10月31日付のウォール・ストリート・ジャーナル紙で、同紙の解説者であるグレッグ・イップ氏が興味深い指摘をしていた。それは今週火曜(5日)の大統領選で選ばれる次期大統領はいまの堅調な米経済を背景に、どちらが選ばれても政策に関係なく、いいスタートを切れるというのだ。過去1年間の米経済の成長率は2.7%で、先進7カ国の中ではもっとも高く、トランプ氏であってもハリス氏でも順風をうけることができ、経済面で大きな心配はいらないとする。
一方、2024年の日本の国内総生産(GDP)の実質成長率は日本経済協力開発機構(OECD)によると、マイナス0.1%になると予想され、主要7カ国(G7)の中では唯一のマイナス成長が見込まれている。少し統計を調べると、G7で経済成長率が1%を超えているのは米国だけである。
米国は生産性の向上によりインフレに陥りにくくなり、財政赤字が続いても体制を維持できるようになり、高い給与水準を保てている。それにより2023年下半期以降、米国の平均賃金の上昇率はインフレ率を上回ることになっている。
そんな時、共和党員と公言する米国人と話す機会があった。彼は「トランプ氏は嫌いだが、トランプ氏に一票を投じる」と矛盾することを言う。どういうことか問うと次のように説明してくれた。
「ハリス氏の経済政策は社会主義的で、けっして褒められるものではない。ギャラップ調査によれば、米国人の52%が4年前よりも自分や家族の生活が苦しくなっていると答えている。良くなったとしたのは39%だけ。バイデン=ハリス政権は多くの無料プログラムを提供して税金を浪費したばかりか、不法移民を含めた多くの移民の流入を許した。個人的にトランプ氏は嫌いだが、ハリス氏よりは何倍もいい」
一人の米有権者の意見でしかないが、皆さまはどうお考えだろうか。