パリ五輪が始まり、連日テレビでは各種競技が放映されて盛り上がっている。だが、私は何かもの足りないものを感じている。それが何かといえば、ロシアが参加していないことである。
特に体操などは伝統的にロシアが好成績を残してきただけに、ロシア不参加の五輪というのは準主役を欠いたミュージカルのようで、一抹のつまらなさを感じてしまう。体操という競技は、ロシア人選手と競い合ってメダルを獲ることで本当の意味での世界一になれる気がする。
ロシアは2022年2月にウクライナに軍事侵攻。今年3月、オリンピック委員会(IOC)は同件によりロシア 人選手の参加禁止を決めた。パリ五輪の大会5日目の各国のメダル獲得数をみると、日本が上位にきているのは結構なことだが、ロシアの名前がないのが何かもの足りない。ただ、10数人のロシア人選手がパリに入っている。ロシアの国旗が付いたユニフォームを身に着けることはできないが、「中立選手」という立場で競技には参加できる。
本来であれば政治とスポーツはベツモノとして判断し、ロシアも五輪に参加してほしかった。というのも、IOCが制裁としてロシアの不参加を強いても、それでロシアがウクライナでの戦争を止めるわけではないからだ。五輪不参加の制裁は、実質的な効力を持たず、名目的な意味合いだけでしかなかった。