いまさらながらのワクチン:新型コロナ(43)

先週のニュースを持ち出して恐縮だが、米国立アレルギー感染症研究所のファウチ所長は、「(6月のコロナ感染による)死亡者の99.2%はワクチン未接種の人たちでした。ですから(接種さえしていれば)防げたのです。(亡くなられたことは)大変悲しいことでした」と話し、いかにワクチン接種が重要であるかをあらためて強調した。

ただアメリカでも、ワクチン接種に積極的な人とそうでない人たちがいる。それは政治的な分極と関係があり、民主党支持者の93%がワクチン接種の推進派だが、共和党支持者の49%だけがワクチン支持者という数字がでている。

ワクチン接種は自分自身をコロナから守るだけでなく、家族を含めた他者を感染させないという意味でもたいへん重要である。あらためて、できるだけ全国民が接種することを望む。

日々感じる矛盾:新型コロナ(42)

今晩7時からの菅首相の記者会見をみた。滑舌の悪さを横に置いておくとしても、お世辞にも国民を納得させられるだけの言説になっていなかった。国家のリーダーとしてコロナをどう収束させるかの確固たる姿勢も、具体的な方策も示せていなかった。あらためて「この人が首相か、、、」とため息がでた。

同時に、悲観的にならざるを得ないのが、東京の新型コロナウイルスの感染者増である。連日、テレビニュースでは「先週の同じ曜日と比較して」という言葉をつけて数字を発表しているが、これが正確な比較になっていないことは多くの方も感じていることだろう。

というのも、PCR検査数が前週とまったく同じであれば問題ないが、分母が毎日のように違うなかでの比較は正確さを保てるわけがないのだ。東京都の「新型コロナウイルス感染症対策サイト」をみると、このところPCR検査数は連日7000人台であるが、まったく同じ数という日はない。少しずつ増減がある。

感染者数を発表する時に、「何人にPCRを行い、そのうちの800人が感染し、今日の陽性率は何々%です」という発表方法が妥当だと考えるが、感染者数だけを取り出して「先週の同じ曜日と比較して」といわれても「ハー?」と言わざるをえない。

さらに東京だけでなく、日本の日々のPCR検査数が少なすぎると考える。たとえばニューヨーク州の検査数は今年1月、2月など毎日約25万だった。春になって感染者がへったので、1日約10万になったが、7月に入ってもまだ5万前後で推移している。東京の1日約7000人とではケタが違う。ニューヨーク州の人口の方が東京都よりも500万以上多いことを考慮しても、東京都の検査数は少なすぎる。

これまでのコロナ感染者や死亡者数を眺めると、アメリカは何も誇れるものはないのだが、最近はワクチン接種が進んだこともあり、感染者数が格段に減った。

たとえば7月6日のニューヨーク州のPCR検査数は5万1237。感染者数は486人。陽性率は0.9%まで落ちている。一方の東京都は同日のPCR検査数が7892。感染者数は569人で、陽性率は6.0%。

東京は検査数が少ないため、感染者数が長い間、低く抑えられてきた。同日、仮に10万件の検査をした場合、東京都の感染者は単純計算で6000人ということになる。

東京都であれば1日10万の検査体制をとれるはずである。それだけの数をこなさないのは、感染者数を低く保つためと思われても仕方がないだろう。東京都は何かを恐れているのか。

目力で勝負する時

昨日(6月3日)の朝日新聞夕刊を読んでいると、「なるほど・・・」と思わされる記事にであった。三谷幸喜氏の連載エッセイ「ありふれた生活」で書かれていたマスク生活についての指摘である。

コロナ禍にあって、ほとんどの人が外出時にマスクをつけることで、新しく出会う人ともまずマスク姿で対面する。三谷氏はこうした状況で「一目惚れ」ということが起こるのかと疑問を発するのだ。一目惚れは、往々にして顔から受ける好印象によって相手のことを好きになるが、マスクで鼻の上部から下の部分が隠されていても一目惚れはあるのかということだ。

顏の一部だけしか見えていないと、隠された部分は想像せざるを得ない。「目もとはステキだけれども口は曲がっているかもしれない」という憂慮や「目は私の好みではないけれども、鼻は高いかもしれない」といった思いなどさまざまだ。

いずれにしても判断材料はマスクからでている目の部分になり、おのずとそこに神経が集中するようになる。優しい目もともあるだろうし、ガツンとくるような魅惑的な目もあるだろう。いずれにしてもコロナが続く限り、目力のあるなしによって人は判断されるし、「目は口ほどに物をいう」日々がしばらく続くことになりそうだ。

「10人に1人」対「166人に1人」:新型コロナ(41)

日本を含め、アメリカやヨーロッパ諸国ではいま、日々の新型コロナウイルス感染者数が減少している。何よりである。6月1日の日本全国の新規感染者は2643人で、まだまだ「安心していい」段階ではないが、少なくとも減る方向にある。

日本のワクチン接種率はアメリカなどと比較すると低率だが、最初から感染者の絶対数が少ないばかりか、死亡者数も桁が違っていた。タイトルで記した「10人に1人」というのはアメリカでの感染割合である。

アメリカの現在の人口は約3億3000万。ここまでの感染者は約3300万人なので、おおよそ10人に1人が新型コロナに感染した計算になる。いくらワクチン接種が進んでも、惨憺たる数字であり自慢できるものではない。

次にあげた「166人に1人」というのは日本の感染比率である。約1億2500万の人口で、ここまで約75万人が感染しているので上記の割合になる。これからはワクチン比率をあげていき、できるだけ早くコロナという魔物を駆逐したいものである。

1分で判定できる?:新型コロナ(40)

世界中が新型コロナウイルスに席巻されている日々が続いているが、明るい話題がないこともない。

たとえばシンガポールでは呼気を調べるだけで陽性か陰性かを判定できる新技術テストが、同国政府から暫定承認された。まだ暫定的ということだが、「確実に」判定できるのであれば、世界中の人がより簡便に検査ができるようになる。

シンガポール国立大学(NUS)からスピンオフした新進企業であるブレスホニックス社が開発したもので、息を吹きかけるだけでいいので判定には1分しかかからないという。飲酒運転を調べるときのアルコール検出器に似ており、シンガポール保険科学庁(HSA)が暫定承認した。

検査の正確性が証明されればPCR検査よりも多用されるだろうし、世界中に広まることを願う。