日、全国の感染者は57人、東京都では11人だった。落ち着いてきてはいるが、国民一人一人が警戒を緩めるべきではないし、もしかしたら自分が無症候感染者として他者に感染させる可能性があると考えてしかるべきである。

上のグラフはアメリカの新型コロナの感染者数の推移を示したものだ。以前から当欄で掲載させていただいているもので、アメリカでも少しずつ減少してきているが、15日の感染者数はまだ2万5000を超えている。

日本では感染者の累計でさえ1万6000台なので、いかにアメリカの感染者が多いかがよくわかる。この数字を見る限り、アメリカが規制緩和をする段階ではないと思われるが、トランプ大統領はすでに「わが国は次のステージに」と述べて、緩和の方向に顔を向けている。

だが米国立アレルギー感染症研究所のアンソニー・ファウチ所長は規制緩和には慎重で、科学者らしい冷静な見解を述べる。

「市や州が早い時期に緩和に向けてのチェックポイントを飛び越えてしまうと、そのあとの反動に効果的に対応できないことがある。そうなると感染爆発につながりかねない」

だがトランプ氏はそれが気に入らない。「彼の返事には正直、驚いている。私にとっては、、、受け入れられない答えだ」

失業者が急増し、経済が低迷していることは誰もが分かっている。だが「魔の感染症」によって、より多くの人が亡くなっていいわけでもない。規制継続か開放か、という明確な2者択一ではなく、知恵を絞って半歩ずつ前へ進んでいくしかないだろうと思う。