コロナ後遺症としてのアルツハイマー

このところ新型コロナに感染した人が後遺症としてアルツハイマー病にかかるケースが増えている。コロナ感染後、1年以上たってからアルツハイマーになるリスクは感染していない人に比べて2.03倍だという。いまコロナは収まっているが、1年以上前にコロナにかかった人がいまになって記憶力の低下や息切れ、疲労感、味覚障害といった障害に苦しんでいる事例が報告されている。

米医学誌「ネイチャー・メディシン」は昨年9月、全米の退役軍人の データベースから、新型コロナ患者15万4068人と、感染していない563万8795人のデータを主に解析し、感染後のアルツハイマーのリスクが高いという研究結果をえた。

後遺症としてアルツハイマーになる医学的メカニズムはまだ解明されていないが、アルツの原因とされるたんぱく質アミロイドβの蓄積が促進されたり、ウイルス陰性になったとしてもウイルスが完全に消滅したわけではないので、体の中のどこかにウイルスが潜伏し、感染や炎症が続いて後遺症をもたらす可能性があるという。

コロナを発症して2週間後には脳で増殖したウイルスが見つかり、最長230日目でも、肺以外の体内でウイルスが増えるという持続感染の証拠が見つかっている。いまは沈静化しているコロナだが、決して油断してはいけない。私はいまでも外出する時はマスクをするように心がけている。