「我々は戦いつづける!」

筆者撮影

11月19日午後2時、東京丸の内にある日本外国特派員協会の記者会見に現れた駐日ウクライナ特命全権大使のセルギー・コルスンスキー氏。ロシアとの戦いはウクライナ側が勝つまで続けると明言した。

2022年2月に始まったロシアによるウクライナへの侵攻は、今日でちょうど1000日目を迎えた。一向に終わる気配がない戦争に、周囲からはそろそろ終戦への手立てを熟慮すべきとの声もあがるが、ウクライナ政府は「勝つまでは」との姿勢であるという。というのも、「敵が戦いを止めない以上はこちらも止めるわけにはいかない」との立場だからだ。

数日前、バイデン政権がウクライナに対し、米国製の長距離ミサイルの使用を許可するとの報道がでた。米国製兵器の使用が認められれば、ウクライナでの戦争はさらにエスカレートする可能性が強い。こうした状況について、コルスンスキー大使は「ドローンは時に充分ではない。長距離を飛ぶことができないからだ。だから我々はミサイルが必要になったのだ」と述べ、長距離ミサイルの使用を正当化してみせた。

会見の最後に、プーチン大統領について次のようにコメントしたのが印象的だった。

「彼は怪物であって人間ではない!」

ケネディがトランプ政権の閣僚に

今朝(11月15日)の海外ニュースに多くの方は驚かれたのではないだろうか。

トランプ次期大統領がロバート・ケネディ・ジュニア氏(70)を次期政権の閣僚に起用するというのだ。ケネディ・ジュニア氏といえば、1968年に暗殺されたロバート・ケネディ氏の息子で、リベラルなケネディ家で生まれ育ち、ずっと民主党員だった人物である。そのケネディ氏をトランプ氏は共和党政権に引き入れようというのだ。

ただケネディ氏は今年の大統領選 で「2大政党からの独立を宣言する」と発言し、 無所属で出馬していた。8月23日になって勝ち目がないことを判断すると、大統領選から撤退して今度はトランプ氏を支持すると表明。ケネディ家としては信じられないような行動にでたため、ケネディ家の5人の兄妹が「悲しい物語の悲しい結末」と題した声明を発表した(以下)。

「ボビー(ロバート)がトランプ氏を支持するという決定は、私たちの父と家族がもっとも大切にしてきた価値観への裏切りです。(中略)この行為は 父の思い出を冒涜し、踏みにじり、火をつけるようなもので、極めて不可解であり、完全に否定し、もう縁を切ることにします」

この反応は十分に理解できるところだが、理解に苦しむのはなぜケネディ氏がトランプ支持に回ったかである。それについて本人は「本質的な違いはあるものの、重要な課題では一致している」と述べて、まったく違うわけではない点を強調。トランプ氏は自身が大統領に返り咲いた時には、「ケネディ氏を要職に起用することを検討したい」と話していたので有言実行というところである。

予想外なことが起こるのがワシントンの政治だが、ケネディ家といえば「民主党の顔」ともいえるファミリーなので、その中からトランプ政権の閣僚になること自体が信じられない話である。

力による平和

次の米大統領に決まったドナルド・トランプ氏は選挙期間中、「(私が大統領だったら)ウクライナの戦争は24時間以内に解決できる」と 繰り返し 述べていた。また、もし自分がホワイトハウスにいたとしたらロシアがウクライナに侵攻することはなかったとも話している。しかし、その方法論は明言されていない。

前回のトランプ政権(2017年から21年)で、トランプ氏は「アメリカ第一主義」の保護貿易政策を掲げながら、「力による平和」というアプローチを使って外交を推し進めた。それが来年からのトランプ政権でも使われ、功を奏するかはわからないが、少なくとも世界平和を実現していこうとの意識があることわかっている。

ウクライナのゼレンスキー大統領はトランプ氏当選後、ソーシャルメディアXで「選挙での見事な勝利、おめでとう。(中略) 9月にウクライナと米国の戦略的パートナーシップや勝利計画、そしてロシアのウクライナ侵略に終止符を打つ方法について詳細に話し合いましたね」と記し、トランプ氏を称えた。

先週木曜、トランプ氏はロシアのプーチン大統領と電話会談し、ウクライナでの戦争をこれ以上エスカレートさせないようにと忠告したと伝えられている。外交政策の詳細についてはこれからだが、同氏は 孤立主義と保護主義に根ざした「アメリカ第一主義」の復活を約束しており、このあたりを見据えながら日本も慎重にトランプ氏と良好な関係を構築していく必要がある。