イギリスのEU離脱の意味

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イギリスのEU離脱の意味をどう捉えたらいいのだろうか。

ヒトコトで言うならば「政治と経済のせめぎ合いで政治が勝った」ということだろうと思う。

どういうことかというと、過去20年以上、世界は経済分野では共通のルールや価値観を共有する動きを加速させてきたが、政治分野では国家の自治権や独立する意識の高まりによってむしろ分裂する動きが強く、今回は政治に軍配があがったということである。

世界史を紐解いても、国家は分裂・独立していく方向のベクトルに力をもたせてきた。政治判断というより、民族自決的な意味合いと、精神的な自立によって国家数は増え続けている。ドイツの統合は例外である。旧ソ連の瓦解による地域国家の誕生やインドネシアから独立した東ティモールのように、今後は増え続けて国家数は200を優に超えてくるだろう。

だが、経済は国家間の枠を越えて、統合・融合の流れが加速している。EUはまさにそうだった。大きな経済圏をつくることで経済活動がより活発化され、物流や消費が増えて経済成長を促進してきた。

20年ほど前にNAFTAと言われる北米自由貿易協定が結ばれたのも同じ理由だ。カナダ、米国、メキシコの3国が貿易面では基本的に関税をなくして物品の行き来を自由にした。TPPも同様で、それによって経済的な利点が生み出される。もちろん弊害もある。

経済という枠組みでは、世界は1つになろうとしてきた。それとは逆に、政治という人の営みにおいて、世界は個別化する流れに乗っているのだ。

政治・経済という2分野は、ベクトルの向きでは逆であることが多い。どこかに歪みが生じやすい。

そうした観点では、イギリスのEU離脱は自立性の勝利である。経済的にはマイナス点が多いが、それが国民の選択だった。将来、TPPが発効した後に日本が抜ける場合、選択肢は国民にあることを教えてもいる。

マンハッタンでの整列

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ニューヨーク市マンハッタン56丁目の5番街と6番街に勢ぞろいしたレンタル自転車。

2013年にスタートした自転車のシェアサービスで、当初は6000台からスタート。来年には1万2000台に増える予定で、駐輪場も700カ所。車体にある「シティ・バイク」のシティというのは金融機関「シティグループ」のことで、4100万ドル(約45億円)を市に寄付して始まった。

ニューヨーカーからの評判はまちまちで、年間メンバーシップ料金の150ドルが「高い」という人もいれば、「観光者は使いづらいと思う」という声もある。

それでもニューヨークの街に溶け込みだしていることは間違いない。

オバマが本当にやるべきこと

アメリカの国務長官ジョン・ケリーが11日、広島の平和記念公園を訪れた。広島でG7(先進7カ国)外相会議があったためで、他の外相と共に慰霊碑への献花を行ったが、広島で会議がなければ足を運んでいなかっただろう。

謝罪の言葉はなかった。戦後71年間、アメリカ政府が取り続けている原爆投下へのスタンスである。ケリーが個人的に謝罪したいと思っていたかはわからない。私人として「すみませんでした」との気持ちがあったとしても、公人としては政府の立場を守らざるをない。

オバマは5月に伊勢志摩で開かれるサミットのあと、広島に立ち寄って核兵器廃絶宣言をするとの情報もある。アメリカの大統領はいまだに広島にも長崎にも訪問していないのでニュースにはなるが、たとえ謝罪したとしても、私は「それで?」という思いでしかない。

実はオバマにはかなり期待していた。2009年1月に大統領に就任してから、本当に「Yes, we can」を形にできる大統領かもしれないと考えていた。しかも核兵器問題については、同年4月のプラハ演説で核兵器廃絶をはっきりと宣言し、それが評価されて同年ノーベル平和賞を受賞している。

けれどもその後の7年間、オバマが積極的に核兵器廃絶に動いたという印象はない。むしろ世界は北朝鮮をはじめとして、核拡散への方向に進みつつある。

オバマはアメリカの大統領である。言葉だけで終わらせずに、目に見えるかたちで核兵器廃絶を前に進めることができたはずだ。少なくとも、多方面で尽力しなくてはいけない。

政治はときに「言葉の格闘技」と言われるが、究極的には何がでたのか、何を成就させたのかが問われないといけない。そういう意味で、政治家は格闘技の試合の最後に「確かな勝利」をものにできないといけない。

5月に広島に数時間だけたち寄り、プラハ演説に似た雄弁な演説をするだけであれば、私は来なくてもいいと思う。謝罪よりも「確かな勝利」を世界中に示さなくてはいけない。それがアメリカ大統領の役割である。

ノーベル平和賞が泣いている。(敬称略)

Obama4.13.16

By the White House

ヘアロビクス?

Inidianman1.19.16

Photo courtesy of Sanat Kumar

インドで1000年以上もつづくマガメラという祭典で髪を振り乱す聖人。マガメラはガンジス川、ヤムナ川、サラスワティ川の合流地点であるサンガムという聖地で毎年行われている。

世界で最も視聴されている音楽(Youtube)

原稿を書いている時、いつもではないが音楽を聴いていることがある。

「その方が効率がいい」というわけではない。「それでも仕事ができるから」といった方がいいかと思う。科学的に音楽を聴きながらの方が効率があがるかどうかはわからない。ボリュームを抑えていれば、十分に仕事はできる。

そんな時、Youtubeはありがたい。自宅で仕事をする時はいつもパソコンを2台使うので、1台からは音楽が流れていることが多い。作業用のBGMによっては4時間以上もノンストップで曲が流れ続ける。

私の音楽の嗜好はかなり広範でジャズからクラッシック、そして昨日リリースされたばかりのロックといったぐあいである。ただヘビメタだけは体がうけつけない。

昔の曲も悪くはないが、最近はイマの時代のものを聴きたいという欲求が増している。昨晩、世界で最も視聴されている曲(Youtube)は何かと思って調べてみた。

2012年にリリースされたダンス・ミュージック「江南(カンナム)スタイル(GANGNAM STYLE)」(PSY:サイ)だった。いまさらこの曲の説明はいらないだろう。再生回数は現在までで24億7900万回を超えている。

韓国人歌手がここまで世界中で聴かれるとは本人も思っていなかったはずだ。

第2位がテイラー・スウィフトの「ブランク・スペース」。誰しもが知る歌姫だ。再生回数は13億5700万回。3位がウィズ・カリファの「シー・ユー・アゲイン」で12億6900万回。いま世界でもっとも聴かれているラッパーである。

第4位はジャスティン・ビーバーの「ベイビー」、12億6100万回。第5位はマーク・ロンソンとブルーノ・マーズが共演した曲「アップタウン・ファンク」。再生回数は12億2900万回。

トップ5はいずれも12億回を超えている。お気づきかもしれないが、全曲ダンス・ミュージックである。実に多くの国で音楽は体を動かすものというイメージがある。

というより、「世界中の国」といっても過言ではないほどダンスが文化の中に溶け込んでる。南北アメリカ、ヨーロッパ、アフリカ、中東からインドなど、音楽イコールダンスと呼んで差し支えないほどダンスカルチャーが根付いている。

そういう意味で、日本は沖縄などを除いてお酒がはいった時でも踊る人は少ない。

けれども、それもまた文化である。