いま西日本に上陸している台風10号は、国際名では「シャンシャン(Shanshan)」という名前がつけられている。以前から台風には英語らしい人名がつけられていたが、2000年からはアジア名がつけられるようになり、今回は昨年中国に返還されたパンダと同じ名前のシャンシャン。可愛い名前がつけられているわりには猛威をふるっているので、毎回名前と実像とでは落差があると感じている。
台風もハリケーンも同じ熱帯低気圧で、発生する地域によって呼び方がちがう。ただ台風は最大風速が秒速17メートル以上、ハリケーンは秒速33メートル以上になったものをいう。
個人的にもっとも印象に残っているのは、ジャーナリストとして初めて取材した1992年のハリケーン「アンドリュー」。それまで米国カテゴリー5(最大)に分類されたハリケーンは3つしかなく、そのうちの一つだった。フロリダ半島を横断して大きな被害を残し、現地に足を踏み入れて唖然とした(写真下)
カンバンが飛ぶとか木が倒れるといったレベルではなく、被害の最も大きかったホームステッド市ではほとんどの家屋が倒壊していたのだ。台風でここまでメチャクチャになった日本の都市を知らない。
「自然の猛威」とよく言われるが、そんな簡単な言葉では言い表せない凄まじさを目の当たりにして、人間の小ささを感じた。台風でここまでメチャクチャになった日本の都市はあるだろうか。