PCR検査の必要性:新型コロナ(28)

相変わらず新型コロナウイルスの感染拡大が続いている。収束という言葉は当分使えなさそうだ。

それは日本だけではない。世界最多の感染者・死者を出しているアメリカでもそうで、PCR検査の陽性者数はすでに628万を超えた。日本のここまでの陽性者数(約5万2200人)の100倍以上なので驚かざるをえない。アメリカの人口が日本の約2.5倍であることを考えても多すぎると言わざるを得ない。

ただ、捉え方を変えると日本は検査数が少なすぎるとも言える。厚労省が14日に発表した数字では、日本のPCR検査数はここまで約144万件。多いようにも思えるが、アメリカのPCR検査数はすでに7000万件を超えている。7000万である。

検査体制だけに目を向けると日本より拡充されていると言える。それでは陽性率はどうなのか。月によっても違うが、直近のアメリカの陽性率は約9%。日本は厚労省が7月31日に発表した数字で6.6%である。だが上記の陽性者数とPCR検査数から算出すると日本の陽性率は3.6%ほどで、発表されている6.6%よりは低いかもしれない。東京都の陽性率(東京都発表)は8月14日時点で5.9%という数字だ。

ここから類推できるのは、日本がアメリカのように数千万人に対してPCR検査を実施したとしたら、感染者はいまよりも桁違いに増えるということである。日本では検査体制がアメリカほど拡充していないこともあるが、日本で検査数が増えないのは、日本人の心中に宿る憂慮が影響しているせいかもしれない。

つまり「感染していることを知られたくない」、「もし感染していたら周囲に迷惑をかける」、「村八分にされる」などなど、症状が軽ければなおさら、検査を受けたくないと考える人がいるということだ。

アメリカでは今、上記の数字でも検査数が足りないとの声が研究者からでているくらいである。定期的に、全国民にPCR検査をすべきだとの意見もあるくらいだ。

安倍首相はマスクを配るのではなく、すべての国民にPCR検査を実施する手配をしてもいい!

コロナ失業の現実:新型コロナ(27)

昨日、オンラインでワシントン・ポスト紙を読んでいると、新型コロナウイルスによって失業し、アパートを追い出された30歳の男性の記事がでていた。コロナは厄介な感染症であると同時に、経済破綻をもたらせもする。

首都ワシントン市内に住んでいたダニエル・ヴォートさん(30)はコロナに感染しているわけではないが、コロナの影響で勤務していた飲食店が閉店。4ヵ月間も収入がなかったことで家賃が払えなくなり、実家のあるニューヨークに戻ることにした。

失職中、ワシントンで仕事を探し続けたが見つからず、預金は減るだけとなり、ワシントン・ポスト紙の記者がインタビューした時には財布に10ドル(全財産)が残っているだけだった。銀行口座はゼロどころかマイナス。アメリカでは個人が当座預金を開いて小切手を発行するため、残高以上の金額を小切手に書き込んだ場合は不渡りを起こしてしまう。

市政府に失業保険の申請をしようとしても失業者が急増しているため、システムに登録されるまでに時間がかかる。申請者数は昨年同期比で5倍であると同紙は書いている。

ヴォートさんは生まれ故郷のニューヨークに帰るための資金もないため、父親に事情を話すと交通費として100ドル(約1万500円)を電送してくれた。ただ親子関係がいいわけではないので、実家に帰りたくなかった。実家はマンハッタンのマンションだが、決して裕福というわけではなく、彼が戻っても自分の部屋があるわけではない。父親は「寝床はカウチだからな」とヒトコト。

彼のオプションとしては「路上で寝るか、オヤジのところ」しかなかったので、仕方なく実家に戻ることにした。ニューヨークに戻る直前、失業保険の担当者から初めて電話があった。だが申請に不備があり、もう1度申請し直さなくてはいけないと告げられた。

ニューヨークに着いた時、財布の中には1ドル札しかなかった。

漠然とした肯定感:新型コロナ(26)

新型コロナウイルスの感染拡大が続いている。ほとんどの方は感染したくないと思っているはずだし、マスク着用はウイルス防止には欠かせないと考えているかと思う。いま外出時にマスクをしていない人を探すことが難しいくらいだ。特に公共交通機関に乗るときは必須アイテムだろう。

ところが、である。友人や知り合いと食事をしたり、お茶の飲む時はマスクを外す。「知っている人だから、たぶん大丈夫だろう」という漠然とした肯定感によってマスクをしない状況での会話が続く。しかも数時間、しゃべりつづけることさえある。

というより、マスクをしたままでの食事は不可能なので、同席者がコロナの感染者であれば感染する確率は極めて高くなる。冷静に考えてみると、外出時の不特定多数の人との接触よりも、友人・知り合いとのマスクなしでの会話の方がはるかに感染確率は高くなる。

だが1人ひとりに「あなた大丈夫だよね」と訊いていられないし、その質問自体、失礼な行為になる。それでは食事をする時はいつもポツネンと寂しく食べるのかといえば、そんなことはない。多くの方は相変わらず同僚や友人と一緒に、マスクを外して話をしながら食事をしているだろう。

中には最近、家族以外とは食事をしていないという方がいるかもしれないが、そこまで徹底すると周囲からは「エー、そこまでやるうう」というセリフが飛んできそうだ。コロナの症状がでないかぎり、ほとんどの方はPCR検査をしないだろうし、漠然とした肯定感で毎日を送っているというのが実情なのではないだろうか。

どうしようもなくマズイ:新型コロナ(25)

今朝、ネットでワシントン・ポストを読んでいると、アメリカの首都ワシントンでコロナによって大打撃を受けている企業の記事がでていた。社長さんが「どうしようもなくマズイ」と2度、記者に述べている。

コロナで影響を受けている業種は外食から小売、自動車にいたるまで他分野にわたるが、そのなかでも観光はどの国でも大減収に見舞われている。ワシントン・ポストが取り上げたのは、観光バスを70台も所有する「DCトレイルズ」というバス会社だった。昨年は約140万人の乗客を乗せている。

だがコロナが蔓延しはじめた3月からキャンセルがつづき、減収に見まわれている。すでに約200人の社員を解雇したが、今後会社を存続できるかどうかはわからないと社長は不安気だ。全米には約3000のバス会社があるが、多くは中小で、約90%が稼働していないという。

ワシントン・ポストの情報によると、アメリカ国内でバス(観光・市内)を利用する人は年間約6億人。飛行機の利用者が約7億人なので、バスを利用する人もたいへん多いことがわかる。ただ、今回のコロナ禍によって航空会社や鉄道会社は政府から多額の助成金や援助資金を受けとるが、バス会社はカヤの外であるという。

全米バス協会という団体があり、毎日のように連邦議会の政治家に陳情し、補助金を要請しているが、今後の補正予算のなかにバス会社救済の条項が含まれるかどうかはまだわかっていない。大げさな言い方をすれば、アメリカのバス文化の存続がかかっているだけに是非とも政府は公的資金を投入すべきである。

第2波が来ていない国がある:新型コロナ(24)

新型コロナウイルスはいまだに収束していない。収束していないというより、東京にはすでに第2波が来ていると言えるだろう。

Graph from Nippon.com

第2波の到来は日本だけの現象ではない。アメリカにも日本とほぼ同時期に押し寄せている(下図))。

Graph from Dailymail.com

アメリカの方が感染者数は日本よりも圧倒的に多い。3月時点から単位が日本とでは違う。上図の左に、3Kや6Kという表記が確認できるかと思う。ご承知の方も多いと思うが、Kは1000=Kiloを意味している。最近は50K、つまり全米の新規感染者は1日5万人前後にたっしており、これがアメリカの第2波の現実だ。日本も第2波の方が新規感染者が増えると予測する専門家がいることから、各自の日々の行動が本当に重要になる。

ここでもう一つ、別のグラフをご覧いただきたい。

Graph from Johns Hopkins University

ある国のコロナ新規感染者のグラフである。どこの国か、おわかりになるだろうか。

ドイツである。グラフの最後の日付が6月26日なので、7月に入ってからの数字がわからない。いま調べると、7月5日の新規感染者は239人。同国の3月、4月の数値との比較から、アメリカや日本のような第2波は来ていない。

しかしドイツメディアの報道を読むと、ほぼ半数の国民がこれから第2波が押し寄せるのではないかと憂慮している。遅れて第2波がくるのか、それともドイツはコロナの封じ込めに対応できているのか、その答えは半月後にはわかるかと思う。